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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第七章 女装メイド勇者とあなたの吟遊詩人になりたい
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第696話 人魚の宴とお土産に青ざめる異世界人たち

(ラギシーノさん、美人だなぁ……いつまでも見ていられる)


 いやいや魅了魔法はかかっていないはず!

 にもかかわらず見惚れてしまうのはさすが超高級娼婦か、

 このレベルになるとニィナさんも嫉妬とかそういう事を考えもしないレベルかも?


(それはそれで、ちょっと寂しい)


 そんな事よりも、だ。


「……という話だ、アマタツとモリタが言うんだから間違いない、

 一応、黄金樹とやらにも確認した、Lv5になればその条件で全て繋がる」

「つまり、この村も安全になると」「樹の中に取り込まれるが、見た感じ今の環境とさほど変わらないだろう」


 あっ、ラギシーノさんがウェットスーツ? とかいうのの胸元を少し開いた!

 うん、まあ三十代にしては妖艶というか妖艶な三十代とでもいうかいやいやいや、

 こういうタイプはあまり年齢とか気にしないというか、むしろ三十代が一番良い熟れ時というか。


「それでご本人の許可は得ているのでしょうか?」

「もちろんだ、カウミで実践済み、問題は無かったようだ」

「私個人としても大歓迎です!」「という事だデレス、良いな?!」「ふぁっ?!?!」


 な、ななな、何の話だっけー?!?!?!


天大樹(あまたいじゅ)によって人魚島を全て繋げる手筈についてだ」

「あっはい、人魚島と、人魚島監獄と、人魚島ダンジョンと、この人魚村をと」

「そうだデレス、異論は無いな?」「あっ、ある訳ないです、ニィナさんに従います」


 と言っておけば間違いは無いだろう。


「よし決まりだ、天大樹(あまたいじゅ)のレベルを上げる日、デレスを一晩貸そう」


 えええええ?!?!


(そういえば、そんな話を聞いた覚えが!!)


「嬉しいですね、当然、私達の姿でですよね?!」

「もちろんだ、なあデレス」「そ、そそ、そうですねーー」

「という事で近いうちに、だがいかんせん我々は七大魔王のシアーを攻略中でな」


 うん、大切なタイミングで急に出て行く訳にはいかないからね。


「わかりました、とりあえず今はおもてなしをさせて下さい、さあそろそろ」


 さっきから定期的に交代々々、

 水面から顔を出していた人魚族の一人に声をかけると、

 奥から料理を掲げて持って来てくれる、早速宴の時間らしい。


「ではお酌のために、変身させていただきますねー」


 カウミさんから種族変更スクロール(2時間)を受け取ったサリナミさん、

 使って人族になった、カウミさんも、あと他の人魚族の女性も何人か……

 あっ、アキラキさんだ、僕の方へ来てお酌してくれる、熱いお酒の匂いが。


(大事な部分は髪の毛で隠れているよ!)


「ようこそ私達の棲家へ」

「あっはい、もうみんな港からこっちへ」

「全員ではないけど、でも今日、周囲を討伐してくれたんだよね?」


 ぎゅうぎゅう詰めだったザザムの港もこれで解放されそうだ。

 ナタイラちゃんは透明なお酒を嫌がったみたいで甘酒にして貰ってる、

 僕も二杯目からはあっちにしよう……と全員に注がれた所でサリナミさんが頭を下げる。


「それでは皆さん、新鮮なお魚の料理と美味しいお酒をお楽しみ下さい!

 そして私達、人魚族の歓迎の踊りを御見せ致します、それでは……どうぞ!!」


 周囲の水面から新たな人魚族の女性が出てきて舞い踊る、

 奥で太鼓や鈴を鳴らすのは男性の人魚か、うん、楽しい感じだけど、

 海水がちょっと跳ねるな、まあ料理にかからなければいっか、いただきまーっすと……


(うわ、海藻サラダ美味しい)


 中心のお刺身より周囲のワカメとかに行くのは草食勇者のサガです!

