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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
最終章 幸せ勇者と淫乱バーサーカーハーレム
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第813話 名前は知らなくとも身体は憶えているみたいな

 広いシフリン魔法使い派遣所の所長室、

 秘書的な少年がお手伝いする中で『所長』と書かれた板が乗る机、

 そこで事務仕事をしていた大柄な女性、真面目な表情、服装だが、間違いない、彼女は……!!


(ハニートラップだ!!)


 いや心の中で随分と省略したが、

 前にここシフリンで魔王を倒した後だっけ?

 僕を誘惑してきておそらく引き抜こうとしてきた、ヤバい痴女だ!


「イライザっち、どうー?」

「おかげ様で好調よ、ありがとうね」

「そんで連れてきたよー、ボクのおむこさん」


 うーん、声といい仕草といい、

 普通にしているだけでめっちゃエロい、

 そして危険な香りがプンプンする、あいかわらずでけえ。


(あっ、挨拶しなきゃ)


 見惚れていないで、

 っと目を合わせるとイライザさんが妖艶に微笑んでいる、

 年齢は三十前後かな、うん、僕は真面目に話しかける。


「おっ、お久しぶりです」

「ふふっ、その節はどうも」

「その説って」「引き抜くつもりが、引き抜かれてしまったわ」


 そう言いながら目を書類に戻して、

 またすらすらと……やっている事は真面目そうだけど、

 手伝っている少年の目に悪いなこのボリューミーな身体は。


(名前は知らなかったが、夜に見たあの強烈な身体は憶えている!)


 そして見た瞬間に『破滅』の二文字が浮かんだくらい凄かった……

 あまりにヤバそうなハニートラップに、慌ててシフリンを旅立ったんだっけ、

 極端に言えば僕が逃げた原因と言えなくもない、それがこんな形で再会するとは。


「あのデレス様、このお方は」

「いやちょっと、詳しい説明はあとで、

 あっ、ウチの踊り子のナタイラちゃんです」


 改めて紹介すると、

 イライザさんも真面目な感じで頭を下げる。


「シフリン魔法使い派遣所所長、イライザです、

 魔法使いが必要であれば、いつでも申して下さいね、

 ウチにはありとあゆる魔法使いを取りそろえる予定です」


 予定なんだ!

 アンジュちゃんが浮きながら、

 イライザさんの手元にある書類を覗きこむ。


「トラブルとかなーい?」

「はい、やはり後ろ盾がしっかりしていて、

 もし死なせるの前提だったり虐待したりすればペナルティが」


 あー、そのためにお花出してあるのか、

 使い潰したり奴隷にしたりすると各ギルドとか、

 帝国やドワーフまで黙っちゃいないぞっていう。


(あとやっぱり『ニィナスターライツ』の存在って大きいのかな)


 これは逆にプレッシャーだな、

 しっかりとした魔法使いを育てないと、

 ってこれ僕が心配する事なんだろうか、アンジュちゃんは心配している。


「儲かりそうですか」

「はい、どんな素材でも強く出来る下地はありますから」

「あっ、ひょっとしてウチのダンジョンとか」「ええ、こっそり」


 こっそり来てたんだ!

 天大樹(あまたいじゅ)の初心者ダンジョン……

 二号館、三号館もあるからね、育成場所には困らない。


「あっ、ミロさんはダンジョンにも潜っているみたいですが、イライザさんも」

「ええ、事務仕事が忙しいですが、必要があれば」「大変ですね、頭が下がります」

「条件がとても良いですから」「あっ、そ、そうですか、でも真面目になられて良かった」


 その僕の言葉に、

 ニタリと笑うイライザさん、

 一瞬、それはそれは恐ろしい表情になった。


「それは、どうでしょうね」「えっ」

「私はあきらめていませんよ」「な、なにを」

「デレスさんをです、むしろ引き抜いていただいたので、喜んで」


 ここにも淫乱バーサーカーが居たあああああ!!!


「んーデレスくん、けんたいきになったらくるといいよー」

「いやアンジュちゃん何を言っているの、倦怠期って!!」

「そーすればニィナさんに、いっぱいお仕置してもらえるよー」


 そんなお仕置は嫌だ!

 ……と言い切れない僕が居る。


「ええっとイライザさん」「はい」

「ま、まあ、子供達も居る事だしあまり詳しくは言えませんが、

 その、あの、僕がその気になった時は、よろしくお願いします」「ええ、いつでもどうぞ」


 こっわ!

 妖艶な悪い顔で言われると、

 うん、破滅したくなるねっ!!


「デレスさん、ニィナさんに言いつけますよ」

「ナタイラちゃん、やめてー!」「むしろ言いつけて欲しいのでは」

「と、とにかく、そういうのはあったとしても、最後の七大魔王討伐後に!!」


 って何を言っているんだ僕は!!


「んでデレスくーん」

「はいはいアンジュちゃん」

「ボクのこーけーしゃがいるのでっす!」「え?!」


 アンジュちゃんの、

 後継者って???


「こっちこっちー」

「あ、出ちゃうんだ、ではイライザさん、また」

「ええ、いつでもいらして下さいね、朝でも昼でも夜でも、夜中でも、ふふ」

 

 逃げよ逃げよ。


「アンジュちゃん、どこ?」

「三階だよー、きょじゅーすぺーす」

「ナタイラちゃんも」「は、はいっ!!」


 こうして階段をあがっていく、

 うん、アンジュちゃんの元カレも尾行してるな、

 名前なんだっけまあいいや、と廊下の突き当たりにある部屋へ入ると……!!


「ここなのでっす!!」


 あっ、小さい子供がいっぱい、

 それを世話するお姉さんたち、

 そして一番奥には赤ん坊が……こ、これは!!


「ええっと、この赤ちゃんは」

「シャウくん、おとこのこ、幻術師なのでっす!!」

「あー、なるほどなるほどー」


 キャッキャ言ってる、

 栗毛の可愛いらしい赤ちゃんだ。

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