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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第七章 女装メイド勇者とあなたの吟遊詩人になりたい
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第662話 いよいよ『別』を押して移動します、その行先というのが……!!

「……本当に出たのですね」

「ああモグナミ、私もいきなり出るとはな」


 カウンターに乗せられたレア魔石、

 後ろの冒険者ギルド職員たちが色めき立っている。


「それで、いかがなさいますか?」

「そうだな……冒険者ギルドに下ろそう、クラリス、良いな?」

「はい、最初のひとつはそれで良いと思いますわ」


 リーダーとサブリーダーの意見が一致したので決まりだ。


「ではこちらで、それ相応の価格で買い取らせていただきます」

「個人的に冒険者ギルドを設置して貰ったんだ、これくらいは貢献しないとな」

「ありがとうございます、ギルマスとして感謝致します」


 まあ、持ちつ持たれつだからね、

 向こうのメリットの方が大きいってくらいじゃないと、

 ひとつの冒険者パーティーのアジトに冒険者ギルド設置なんて特例は許されないだろう。


「ただ、次からはレア魔石は我々で溜める、しばらくはな」

「かしこまりました、それでアマタツ様の、冒険者カードは」

「にゃははは、コロメので良いんじゃないかにゃ?」「いや、さすがに死人は」


 でも勇者コロメとしての強さが見れた気がする、

 あれだけ強いならなんであんな酷い事を、って思ったが、

 まあ欲望に支配された人間なんてあんなものだろう、末路も含めて。


「攻略法の説明についてはアマタツに任せる、

 我々は昼食だ、ダペナも来るか?」「いえ、まだ勤務中で」

「昼食という事でしたら構いませんよ」「は、はいっギルマス!」


 許されたらしい。


「では失礼する」


 こうしてみんなで魔導昇降機へ、

 そして押した行先は……うん、『別』のボタンだ。


「……いよいよですね」

「デレス、まさかと思うが行き先が、まだわからないのか?」

「えっ、みんなわかっているんですか?!」「だと思うが」


 どこへ行くんだろう……


(あれっ、昇降機がいつのまにか上下じゃなく、前に動いている?!)


 こんな動き方もするんだ、

 ぐんぐんぐんぐん進んで行く……

 結構時間かかるな、いったいどこへ行くのだろう?


「うーん、クラリスさん、ヒントを」

「はい、根っこが届く範囲内ですね」

「範囲内……別……あっ、ひょっとして!!」


 と気付いた所で到着した!


「ここだデレス」

「はい、ラルス村にある僕らのお屋敷ですね」

「まさしく『別邸』ですわ」


 どっちかというと本来、

 裏庭に埋めた種、その育った天大樹(あまたいじゅ)の方が別邸なんだけどな、

 もうこれじゃあ、まるっきり立場が逆転だ。


(そしてここは廊下の突き当りだ)


「おう、どうした」

「ジュマジ殿、なあに確認だ、こちらはどうだ」

「最近はこっちの世話係も顔ぶれが変わってのう」


 見ると天使族の名前も知らない熟女さんたち、

 そうかいつメンの14人と奴隷天使族の5人は、

 もう天大樹(あまたいじゅ)内専属になるのか。


(それでも足りない気がする)


 更に今後、二号館も大きくなるからね。


「あ、ということはニィナさん、アマタツさんは」

「にゃはは、ここまでかにゃ~~」


 ニィナさんが振り返る事で一番後ろにアマタツさんが見えた、

 ただ、魔導昇降機の出入り口からツタが伸びている、ほぼ限界か。


「ふむ、それ以上は無理か」

「ギリ玄関までかにゃ~、来客の対応はできるよ~」


 そうなると留守番係としてのジュマジさんが……!!


(まあ、村人との顔役は必要だからね)


「昼食はここでとろうと思うのだが」

「メイドの天使族に言っておこう」


 ここでくつろぐのは久しぶりだな、

 という感じで居間に集まっているんだけど、

 アマタツさんのツタがずっと伸びてきている。


「ええっと、これ切ったらどうなるんですか」

「しなしなになるよ~、死にはしないしまた生えてくるけど、

 この身体が腐って処分とか大変になっちゃうね~臭いと思うよ~にゃはは」


 それはやめておこう。


「アマタツ、だが来客が来てもわかるのだな?」

「そだね~、昇降機に聞こえたらね~」

「あの、ひとつ疑問なのですが」「はいナスタシアオーナー!」


 何を聞くんだろうか。


「魔導昇降機が複数、同時にこちらへのボタンを押すとどうなるのでしょうか」

「渋滞するね~、前の人が降りるまで止まって待つね~」

「やはり出入り口はひとつなんですね」「そうなるにゃ~」


 そんなこと気になったんだ。


「さて皆よ、午後は吟遊詩人育成と行くのだが」

「あっはい、例の変態を呼ばないと」

「どの変態の事だ」「人魚族の」「あっちの変態か」


 他の変態をリストにして教えて欲しいのですが。


(それだとニィナさんも含まれちゃう!)


「にゃはは、モグナミさんに伝えてくるね~」

「ああすまないアマタツ」


 そのまま徒歩で戻って行った、

 さすがにここじゃあ床や壁には吸い込まれないか。


「そこで狩場なのだが、ドラゴンの巣、すなわち浮遊島はもう使えないだろう」

「ですわ、他の場所となると……」

「何を優先するかだな、経験値か、それとも新たな従業員か」


 うん、魔物だと喋れる地属性が必要だ。


「前に話に出てたのは、アルラウネの上位種ですが」

「場所に心当たりは」

「イワモトさんがあるとかないとか」


 記憶違いだったらごめんなさい。


「ならアンジュが戻ってからだな」

「アレですね、別荘も出来た事ですし、

 三人のうち誰かは出したまま残って貰って良かったかも」


 アンジュちゃんの用心棒として亜空間に残しておいた方が良いかもだけど、

 イワモトさんかハイトウさんはこの世界について詳しいから聞きたい事も多い、

 いや、あのアンジュちゃんにそんなに用心棒が必要かは置いておいて!


「わかった、とりあえずこれからはどうする」

「やはりあそこですね、って今だと夜になっちゃうのかな?」

「ふむ、異論のある者は居るか」


 ……大丈夫そうだ。


「よし、では昼食が終わったら吟遊詩人三人を入れて、シャマニース大陸だ、良いな?」

「「「「「「はいっ!!!!!!」」」」」」


 この後、並べられた昼食は、

 普通に天大樹(あまたいじゅ)の食堂から持って来て貰った物でした。


(これなら外のお店で食べても良かったかも、まあ混んでるか)


 さあ、食べ終わったらでっかいでっかいゴーレム達を、狩りまくるぞー!!

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