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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第七章 女装メイド勇者とあなたの吟遊詩人になりたい
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第695話 人魚村の内部と鯛やヒラメが舞い踊る感じらしい

 人魚村、でいいのかな、の中へ入った僕ら、

 うん、あちこちに巣穴みたいなのがあって扉がついてる、

 結構きれいな装飾は珊瑚か、道も普通に整備されていて……


(巨大水中洞窟って感じだ)


 そして案内された宮殿内部、

 受付みたいなのが並んでいるがこれってギルドか何か?

 試しにアイテムボックスから転移スクロールを見てみると……


(あった、『ザザム 人魚の街』って表示されている)


 ていうか人魚島は一応、ザザムの区域内なんだ。

 ここへ飛べるのは良いけどちゃんと水中装備を着けるか、

 水中が平気なアイテムを使わないと転移した直後に溺れるな。


「ここで一旦、ティムモンスターは預けて下さいね、でないと食べられちゃいますから」


 ほんっと油断ならないな人魚族。


ニィナ「ヘレン、サキュバスを一応置いておくか」

ヘレン「はいニィナ様、ゴーレムは齧られないようでしょうが他が心配ですので」

デレス「魔石を食べるサリナミさんを見ちゃってるんで、ゴーレムすら危ういかも」


 あのギザ歯でバリボリ行きそう。


ニィナ「ベアード達も何かあれば護ってやってくれ」

ホワイトフロントベアード(擬人体)「承知した!!」

セクシーダイヤモンドゴーレム(擬人体)「お任せ下さいませ」


 ちゃんと擬人体って出るんだ字幕魔法。


岩元輝幸「わたくしどもは、いかがなさいましょうか」

六本木舞奈「水中でもヘッドホンは使えるから曲聞いて待ってるよ~」

灰刀高貴「ゲーム内知識が必要な場合はすぐ答えられるように、着いて行くのも手ですが」

ニィナ「そうだな、では三人とも一応は来てくれ」


 ラギシーノさんのティムモンスターは置いて行くみたいだ。


「さあさあこちらです、人間様のおくつろぎの間はこちらですよー」


 そう言われてサリナミさんに案内される、

 海中通路進むとしばらくして上方向にあがっていく、

 そして進むと水面が見えた、登っていくと……!!


 ざばああっっ!!


(眩しいっ?!)


 おおっ、ここへ来る途中の洞くつにあったみたいな、

 水の引いている空洞エリアだ、水面上に上半身を出す僕ら、

 いや僕だけは肩から上が出てるだけだが、アンジュちゃんは飛んでいます。


「うわーい、くうきがあるーー」

「アンジュ、あまりはしゃぐな」

「色が綺麗ですわね、朱色を基調とした」


 そう見回すクラリスさんに続いて僕も見ると、

 うん、確かに綺麗だ、人魚の絵があっちこっちに描かれている、

 後ろから上がってきた異世界人達も室内に見惚れているな。


「これはまさに『竜宮城』ですぞー!」

「文化財っぽいね、海面上に大きな座敷があって」

「畳ですね、わまりの海で鯛やヒラメが舞い踊りそうです」


 みんなその畳のうえに上がるが、

 とたんに暖かい風が吹いて来てみんなの身体を乾かす、

 濡れていた装備とか髪とか一瞬で水気が飛ぶ、凄いなこれ。


「ふむ、設置してある風魔石の効果か」

「はい、こちらの水魔石は海水をろ過して人間の飲める水に」

「……私達はもてなしの準備をしてくるわ」「カウミ、お願いね」


 そう言って潜って行った、

 そういやサリナミさんとカウミさん以外の人魚はいつのまにか居ないな、

 宮殿のギルドっぽい場所に置いてきたっぽい、まあいいか自動解散かもしれないし。


(にしても、きらびやかだぁ)


 魔光灯に照らされた洞窟の広間、

 海面に浮かぶ御座敷はちゃんと低い木のテーブルがあって、

 囲む座布団の上に座った僕ら、ってアンジュちゃん座布団を被らない!


(クラリスさんが、こらっ! めっ! て感じて取り上げた)


 サリナミさんは周囲の水面から上半身だけ出して、

 奥から湯呑を泳いで運んできてくれる、中は暖かいお茶だ、

 座敷の淵でイワモトさん達が受け取ってみんなに配ってくれる。


(良く出来たサモンだ)


 そしてサリナミさんが縁の手すりにうんしょ、とよじ登る。


「人間の皆さんをこちらへお迎えするのはいつぶりでしょうか、ようこそいらっしゃいました!」

「うむ、前は誰を迎え入れたのだ」

「人魚島監獄を造るという話になった時の、人間のお偉いさん達ですねー」


 ええっと、監獄が出来たのっていつだろ?


「それだと下手すると二百年前か」

「おそらくそれくらいでしょうかねー」

「あらまあ、その方々も水中で息の出来るアイテムを」「あの乗り物を使いましたー」


 部屋の隅に飾ってある大きな籠、

 人を乗せて移動させられる箱みたいだ、

 中が開けてて見える、うん、六人乗りくらいかな。


(中の天井から紐が下がってて、それを握って移動するみたいだ)


 海の中でも早く進むと揺れるだろうからね。


「あそこの中だと息が出来るのか」

「はい、閉めると海水が入らないように、

 あれを使わなくとも、後は一時的に人を人魚族に出来る魔法もありますよー」


 あっ、それ一度、サリナミさんにかけられそうになったな、

 ザザムの港で下半身だけ脱いで海面下に入れろって、

 僕が最初、変な勘違いしちゃったけど。 今にして思うと恥ずかしい。


(でもお礼したいって内容から、あながち間違えては……)


「ねーねーサリナミさん」

「はいアンジュさん」

「しゅんかんいどー、ここにしてもいーいー?」


 あっそうか、

 ここだったら空気の心配なく来れるな、

 座敷の上で改めて水中装備だのアイテムだの使えばいいし。


「構いませんよー、運が悪いと掃除している同族が踏まれるかも知れませんが!」

「なんだ、こまめに掃除しているのか」

「たまにですねー、もちろん這ってですがー」


 ぴちぴち跳ねながらやっていそう。


「ふむ、では我々も少し、人魚族と打ち合わせと行きたいが、代表はサリナミで良いのか」

「ですねー、族長ですからー、一応は最年長です、まだ石化されている同族を覗いてはっ!」

「見た目はそれ程では無いが」「人魚族は人間のような年の取り方はしません、見た目このままですよー」


 そうか、見た目は老化しないのか、

 人魚族が永遠の命をもたらすといった伝説は、

 きっと長寿とかなだけじゃなく、こういういつまでも老けない様子から来ているのだろう。


「別に不死という訳ではないのだな?」

「はいー、私達を食べても死ななくなったり寿命が延びたりはしません!」

「でもにんげんはくっちゃうんだよねー」「許可が出ているのは!」「デレスくんもカウミさんにたべられちゃったー!」「こら!」


 アンジュちゃんのこのおっさんくさい発言はイワモトさんのせいかな。


「そういう意味でしたらデレスさんになら、食べられても食べてもどちらも良いですよー」

「その件なのだがな、人魚島を天大樹(あまたいじゅ)と一体化したいのだが」

「はい、カウミからその件は粗方聞いております、この村も取り込まれるかもと」


 とまあ、真面目な話が始まったのだったが、

 その間、僕はというと……


(うっわあ、ラギシーノさん、こう見ても美人だなぁーーー……)


 あっ、僕の視線に気付いて微笑みかけてくれた!!


(うん、彼女にティムされたい男の気持ちが、わかった!!)

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