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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第八章 ざまぁ勇者とギャンブルのような決闘
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第769話 アンジュちゃん卒業式ところで何が目的で入学したんだっけ?

(うっわ、これ全生徒が来てるんじゃないか?!)


 たったひとりの卒業式、

 三か月(ちょっと延長あり)しか通っていない生徒のために、

 なんだかよくわからないが在校生から横断幕まで出ている、凄いなこれ。


『アンジュちゃん卒業おめでとう』


 いかにみんなに愛されているかがわかる、

 特にMAINAっちの影響でギャル系ファッションをしだしてから、

 人気がブレイクしたらしい、闘技トーナメントも優勝しちゃったからね幻術師部門で。


「アンジュちゃん、かわいいー!!」

「いつでも遊びにきてねー、待ってるー!!」

「俺だアンジュ、俺と一緒に、遠くへ逃げよう!!」


 おいおい、どこへ連れて行く気だよ僕のお嫁さんを!

 とかなんとか声援を受けつつ、アンジュちゃんが体育館の壇上へ。


(僕らは保護者席で見ています!)


 卒業証書の前に、

 まずは校長が何かお話をするみたいだ。


「えー、今日をもってアンジュくんは卒業となるのだが、

 君のような立派な生徒を送り出せる事を校長として誇りに思う、

 思い起こせばこの我が校は、かつて伝説の勇者と謳われた、モッコス……」


 なんだか話が長くなりそうなので回想しよう、

 そういえばこの学校、そもそも通う事になったきっかけって何だっけ?

 うっすらと記憶にあるような気が、何か目的があって入学したような……


(アンジュちゃん、あくびせず真面目に聞いているな)


 いや後ろ姿しか見えないけど!

 あれで校長相手に変顔やってたら面白いけど、

 だったら普通に怒られて卒業取り消しになっているな。


「……という訳で、七大魔王を倒せるまでになった我が校誇りの卒業生、

 アンジュを特別に『名誉主席』として卒業させる、異議のある者は、いないな?」


 えええええ?!?!?!

 いいのかそんなの、安い、安すぎる、

 でも七大魔王討伐って事実を考えると、実績的にはそうなるのか。


「ではアンジュくん、まずは卒業証書を」「あい」

「読んだ方が良いかね?」「どっちでも、いーーん!!」

「ではせっかくなので……オホン、卒業証書 アンジュ殿 貴殿は……」


 あーあ、無駄に手間取らせて!

 とはいえ卒業の余韻に浸るには良いかな、

 アンジュちゃんも後ろ姿が機嫌が良さそうだし、なんとなく。


(ちなみにお友達のシューサーくん、ヒョウくんもしっかり見に来てくれています)


 そういえばシューサーくんだって、

 一応は立派に七大魔王退治には協力してくれたんだよな、

 だったら彼も卒業の時に何か貰えそう、って僕が期待してもしょうがないか。


「……以上、アンジュくん、おめでとう」

「ありがたきしあわせーー!!」


 頭を下げながら卒業証書を受け取った、

 そして今度は女性事務員だか女教師だかが、

 白い布に覆われた何かを持ってくる、あれって……杖?!


(あっ、思い出したーーー!!!)


 校長先生がそれを手にし、

 布を解いて掲げてみんなに見せる。


「幻術師の卒業の証、幻術師の杖である!!」


 おおーーーっ!! と沸く場内、

 そうそうこれだ、これが欲しくて入学したんだった、

 ちゃんとアンジュちゃんの名前が掘ってあるっぽいな。


(ある意味、正式に取り戻せた訳だ、これで)


 両手でしっかり受け取ったアンジュちゃん、

 いや、もうとっくに能力的には上の杖を持っているんだけれども!

 それでも嬉しそうに片手で掲げる、そして浮きながら……


「みんな、しあわせになぁーーーーれっ!!」


 くるくる回転しながらのその言葉に再度湧く場内、

 って、どさくさまぎれに? 飴ちゃんを捲いているな、

 ご祝儀的な何かか、先生たちの方にも……僕にも飛んできた!


(包み紙に『ありがとう』って書いてあるな)


 この日のために発注したのか。

 配り終わって落ち着くと、女性職員さんが壇上から声を出す。


「それではここでご卒業のアンジュさんから、みなさんにひとこと」


 いいのか?

 本当にいいのか?

 何を言うかわからないぞ??


(おお、例の黒仮面を装着した!)


 そしてかなり高くまで浮いた、

 頭が体育館の天井につきそうなくらいに。


「ケケケケケ、怪盗アンジュはみんなを護ってやるからな! アリガトーー!!」


 そして仮面を外して瞬間移動で壇上へ。


「お世話になりました、ぺこり」


 こうして拍手喝采の中、

 アンジュちゃんの卒業式は無事に終わったのでした。


「お昼に食堂を借り切って、最後のお別れ会をしまっしゅ!!」


 しまっしゅって!

 夕方から決闘があるんだけどな、

 まあいいか、僕らも付き合ってあげよう。


(ニィナさんを見ると頷いているからね)


 ===================================


 一方その頃、リッコ達は……


「ふう、もう会場に来ちゃったわ」

「デレスくんを取り戻す、記念すべき日ですものね」

「やっと、ようやく、思う存分に抱きしめてあげられる……」


 まだほぼ無人の決闘会場を見回す三人、そして……


「デレスゥ……やれるだけ、やってみるよ……」


 検閲中のティムモンスターを見ながら、

 泣きそうになっているテイマーのハービィであった。


 ===================================


「はい、それではアンジュ様卒業記念パーティーファイナル、

 短い時間ですが歌とダンスでお楽しみ下さい、さあ、どうぞ!!」


 食堂でアンジュちゃんのサモンである異世界人、

 ハイトウさんが司会をしイワモトさんがギターというのを演奏、

 ニイヅマさんが歌ってMAINAっちがダンスを披露している。


(そういえば今日の決闘、ティムモンスターvsサモンもありうるんだよなぁ)


 さすがにハービィの寄せ集めモンスターと戦ったら、

 イワモトさん達が圧勝すぎる……あっそうだ、ここは……!!


「ヘレンさん、オトゥハさん」「「はい」」

「もしハービィがティムモンスター勝負をしてきた場合なんだけれども……」


 そしてリッコ姉ちゃん達との決闘が、いよいよ始まる。

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