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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
最終章 幸せ勇者と淫乱バーサーカーハーレム
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第792話 駄目だ、このリッコという奴隷、何も変わっちゃいない

(うっわ、ニィナさん怒りモードで立ってる)


 正座させた奴隷五人、

 リッコ・フラウ・ミジューキ・ハービィ・ステラと並んでいて、

 さすがに首を絞められ過ぎたようで憔悴している、まあ結構なミスだからね。


(いくら招待&無料だったとはいえ)


 だからこそ今後のために、

 お仕置は必要なのだけれど。


「デレスやアヴァカーネ家の皆が来た所で改めて聞こう、

 リッコ、なぜ勝手に後ろを開けた、誰の判断だ正直に言え」

「わ、私じゃないわ、誰かはわからないから、順番に聞いてよ!」


 そう言いながらハービィを睨んでいる、

 これはうん、明らかに擦り付ける気満々だ。


「フラウはどうだ」

「私は全体の流れに沿って、皆さんが開けはじめたので合せて」

「その判断は誰だ」「全体を見ているのはリッコさんなので……」


 なんだかいかにも大人っぽい逃げ方だな、

 責任を分散して個々の罪を、罰を薄くしようっていう。


「ミジューキはどうだ」

「早く終わらせたい、さっさと帰りたい、

 終わったら開けろって言われてるから、さっさと開けようってリッコさんが」


 あっ、なんだか無表情で淡々と!

 それに対して何か言おうとするもヘレンさんに目で威圧されて黙るリッコ姉ちゃん、

 ニィナさんも話を続ける。


「ほう、VIP客を先に帰すと言う話は伝わってなかったのか?」

「いえ、トーキタさんが『終わったら開ける合図をするから』と……」

「ではトーキタのミスか?」「いえ、トーキタさんから合図はありませんでした」


 うん、犯人が見えてきた、

 しかも予想通りの……まったく変わってない。

 ちなみにトーキタさんは上で後片付けのチェック中です。


「ハービィはどうだ」

「はい、メイドが終了だって場内に知らせた直後にリッコさんが開けはじめたので、

 おそらく合図をそちらと勘違いしたのだと、わざとかどうかまでは、わかりません」


 なるほどなるほど、

 トーキタさんが合図するというのを、

 本人じゃなくメイドの声が合図だと取っちゃった訳か。


(早く終わらせたいからそう思い込んだのか、それとも……)


 あ、最後にもうひとり居ます。


「ステラはどうだ」

「……総合的に見て私の判断ミスです、

 全ては私の責任という事で今回は、どうか」


 あっ、ニィナさんが怖い顔になった!


「そのような権利はお前には無い」

「しかし……」「奴隷に『全ての罪を背負う、被る』という自由は無い」

「はい、かしこまりました」「次、そのような事を言えば容赦はしないぞ」


 僕の後ろでイリオン義兄さんも頷いている。


「では、ここまでの話を総合して聞こう、リッコよ」「はい」

「早く終わらせたくて、終了の案内が流れたと同時に勝手に扉を開けた、で良いな?」

「……私だけでなくフラウも一緒に」「なんだ、ふたりして企んだのか」「違います!!」


 必死に叫ぶフラウ姉ちゃん。


「いま、答えて良いと言ってはいないぞ」「うぐぐぐぐ」


 あーあ、絞められちゃった。


「どうだリッコ」「……勘違いしただけです」「嘘ですね」


 奥から嘘鑑定の水晶を持ったクラリスさん登場、

 リッコねえちゃんは、まったくもう……さすがに呆れるよ。


「わっ、私はこういうことにまだ慣れてなくて」「黙れリッコ」「ぐあああああ」


 うん、当然ながらリッコ姉ちゃんも絞められる。


「ふう、これは骨が折れるな」


 ここでイリオン義兄さんが前へ。


「時間がかかっても僕が、この私が躾けますから」

「そうか済まない、我々もいつも来られる訳ではないからな」

「まだモバーマス大陸で、七大魔王の最後の討伐があるんですよね」「それが終われば結婚式だ」「ニィナさん、それなんですが」


 イリオン義兄さんとの会話に、

 一応僕も聞いてみる、いや今ここでって気もするが、

 お酒が入ってご機嫌な義両親も後ろに居るからね、アヴァカーネ家の。


「どうしたデレス」

「ええっと式ってここデレスアリーナと、ムームー帝国ですよね」

「あと私の実家もある」「あっ」「明日、一緒に挨拶へ行こう」「わかりました」


 いつぶりだろう。


「ではリッコ、最後に言い訳はあるか」

「だから、私ひとりだけの話じゃないでしょ?!

 ハービィとか、しっかりしないから! ハービィとか!!」


 あーうん、

 なんていうかリッコ姉ちゃんはリッコ姉ちゃんだ、

 冷静に考えると昔から、幼い頃からこういう所あったよね、僕に対しても。


(デレスが、デレスのため、と言えば何やっても許されるみたいな)


 で、今度はハービィがどうとか、

 つまりこのリッコ姉ちゃん、いや、

 このリッコ、奴隷になっても何も変わっちゃいねえ、って感じだ。


「……デレス」「はいニィナさん」

「相談なのだが」「なんでしょうか?」

「このリッコ……殺していいか」「えええええ」


 さすがに、それは。


「もちろんすぐに蘇生する」

「ですよねー、ってそれでもさすがに」

「嫌か」「はい、そこまで憎んで恨んでは……いるかも」「デレス!!」


 リッコの呼び捨てにナスタシアさんが思わず手をかざす!


「うがあああああっっっ!!!」


 あーあまた絞めちゃった、

 これに関しては誰も何も言わないか。

 絞められてるけど、話を続けよう。


「そこで僕の考えてた事なんですが……まだ上に残って貰ってますよね?」


 ということで、

 これから僕はある意味、

 リッコ姉ちゃんへの『最後のざまぁ』を実行するのだった。

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