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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第八章 ざまぁ勇者とギャンブルのような決闘
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第752話 ニィナさんに褒められたとニィナさんに怒られた

「ふむ、わかった、思う所が無い訳では無いが、ここはデレスを立てよう」

「ありがとうございますニィナさん」

「不問にする上で言うが、全て正直に話してくれたことはリーダーとして褒めておこう」


 うん、褒められちゃった。


「だが私に無断でカミーラに襲わせるチャンスを作らせたのは少し許せんな」

「えっ、そこですか?!」

「下部組織とはいえ、負けるつもりは無いとはいえ、一言は欲しかったな」


 あーあ、怒られちゃった。


「わかりました、今度からカミーラさんに襲われる時は申請します」

「もう襲われたのか」「いえまだ、って『まだ』って言っても予定は」

「ダンシングブレイク!!」「ふむ、ナタイラの新しい魔法、なかなか良いな」


 ハッピーアイランドでのナタイラちゃん経験値稼ぎ、

 レベルアップによって憶えた新魔法は敵の足元に地震を起こし、

 埋もれさせてダメージを与えるというものだ、アンジュちゃんの『ディグホール』に似た感じかな?


「それは良いんですが、クァイトくんちゃんと見えてる?」

「お、おう、ここはなんというか、恐ろしい島だな」

「ニィナさん、今日は見学ですよね彼」「ああ、やはり戦場は自分の目で見ないとな」


 そう、僕と彼との決闘から丸一日経過した今、

 ニィナさんが連れてきたらしい短距離転移スキル使いの勇者、

 クァイトくんがシャマニース大陸から、わざわざここに来てくれている。


(サキュバス八体に囲み護られ、さらに左右は自前の猫獣人が護っているという)


 ちなみに名前は黒い方がキャール、

 赤茶色い方がヒョーリというらしい、

 人物鑑定によるとそこそこ、まあまあ強いとか。


(ウチ基準だからね、全体的に強いシャマニース大陸でも上位なんだろうけど)


 しかしそこまで護られているクァイトくんの手には、

 クリスタルソードではなくミスリルソードが握られていた。


「あれ、その剣って」


 これに答えたのはニィナさん。


「ああ、あの剣だがな、あれは私から言わせれば脆い」

「ま、まあベルセルクソードに比べたら」

「元からあまり戦わせる気がなく持たせたのだろう、多少の対人には良いが狩りには向かない」


 見栄を張っているのか、

 大事にされているのか。


「それであれを」

「クリスタルソードの方はマリウに預けた」

「あっ、じゃあ」「相当良い物に仕上げてくれるはずだ」


 本気を出せば凄い武器になりそうだ。


「おっと、『ギガントサイクロプス』か、これは足元の地震程度では無理だな、私が行こう」


 ニィナさんが飛び上がるとベルセルクソードで一閃!!


「グァギャアアアアアアアアアアァァァァァーーーーー!!!」


 うん、膝から崩れ落ちた、

 そしてもう一閃で首を斬り落とす、

 って跳ねたのがクァイトくんの方へ……きっちりエンちゃん(エントサキュバス)が受け止めた。


「こ、こんな敵を相手しないといけないのか冒険者は!」

「なんだクァイト、怖気付いたか? シャマニース大陸の敵は大型が基準と聞いたが」

「いや、つ、強さが、あきらかにあれは!」「ほう、少しはわかるか」


 うん、準魔王クラスだったね、

 ザクザクと刻んで大きな魔石を出してくれる。


「デレス」「はいニィナさん」


 勇者ポーターの僕がアイテムボックスへと仕舞う。


「今のは良い素材になるな」

「……今はナタイラちゃんって魔法中心でなんとかなってますけど、

 決闘って魔法禁止ですよね」「そうだな、そこでナタイラ、提案がある」


 洞窟に入る直前で足を止める。


「はい、なんでしょうか」

「例のボス部屋だが、魔法無しの武器だけで戦ってみてくれ」

「……やってみます」「種類が同じでも新しく出現する魔王ゆえ、そこまで強くは無いだろう」


 そうそう、ここのボスって、

 擬態系のサキュバスかインキュバスなんだよな、

 それと一対一でかぁ、武器は投げナイフか銀の扇か……


(唯一のウィークポイント克服のためだ)


 決闘の指名で唯一の不安がナタイラちゃん、

 ちなみに魔法使い同士の決闘は特別ルールで弱い魔法が使えるが、

 おそらく肉弾戦で指名されるのだろうからね、さて、どう戦うのか……


(洞窟内でもクァイトくんは、しっかり護られています)


 今は『見学』だけど、

 正式にウチに来る事になったら、

 妖精の指輪で育ててあげないとね。


「ちなみにニィナさんってクァイトくんと決闘は」

「した、プリンセスソードでな」「じゃあ結果は、いや、まあ」

「私の20戦20勝だ、事前情報があったからな」「あっはい、そうですよね」


 転移が来るってわかっていれば、さすがに。


「……魔王部屋の扉だ、ナタイラ、一応」「はい」


 魔力回復キャンディ(黒糖味)を食べるナタイラちゃん、

 そして大きな扉を開けると例によって崖に囲まれた屋外だ、

 見ると待ち構えていたのは、物凄く見覚えにある少女だった!!


「ライリア!!」

「お姉さま……勝負です」


(いや、これって連れてきたんじゃないよね?!)


 姉妹の決闘が、今、始まろうとしている。


「ナタイラ、平気か」

「はい、偽物だって表情でわかりますから」

「そうか、任せた……来るぞ」


 先手を打って短剣で襲って来たライリア!

 それを躱して扇で応戦するナタイラちゃん、

 華麗な攻防、白熱の試合を見惚れていたのは……クァイトくんだ。


「……美しい……ほ……惚れた」


(えっ、ええええええ?!?!?!)


 新たなネトラレの危機、到来か?!

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