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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第七章 女装メイド勇者とあなたの吟遊詩人になりたい
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第700話 ここを三号館とする!

※記念すべき700話ありがとうございます、

 完結までもうちょっとお付き合いください。

 以前にアイテムダンジョンで手に入れた『2人用ビート板』により、

 クラリスさんアンジュちゃんが行ってきた秘密の島『ハッピーラッキーアイランド』

 そこへ行って転移魔方陣を設置、戻ってきて繋げ、みんなで押しかけたのだが……


「そういえばアンジュちゃん」

「なーにー、ぼすに閉じ込められてかわいそーなデレスくん」

「いや言い方! もうこの顔だけ出すの慣れて来たよ、っていうんじゃなくって!」


 むしろ前向きに顔を出せるありがたみすら感じる。


「ぢゃあなーにー?」「ここに来るアイテム使った時、異世界人はどうやって?」

「んっとねえ、ボクの後ろのイワモトさんが抱きついて、その後ろがハイトウさんで、

 一番後ろにMAINAっちが抱きついていたよー」「器用な」「すぐついたよーー」


 と話しているうちに僕の本体であるニィナさんが『謎の種』を取り出した。


「おそらく失敗しないとは思うが、万全を期そう、デレス、出てくれ」

「あっはい、種を植える時は輪になってないといけないんですよね」

「それもあるがこれを着てくれ」「あっ、幸運装備! ミリシタン大陸で手に入れた」


 ニィナさんのアイテムボックスの中だったか。


(装備もあっちこっち渡したり受け取ったりして、手を突っ込まないとわからなかったりする)


 僕に普通に渡された、という事は……!!


「これを着れば良いんですね」

「ああ、水着の上からな、そして種を放り込んでくれ」

「それだと天大樹(あまたいじゅ)になる可能性が限りなく100%に近くなりそうです」


 でも、もしもという事もある。


「ねー、ハイトウさーん」

「はい、何でしょうか召喚主アンジュ様」

「あまたいじゅーのたーね、まだあるー?」


 そうだ、そっちを使えば確実に100%だ。


「あと一粒ですが」

「アンジュ、それは後々で本当に大切な場面で使う、

 いやもちろん使わない可能性もあるが今は使い時では無い」


 まあそうだよね。


「ラストエリクサー症候群ですな」

「そんなアイテムがあるのか、そしてイワモトは黙れ」

「ははっ」


 ……ともかく、一応は確認をしておこう。


「ハイトウさん、この謎の種、失敗すると何になるのですか?」

「最悪の場合は敵ですね、『ブラックカオスエント』まあ巨大闇魔石を出すので、

 倒す事が出来ればそれを売れるのですが、大規模討伐となるのでリスクとそれに見合う価値が」


 なるほど、でもそれはそれで観て見たい気も。


「他にはどんなものに」

「普通の邪魔な大木になったり、公園になったり、毒を延々出す樹になったり」

「何種類くらいあるんですか」「20種類ですね、全部細かく思い出しましょうか」「いやいい」


 ニィナさんが終わらせちゃった。


「じゃあちょっとメイド服から幸運装備に着替えてきますね」

「いやどこへ行く気だ」「テントの裏あたりへ」「ここで良いだろう」

「えええぇぇぇ……」「減るものでもあるまいし、手早く頼む」


 まあ中は水着だし、

 と全員に見られつつ、てきぱきと着替える……

 よし、これでハッピーハッピー装備は完璧だぞっと。


(今更だけど、ラッキーじゃなくハッピーなんだよな)


 こっちの島に来て気付いた。


「ではアンジュ」

「あーい、ディグホールだよー」


 大穴が開いた、

 みんなが囲む中、

 僕はポイッと『謎の種』を放り込む。


(吟遊詩人組とラギシーノさんも居るけどいいのかこれ)


 さて、この後が問題だ。


「ニィナさん、まあ運よく天大樹(あまたいじゅ)三号館になるとして」

「ああ、三号館としよう」

「育てるにはええっと、レア魔石かそれレベルの核となる魔石、あと出来れば人間の勇者が必要ですよね」


 さすがにあのアリスの奴隷王子勇者は放り込みたくない。


「前者はこの島で調達しよう、そうだなイワモト、ハイトウ」

「ははっ、おそらくは」

「どちらの島も超強力な魔王が居るはずですから」


 魔石の方は大丈夫っぽい。


「では勇者は」

「方法は考えてある、今までの事を総合して工夫すれば良い」

「はあ」「では行こうか、デレス」


 これは装備を脱いでメイド服に戻り、

 ニィナさんの胸元へ戻れと言った感じか、

 でも僕は、さすがに今回は……!!


「すみませんニィナさん、この幸運装備をここで試したいのですが」

「それでは私の中へ入るのは大変だぞ」

「ですからこのままで、もちろん心はニィナさんの奥深くに入ったままです!!」


 ……大丈夫かな?

 納得してくれると良いのだけれども!

 駄目だと言われたらもう一回くらいはゴネたいな。


「わかった、デレスがそこまで言うなら」

「はい、ニィナさんのために、幸運を捧げます!」

「ではまずハッピーアイランドから行こう」


 こうしてジェットコースター乗り場へ、

 確かシャマニース大陸首都のムンサンだっけ、

 あそこにあったラティスランドって遊園地にもこれあったなぁ。


(でも島と島とを結ぶ、海を超えるのは凄いな)


 うん、これだけでお金を取れそう、ウチのじゃないけど!


「マナーオ、乗り賃は」

無料(ただ)やで~」

「気前が良いな」「来るだけでなんぼかかかるからな~」


 課金アイテムとかなんだっけ、ビート板。


「では行くが、最後に注意事項は」

「瞬間移動の魔法はごく一部のセーフティーゾーン以外、使えへんで~」

「なにっ本当か?!」「あと海に逃げるのも禁止やで~、不思議な力で入られへんから~」


 色々と制約があるみたいだ。


「セーフティーゾーンはどうやったらわかる」

「表示されるから、行ったらわかるで~」


 まあ、わかるって言うならわかるのだろう。


「よし、では行ってくる、みんな座れ」

「「「「「「「「はいっ」」」」」」」」

「承知した!」


 僕ら人間&異世界人はもちろん、

 アザラシやドラゴンやゴーレムまで律儀に乗って座る、

 人間体ベアード様もセクシーゴーレムと並んで最後列だ。


「ほな、ハッピーアイランドへ、行ってらっしゃ~~~い!!」


 ―――この時、僕はまだ知らなかった、

 この特別な島で、まさかまさかの再会を果たす事を、

 そして、その相手と僕が、本気で戦うといった展開を……!!!

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