表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第七章 女装メイド勇者とあなたの吟遊詩人になりたい
686/878

第669話 SSSルームとリッコ姉ちゃんについてクラリスさんに相談

「うっわ、何この豪華さ!」


 天大樹(あまたいじゅ)最上階のSSSルーム、

 とはいっても更に上となる屋上の空中庭園には天使族の集落が、

 さらにその上、樹の城壁となる部分の先にはぐるりとティムモンスターやサモンの棲家があるのだが。


(イワモトさん達の様子が気になるが、今は自分の部屋だ!)


 まず入った玄関からしてピカピカで広々、

 いやここで横になって寝ても良いくらいだ、

 下駄箱なんか二十足は入りそう、そしてスリッパもフサフサ。


「デレス様、入った瞬間に灯りが点きましたわ」

「うん、花の照明も豪華になっているね、もはや新築みたい」

「ふふふ、新婚夫婦が新居に到着したみたいですわね」


 ちょっとくすぐったい事を言うなぁ、

 ニィナさんではなくクラリスさんだとなんというか、

 こう、新妻感が満載というか、いやニィナさんも悪くは無いんですよ当然?!


(僕はいったい何に怯えているのだろう、正妻の影にか)


「じゃあまずは居間に……うん、これ十二人くらい同時にくつろげるね」

「こちらで会議しても良かったのでは」

「そうだね、でもやっぱり真面目な話は会議室で、せっかく会議室があるんだし」


 見ると異世界人用の別荘で見た、

 黒くて見えにくい鏡みたいなのがデーンとある、

 相変わらず操作の方法はわからなけど……クラリスさんが調べている。


「……こちらをこうして……こうでしょうか」

「うわっ、暗い鏡が光った!!」

「これは!! 何でしょう、様々な色がブロックに分けてありますが」


 更にクラリスさんがいじると、

 ピーーーーーって音が聞こえてきた、

 なんだかよくわからないので元に戻そう。


「消せますか?」

「さっき点けた場所を……消えました」

「今度、アマタツさんに聞こう」


 今は全部屋のチェックだ。


「デレス様、こちらの部屋は食堂ですわ」

「うん、食事を呼ぶツタだよね、この下がっているの」

「準備させますか」「そうだね、他も見回ってから」


 とまはまあ浴室だの寝室だのは確かにグレードアップしていた、

 風呂はちゃんと選べば温泉も出てきたよ! あとトイレも広く快適過ぎて怖い。

 書斎にランドリールームにメイド部屋まであったり、今は僕がメイド服だけれど!


「ここは、あっテラスか」

「夜風が気持ち良いですわ」

「うん、あと夜もドラゴンが普通に飛んでるね」


 夜行性かな?

 そんなこんなでクローゼットルームを確認した僕とクラリスさん。


「以上のようですわ」

「SSSルーム、恐るべし! だね」

「では遅い夕食を呼びましょう」「夜食だよね」


 ツタを引っ張るとアーバンラミアが二体登場。


「適当に晩御飯を二人分お願い」

「「カシコマリマシタ」」


 食卓に座ってクラリスさんとお話を。


「ええっとクラリスさん、今夜来ていただいたのは」

「愛を深め合うためですわね?」

「あっうん、それもあるっていうか、ニィナさんの身体の一部になってばかりでごめんね」


 第二夫人のケアもしないと。


「何かお考えの事があってですわよね?」

「そ、そうだね、そうそう、その事なんだけれど」

「少し声が上ずってらっしゃいますが」「ええっと、真面目な話!!」


 アーバンラミアがまず持って来てくれたお水を飲み干す。


「はい、何でしょうかデレス様」

「……リッコ姉ちゃんの事なんだ」

「報告は聞かせていただきました、チャンミオでデレス様が来るのを見張っている、と」


 なんだか隠れて冒険者ギルドを覗いているリッコ姉ちゃん達が想像できるな。


「それなんだけれど、僕がニィナさんの胸の中に隠れて、

 隠れたまま、ニィナさんがリッコ姉ちゃんと会って話して、

 その、リッコ姉ちゃんの本性を、暴いてくれるらしんだ」


 クラリスさんもお水を少し飲む。


「……はい、それが一番、わかり易いかと」

「結局、リッコ姉ちゃんの、姉ちゃん達の本性って」

「こればかりは、私が言うより実際に聞いていただかないと」


 早速運ばれてきた前菜、

 僕にとってはこれがメインでもいいけどね!


「それはリッコ姉ちゃんの話を、だよね」

「はい、ニィナ様なら上手く誘導していただけるかと」

「僕ってそんなにリッコ姉ちゃんに酷い事……うん、されてるね」


 裏切られた、寝取られたうえに頬まで叩かれた。


「デレス様、やはり私としてはデレス様にしていただきたい事が」

「ぼ、僕に出来る事であれば、なんなりと」

「やはりここは、デレス様がされたように……リッコを引っ叩いていただきたいのです」


 続いてスープが並べられた、

 匂いからして芋系かな、美味しそう、

 いや話だけしてないで食べ始めよう……うん、美味しい。


「んっ……ちゃんと温かい、そして『大地の恵み』って味がする」

「ふふ、面白い表現ですわ、でもデレス様の気持ちは伝わります」

「それで、んぐっ……僕がリッコ姉ちゃんを引っ叩く、かぁ」


 改めて想像すると、倍にして返されそうで、怖い。


「それくらいはして、相手もされて当然かと」

「うん、それはそうだけれど、でもやっぱり、義理とはいえ相手が姉だと」

「……やはり縁は切れませんか?」「少なくとももう恋人では無いけど、家族の繋がりは……」


 ふうっ、とため息をつくクラリスさん。


「デレス様がリッコを引っ叩くという行為には、大きな意味があるのですが」

「意味……意味、ですか」

「あと理由もですね、これは元婚約者に、そして義理の姉に、それぞれの意味で」


(……僕がリッコ姉ちゃんを引っ叩く意味、そして理由とは?!?!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