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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第七章 女装メイド勇者とあなたの吟遊詩人になりたい
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第674話 どうしても倒せないゴーレムの攻略法とは

「はあっ、はぁああっっ!!」


 ガッキィーーーンッ!!!


 弾き飛ばされるクリスタル系ゴーレム、

 しかしニィナさんのベルセルクソードは……


「まずいですよ、刃がボロボロに」

「わかっている、もはや斬るのではなくぶつけている所だ」

「ハンマー系の使い方ですよね」


 ボッキリ折れなければいいか、

 僕もレイピア系の武器を出して突いてみるが、

 一点集中で攻撃してもこっちが折れそう、うん、無理だねこれ。


「ハイジョスル」「ハイジョスル」「ハイジョスル」


 次々とやってきた、

 でもこれ、地底湖の上に作られた都市みたいだから、

 うまく押して水中に落ちてしまえば……!!


「ハアッ!!」


 サキュバスで一番硬いエルドラドサキュバスも爪を尖らせて攻撃する、

 しかし貫くどころかまったく突き刺さらない、逆に腕で払われてしまう!


「では、ありったけの魔法を」

 

 クラリスさんが魔法攻撃を仕掛けるが無理そうだ。


「ヘレン、ナタイラ、魔物鑑定を!」

「はい……弱点は無いそうですわっ!」

「スキル『絶対防御』敵の物理攻撃・魔法攻撃を完全に防ぐようです」


 そんな無茶な!

 絶対に倒せない敵って……


「デレス、どうする」

「ええっと、魔物ですよね、うっすら魔石も透けて見えますし」

「しかし物理も魔法も無理のようだぞ」


 と、湖から何かが飛び出してきた?!


「ふんっ!!」


 ナスタシアさんが斬ろうとしたが水路をまたいだ先の湖に飛び込んで行った。


「今のは何だ、緑色だったが」

「はい、名前は『まりもエクスプレス』のようですわ」

「読み切る暇はありませんでしたが、他の魔物が攻撃するのを手助けするため邪魔してくるとかなんとか」


 硬いうえにさらに別の魔物まで!!


「「「「「「ハイジョスル、ハイジョスル、ハイジョスル」」」」」」


 奥からどんどん湧いてくるな。


「ええっと皆さん、ゴーレムの皆さん、話し合いましょう」

「ハナスコトナドナイ、ハイジョスル」

「会話できるんだ!!」「オマエタチト、カイワスルツモリハナイ」


 ぐいぐい数で圧される僕ら、

 とりあえず空中へ逃げよう、

 と思ったら目から光魔法を放って来た!!


「クラリスさん、防御を」

「はいっ!!」


 こちらもこちらで集まって絶対防御魔法で避難、

 まわりをゴーレムがガチャガチャと取り囲んでいる、

 光魔法の光線も撃ってきているが……うん、バリアは大丈夫そうだ。


「ふう、さてどうする、いやダペナ演奏は今は良い」

「わかりました……」


 ていうか濡れても平気どころか、

 水中でも普通に演奏できてたな、

 そのショルダーキーボードとかいうやつ。


(そしてカウミさんはいつのまにか人間体に)


 下半身もちゃんとビキニを履いているので安心して下さい。

 オトゥハさんも自前のハープをタオルで拭いている、

 水中でも振動して音を出していたけど、どういう仕掛けなんだか。


(なんとなく『細かい事は気にするな』という意志が天から下りてきている気が)


 うん、気にするならゴーレム攻略法だ。


「クラリス、デレス、意見を聞こうか」


 胸元を開けられたので降りる僕、

 考え込むクラリスさんの向こうでホワイトベアードが目をぱちくりさせてる、

 その先は見えないバリアをボスボス殴っているクリスタルゴーレム、壊れはしないはずだけど……


(どっちも『絶対防御』だからね、ステータス矛盾は発生しない、はず)


 おさらいすると例えば『絶対当たる攻撃』と『絶対避ける防御』といった矛盾が発生した時、

 そういったスキルや魔法同士の矛盾はレベルの高い方が勝つ、つまり優先されるっていう話ね。


(優劣、かあ)


「ナタイラちゃん、あのゴーレムのレベルは」

「はい、100ですね」「僕と同じかぁ」

「あと、緑の丸いのは85です、ちらっと見えました」


 姿を現すのは一瞬だから鑑定も大変だ。


「あの、これは推測ですが」

「クラリス、何か気付いたか」

「動きが組織的とまでは言いませんが、指揮官というか、魔王が居る可能性が」


 浮遊島でのテイマードラゴンみたいにボスが居ると。


「おいゴーレム、お前たちの主人はどこだ」

「オシエルワケ、ナイダロウ」

「ということは、それを倒せばお前たちは」「ソレハドウカナ」


 おお、さすがインテリジェンス!


「ヘレン、ティムは出来そうか」

「それ以前に少なくとも、体力は削らないと」

「そうか、ナタイラ」「……ティム率は0%ですね、0%ですから無理のようです、今は」


 じゃあダメージを与えれば0.01でも数値が変わるのかも。


「デレスはどうだ」

「んー、水中に落とせばって思いましたが、縁の浅瀬から普通に上がって回ってきてますね」

「おそらくあの目からの光魔法も、水中でも放てるだろうな」


 遠いゴーレムがその光魔法を撃ってきている、

 クラリスさんのバリアが防いでいるけれども……

 アンジュちゃん特製の飴を舐める、うん、魔力切れの心配は無い。


(緑の丸いのも、バリアにポンッて当たってるな)


 藻の塊みたいだから攻撃力は無さそう、

 今度は二つ同時に……と思ったら互いに当たって湖に落ちた、

 あんなに素早いのに相討ちするんだ……相討ち……そうか、その手があったか。


「攻略法とまで言えるかどうかわかりませんが」

「デレス、言ってみてくれ」

「はい、ゴーレムをゴーレムに、ぶつけてみましょう」


 絶対防御のボディで、絶対攻撃をしてやる。

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