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【特別編も完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第91話 昨日の話と情報屋で朝食を

「……と、いう事で流れ的に逃げられませんでした、ごめんなさい」

「いや仕方が無い事だ、今夜一晩のお仕置だけで許してやろう」

「そ、それは許されているのでしょうか……?」


 アンジュちゃんを流れで学校に送り届けた後、

 四人で地下を通って例の情報屋へ向かっている、

 結構な距離を歩くのでその間、宿での出来事を報告した所だ。


「しかしデレスがそこまで内情を話すという事は、仲間にするのか」

「仲間というか、今後も鍛冶の依頼をするコネを作っておきたかった下心は否定しません」

「それにしても思わぬところで思わぬ物が役に立ったな」


 正直、同じドワーフでもカルハさんくらい可愛いかったら大歓迎の部類だ、

 でもマリウさんは、いや、やっぱりやめておこう、そういえば年齢はいくつなんだろう?


「ここから先は迷路のようだな」

「あっ、任せて下さい! 敵の出ないダンジョンみたいなものですよね、ここ」


 書きなおした地図を参考に進む、

 小さな娼館までたどり着ければ後はすぐだ、

 ええっと、あったあった! 亜人娼婦と思ったらあれハーフだなみんな。


「あとはこの先を……うん、あそこです」

「待ってくれ、あちこちぶつかる」

「狭いですからね、クラリスさんもヘレンさんも気を付けて」


 何か壊して因縁つけられなきゃいいけど、

 と例の喫茶店にたどり着いた、良かった、やってるやってる。


♪カランコロ~ン


「ようこそ幸運の喫茶店オーバジーンへ」


 扉を開けると迎え入れてくれる例の、

 闇ギルドのギルマスって例えられるような大男だ。


「すみません、サンドイッチください、お腹空いて、みんなは」

「では私もいただこうか」「わたしも」「ヘレンは」「……ありがとうございます、食べます」

「飲み物は」


 お、ここ実はメニューちゃんとあるのか!

 なになに、銀貨一枚ではちみつティー、これ美味しそう。


「僕ははちみつティーで」

「私はこの『酔わないエール』とかいうのを」

「わたくしは無料のハーブティーでかまいません、ヘレンさんもいいですわね」「はい」


 ああ、あれ無料だったのか、

 ってじゃあ前回のはなんだったんだー!


「それで店主、『モヒトが……」

「それはもういい」


 出入り口で閉店の板を下げ、

 奥に引っ込んでいったと思ったら小さな亜人ハーフ、

 リザード人と人のハーフっぽい子に何か言って戻ってきた。


(店員ほかに居たんだ……)


「さて、女勇者コロメの情報だがな、Dクラスまではモバーマス大陸に居たが、

 ミリシタン大陸でCクラスになり、Bクラスになったのはスターリ島でらしい」

「あっ、ミリシタン大陸とここモバーマス大陸の間の」

「さらにその後、シャマニース大陸でAクラスに上がったようだ」


 なるほど、そっちで有名だったのか。


「そして二か月半前にモバーマス大陸に戻ってきた」

「じゃあそこまで有名でなくても仕方ありませんね」

「こっちに来てからは金稼ぎ的な仕事ばかりで、

 ダンジョンのボス退治はしなかったようだ」


 そこまでわかるんだ、凄い情報網だ、

 どこから引っ張ってくるんだろう?と思ったらニィナさんが口を開く。


「あきらかに情報の出先がバレバレだが良いのか」

「ああ、構わんよ、こっちは聞いた側だからな、誰が言ったか個人特定できなければ」

「バレバレってニィナさん……」


 あ、ちっこいリザードハーフがはちみつティーと酔わないエールを持ってきた!

 よちよち、っと頭を撫でたくなる、エプロンがかわいい、女の子だなこれ。


「ありがとう」

「……えへ、ハーブティーも持ってくるね」


 なんとなくアンジュちゃんに会わせたいな、この子。


「パーティー仲間はしょっちゅう入れ替えるというか、

 奴隷を買ったりどこかから調達してきては使い潰すタイプらしい」

「そんな!!」


 思わずヘレンさんが声をあげた、うん、仕方ない。


「アンタがヘレンか、いま奴隷になっている連中も酷い使われ方をされているようだ」

「そんな……そんな」

「だから目が死んでいたんですね」

「なぜ奴隷になったかはもうちょっと調べればわかるが、理由をつけて騙したのだろう、

 詳しい理由まではまだわからないが、罪にならない騙し方をしたんだろうなあれは」

「やっぱりですか、モヒトさんも同じような事を言っていました」


 そう考えると僕もニィナさんが全力で騙しにかかってきていたら、

 奴隷にされていてもおかしくないのかも? いやあ女性って恐ろしい。


「あと美味しいものに目がないらしくAエリアのレストランでしょっちゅう見かけるらしい」

「あーそっちでしたか」

「常宿もそっちだ、これが宿の名前と部屋の番号になる」


 メモを渡された、いいのかこれ、依頼したの僕だけれど。


「ありがとうございます」

「ダンジョンでの狩場は百二十階から百三十階、ゴールデンバッドで金の魔石を狙っている」

「なんですかそれ初めて聞きます」

「ごくまれに魔石が金になっている奴がいる、それを売れば結構な金になるんだ」

「それを延々と狙っているんですか」


 なるほど金目当てだ。


「狩場への行き方はこれだ、Bエリアの昇降機で降りる場所から近いらしい」


 また新しいメモだ、

 丁寧に行き方が書かれている、ありがたい。


「とりあえず今、出せる情報はこんな感じだ、まだ知りたい事はあるか?」

「そうですね、ニィナさん、どうしましょう」

「うむ、これだけ良質な情報が揃えば文句は無い、が、引き続き何かあれば頼む」

「わかった、もう少し別の目的がないか、過去の奴隷についても探ってみよう」

「よろしくお願いします」


 正直、これだけで十分そうだけど高い白金貨払ったからね。

 あれ? いつのまにかハーブティーがクラリスさんヘレンさんにも置かれていた、

 話に夢中だったからな、今はサンドイッチを作っているのかな?


「あ、すみません、サンドイッチおいくらですか、さっきのはドリンクメニューだったので」

「全部無料で良い、ただし条件がある」

「な、なんですかそれは」


 四人掛けテーブルの横からぐいっと顔を近づけてくる!

 身長差があるからね仕方ないね、でもちょっと怖い。


「最近、とある情報依頼が多くてな」

「何のですか」

「街で見かける背中にばかでかい剣を背負ったばかでかい女勇者と、

 空中をすいすい浮いて進む謎の幻術師のパーティーの事だ」

「あっ」

「特に幻術師でも常時浮いていて衛兵にマークされまくっている、

 あの者の正体をみんな知りたがっている」


 今日連れてこなくて良かったというか、

 短期学校で普通に入学してるからちょっと調べたらバレバレだと思うけれど。


「という事でその情報を貰おうか」

「は、はぁ」

「お互い持ちつ持たれつだ、変な誤解はできるだけ早く解いた方が良い、そうだろう?」

「で、ですね」

「では聞かせてもらおうか、まずはそちらの女勇者さんだが、ニィナ、で良かったな」


 あージロリと店主を見てる、僕に見せない表情だ。


「どうするデレス」

「そうですね、ここは協力しちゃいましょう」

「そうか、わかった」


 話している最中に届いたサンドイッチは、

 まあまあ美味しかったよ、ごちそうさま。

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