 実際、魚卵系は苦手なんだよなあ、でも残しちゃ悪いし……酔って誤魔化そうか、

 ふと周りを見るとMAINAちゃんがリズムに乗りながら食べてる、あと……


(ラギシーノさんが、お酒をかっ喰らっているううううう!!!)


 うん、呑みっぷりからお酒大好きなのがよくわかる。

 僕が見惚れているとなぜかヘレンさんも負けじと一気飲み、

 いやいやそんな所で対抗しなくても良いから!!


「デレス、一応報告しておくが」

「はいニィナさん、何でしょうか」

「人魚族も人魚族で、こちらで怪我している者も多い」


 まあ、外がアレだったからね、

 僕らの今日の討伐でかなり落ち着いたっぽいけど。


「治療ですか」

「ああ、下に残してきたゴッデスサキュバスがやっているはずだ」

「無料ですよね」「一応、対価はデレスに身体で払えと言ってはある」


 やめてー!!


「そんな顔をするな、相手は女性の人魚のみだ」

「いや、そっちじゃなくって」

「人魚族の感謝が全て、そういう形で行くので覚悟、いや、楽しみにしておいて欲しい」


 ……まったくもう、

 ニィナさんは僕の身体を何だと思っているんだろう?

 でも確かに嫌じゃない僕が居る、むしろ喜ばせようとしてくれているのか。


(このあたりの意図が、あいかわらず引っかかるんだけれども……)


 まあいいや、今度クラリスさんかヘレンさんに聞こうっと。

 という感じで僕は二杯目から甘酒にチェンジしつつ宴を楽しんだ、

 イワモトさんがお礼にとギターとやらで演奏のお返しをしつつ、宴は盛り上がり……


「さあ皆さん、お土産の『玉手箱』ですよー!!」


 サリナミさんのその言葉に、

 異世界人三人が、一斉に青ざめた?!


(えっ、めっちゃ慌ててるけど、なんでーーー?!?!)


「いけませんぞ、これはいけませんぞーー!!」

「さすがにこれは、まずいっしょー、むぅーりぃー」

「あの、受け取らないと言う選択肢はありますか?」


 イワモトさんもMAINAちゃんもハイトウさんも、

 このうろたえっぷりは尋常じゃないんだけれども!!

 ニィナさんもそれを感じ取ってかサリナミさんに尋ねる。


「それはどういうアイテムだ」

「はい、持っていると運が上がります、た・だ・し、

 絶対に開けてはいけません、開けてはいけないという制約があるからこそ運が上がります!」


 丁寧に人数分用意されている、

 紐で結んであるが、ちょっと引っ張れば簡単に開けそう、

 いやこれ間違って落としても簡単に開いちゃいそうだな。


(黒光りした箱の塗装が、ちょっと怖い)


 異世界人があわあわしている。


「開けてはなりませんぞー!」

「はやく、はやくしっかり封印しよ?」

「これを開くと、とんでもない事になりますよ」


 どうなるのかは、あえて言わないんだ!!


「サリナミ、開けるとどうなる」


 まあ聞くよねニィナさん。


「秘密です、それを知ってしまうと運を上げる効果が無くなります、

 いいですね、絶対に、ぜーーーったいに開けないで下さいねっ!!」

「あー、それってフリだよねー」「「「フリじゃないっ!!」」ですぞー!!」


 アンジュちゃんに一斉に突っ込んでいる、

 異世界人はみんな中身がわかっているみたいだ。


「わかった、慎重に保管しよう」


 まあ、ナタイラちゃんの鑑定眼鏡で詳細はわかるかな?

 でも調べちゃいけないんだっけ、知ると効果が無くなるって事は。


(さて……そろそろ帰る感じかな)


 その前に下のサモンやティムモンスターを回収しないとねっ!!

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