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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第七章 女装メイド勇者とあなたの吟遊詩人になりたい
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第707話 最強のアザラシ軍団とそれを操る者達

「よし、これで完璧だ」


 天大樹(あまたいじゅ)三号館、

 その名も『キハラ』さんの芽がにょっきり出ていた、

 ちゃんと養分となる魔石の粉を定期的に撒くらしい。


(いや、完璧なのはそれだけじゃなくてですねえ)


 ラッキーハッピーアイランドの準備島、

 そこに並んでいる精鋭のバルーンアザラシ達……

 なんだかドヤフンスとかいうのをして並んでいるように見える。


(その数、なんと46匹ですよ!!)


 自由にされるとモキュモキュ煩いが、

 今は浮きながらもちゃんと整列している、

 なぜこうなったかというと、ですねえ……


「マナーオさーん、高級 最中(サイチュー)どうぞー」

「おおきにやでー、アンジュはん、ええのー?」

「お近づきの、しるしだよーー」


 明日から学校のアンジュちゃんが、

 引っ越しの粗品(粗菓子)をわざわざ渡しに行っている、

 そんなことより改めて最強のアザラシ軍団をテイマー毎に見る。


(まずはLvアップで全員ティムスキルを習得した吟遊詩人組からだ)


「オトゥハ、そちらのアザラシ達はどうだ」

「はいニィナ様、よく懐いて……やはりレベルが上がったのが自信につながったのかと」

「オトゥハ自身もさらにレベルアップしたからな、当然だ」「恐れ入ります」


 特にオトゥハさんのアザラシは六匹の最精鋭だからね、

 えっなぜ六匹しかいないかって? それはもちろん残りは……


「ベアードもダイヤモンドゴーレムもご苦労」

「承知した!」「しっかりサポート致しましたわ」


 そう、今回バルーンアザラシを大量に仕入れて育てるにあたっても、

 インテリジェンスゴーレムや水陸空ドラゴンは外せてもこの二体は外せなかった、

 巨大化できるうえタフなこの熱々カップルは、対シアー戦でも確実に力となるからだ。


「ダペナもテイマーとしては、もはやS級冒険者だな」

「あのっ、まだ奴隷ですが」「それはオトゥハもだが」

「皆さんは、私をどうしたいのですかっ!」「冒険者ギルドの受付嬢だが」


 うん、元々の目的はそれだった。


(彼女が操る八体のアザラシも心配そうにしているな)


 飼い主の気持ちがわかるのだろう、

 それにしても強すぎて不安になるって……

 まあ、ちょっとはわかるかな。


「カウミ、考えたな、人魚の身体でもアザラシ二体の上に乗るとか」

「別に……種族変更スクロール(2時間)がもったいないと思っただけよ」

「水分補給はこまめにな」「当然よ」


 続いて昨夜お世話になったラギシーノさん。


「やはり経験があるのか、アザラシの動きも見事であった」

「お褒めいただき光栄ですわ」

「操る数が多く、負担をかけて済まない」「いえ、良い経験です」


 なにがどう多いかは、最後に。


「ヘレン、調子はどうだ」

「はい、アザラシ達が意外とサキュバスとの連携が上手くて」

「サキュバスが合せてやっているのもあるな」「はい、何よりエントが……」


 魔物用マントを翼が邪魔にならないように羽織っているエントサキュバス、

 ニィナさんみたいに前で閉じているのだが、その中に潜んでいるテイマーがひとり、

 誰かというと、忘れてはいけないニィナ城の留守番係のひとりだ。


「バウワー、申し訳ないな、引退した身でありながら」

「まったく何もせんで良いという話だったからの、最初のティム以外は」

「ああ、さすが元A級冒険者だ、操作はラギシーノのスキル『リンクティム』で全て済ませた」


 そう、ずっとエンちゃんの中に仕舞われて引きこもって貰いました、

 とまあ六人のテイマーによりバルーンアザラシが6+8+8+8+8+8の46体ですよ、

 これ全部と吟遊詩人3人をほぼ丸一日かけて成長させたのですが……


(さすがにこれだけの数を強く出来たのには理由があってですねえ)


 と僕は頭上のニィナさんを見る、

 ええ、今日も胸の中に収まって絶好調ですよ!


「どうしたデレス、トイレか?」

「いえ、その時はぺちぺちしますから……でなくて、やっぱ二つあると違いますね」

「ああ、妖精の指輪の事だな、手に入って良かった」


 そう、二つ目の『妖精の指輪』だ、

 あの経験値が爆上がりするアイテム、

 天大樹(あまたいじゅ)二号館のモリタさんが渡してくれた。


(というのも、例の妖精をぶっ込んだのですよ)


 七大魔王のひとつ、

 バドリンの中に居た『ジュエリーズピクシー』が、

 その腰にはめていたのが『妖精の指輪』だった。


(なので僕の知らない間に、二号館にぶっ込んでくれたらしい)


 その結果、妖精を殺さず指輪を入手、

 いや事実上、天大樹の中に溶かしたので殺した事にはなるのか、

 ともかく両方を有効活用できる事となった。


(ちゃんと放り込む前に、天大樹の実を食べさせたそうですよ!)


 そこの慈悲は、相変わらずある。

 とまあ指輪をふたつ別々のアザラシや吟遊詩人に付け、

 レベルを上げに上げまくった現状がこの最強精鋭部隊である。


(なによりアザラシの、面構えが違う!)


「では時間も遅い、もう一巡でラストにしよう」


 そう、こっちの島だとまだ夕方前だが、

 モバーマス大陸ではもう夜で戻ったら遅い夕食だ、

 なのでもう一回、ハッピーアイランドを周って終わりだろう。


「ほな、行ってらっしゃ~~~い」


 お土産片手に手を振るマナーオさん、

 って日傘が浮いているな、まあ細かい所はいいか、

 と島に到着するとセーフティゾーンで空高く舞い上がるアンジュちゃん。


「んぢゃ、てーさついってくるーー」


 地上部分はどのあたりに敵が固まっているか、

 まずは見てきてくれる……空の敵もすいすい避けながら。


(瞬間移動が効かないからね)


 セーフティーゾーンでの転移スクロールは可能だ。


「……ただいまーーー」

「アンジュご苦労、どうだった」

「それがね、まおーがふっかーつしてたーー」


 な、な、なんだってーーー?!


「それは本当か」

「またリッコ姉ちゃんが?!」

「ううん、でっかいおっさんだったー」


 でかいおっさん、

 パーティーの重要人物の関係者……

 と、なると、まさか?!


(ニィナさんもピンと来たみたいだ)


「よし、倒しに行こう」


 結果、やっぱりニィナさんの元自称婚約者、だっけ?

 アイリーの元騎士団長、テレンス=ナムバンでした。


(なんか、ベルセルクソードで秒殺してたよ!)


 ニィナさんも過去を断ち切った、という事でっ!!

 ちなみに魔石は復活すぐだったからかショボかったです、

 正体の新魔王『イリュージョンインキュバス』は。

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