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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第七章 女装メイド勇者とあなたの吟遊詩人になりたい
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第652話 ロボットの中身は、だーれだーろなっ

 ヘレンさんの衝撃的な言葉……

 あの超巨大ゴーレム『シアー』を操っているのは、

 魔物ではなく『人』だという推測、でもそれならティム出来ないのも納得がいく。


「ふむ、ヘレンの意見に異論がある者は」


 ……特に無いな、

 静かな沈黙、いや廊下から、

 下のロビーでキャッキャはしゃぐ声が聞こえる、どんだけ通るんだ。


(モフモフ大人気過ぎだろう、ホワイトベアード……)


「では疑問でも補足でも何でも良い、意見のある者は」


 そのニィナさんの呼びかけにスッと手を挙げたのは、

 ドワーフのお姫様マリウさんだった、超巨大ゴーレム相手に一歩も引かず、

 的確に関節部分を攻撃していたっけ、空中でもさすがだったな、いや空中戦だからこそか。


(何せ僕と同じくらいのサイズだからね!)


「ではマリウ」

「はい、私の鑑定でも中に魔物の気配はありませんでしたが、

 あの巨大ゴーレム自体は何か特異な物を感じました、なんというか……アンデッドのような」


 つまり、あの巨大ゴーレムは、

 ゴースト系の魔物か何かが乗り移っている?!


「ふむふむ、そういえばあのゴーレムをロボットとか呼んでいたな、イワモト」

「ははっ」

「余計な事は言わず真面目に答えろ、でないと本当にアンジュにシメて貰うぞ?」


 あっ、良かった、

 やっぱりいつものシメちゃうぞーはアンジュちゃんの冗談だったんだ、

 とはいえこの場でまた変な事を言ったらさすがに棒でぶたれるだろう、さすがに真面目に答えそう。


「あのロボットは操縦者に力を与える代わりに、精神を徐々に乗っ取って行くようですぞ!」

「異世界でそのような事があったのか」

「まあそう考えていただいても結構ですな」


 じゃあ中の人は、操られているのか。


「何とか引っ張り出す方法は無いか」

「やはり『歌』による精神攻撃が良いかと」

「吟遊詩人か」「ですな、耐えられず自ら出て来るでしょうな」


 問題は、ここからだ。


「しかし、聞いた話だと操縦者が出てしまっても逃げたようだが」

「あのロボットは設定ですと、もとい私の知る限りですと、

 やはり自我を持っているようでして」「結局はゴーレムか」「ロボットですぞ!」


 うん、まあ呼び方はどうでもいいや。


「デレス、何か聞きたい事はあるか」

「あっはい、ええっと、操縦者って必要なんですか?」

「ですな、その取り込んだ魔物や人の能力が反映されますゆえ」


 ……ちょっと他人事とは思えないな、

 今の僕がまさにニィナさんに取り込まれているし!


「中の人って、好きに出られるんですか?」

「通常はそうですが、作品によっては死なないと出られないというものも」

「作品???」「いやいやこちらの世界の話でして、アンインストールと申しまして……ハイトウ殿」


 あっ、仲間に逃げた!


「代わりに私が説明致しますと、あのロボットは某アイドルゲームとのコラボの際に実装される予定でした、

 ですので今は、中は誰が操縦しているかといった細かい情報まではわかりません、ただおそらくの予想ですが、

 あのロボットはロボット自体が魔物というより、人工知能、AIが組み込まれているといった(たぐい)では無いかと」


 まーたわけのわからない言葉を。


「ふむふむ、ハイトウ殿、それはすなわち」

「デレスデリカ人形でしたっけ、アレと同じような物かと」

「では喋るのか」「わかりません、確かに喋るロボットも我々の世界には居ますし」


 ここでクラリスさんが挙手した。


「なんだ、どうしたクラリス」

「はい、私が気になっているのはロボットの構造よりも、

 誰がそこに入っているか、という事です、地元の方に心当たりは」


 熊風兎獣人も熊獣人もニィナさん風兎獣人もダンマリだ。


「ナツネェ様は」

「地元民とは限りませんから、なんとも」

「情報が少ないですわね、捕らえて中身を出しさえすれば」


 それが大変なんだよなあ。

 そしてこういう時もマイペースにヘッドホンとやらで、

 音楽を聴き続けているMAINAさんにも話を振るニィナさん。


「MAINAはどう思う」

「ん~、運転席が、操縦席がひとつとは限らないんじゃ」

「だそうだイワモト、そうなのか」


 ていうかちゃんとMAINAさん会議聞いてたんだ!


「確かにそういう作品もありますな、

 多いのですと操縦席が五つあってというか、

 五つが合体して……ただ今回のは一体につき、ひとつと思いますぞ」


 やはり異世界人には何かわかるらしい。


「わかった、ではあのゴーレムを、ロボットを捕縛する手を考えよう、

 ひとつは物理的に、もうひとつは魔法的にだ、アンジュ、心当たりがあるのだったな」

「いまから行くー?」「もう遅い、学校もあるだろう」「あいあい」


 そこはきっちり行くのがニィナスターライツのスタイルだ。


「魔法に関しては引き続き吟遊詩人を育てよう」

「あの人魚もですか」「そうなるな、貴重な保険だ」

「わかりました、連絡は」「モグナミ経由でしておこう」


 まだ寝てないと良いけど。


「あと話しておかなといけない事は無いか」


 ここで肉球を挙手するマルーセさん、

 サミン首都サミンセーのギルマスね、

 兎獣人だけど熊っぽい方の人、濃い顔。


「フミッカで『シアー』達を一度、きちんと倒せた時の状況を詳しく聞きたい」

「それはフミッカの国王に、いや執事に聞く必要があるが粗方なら私が聞いておいた、

 ただそうだな、私達の秘密アジトにフミッカの冒険者ギルド職員も来ているはずだ」


 あっそうか、研修で大陸中のが集まっているからね。


「ではその職員に聞けば」

「ああ、連れて行ってやろう、他に話は……」


 とまあ夜遅くまで会議は続いたのだった。


(こりゃアマリちゃん達の誕生日会は、延期だな)


 当のナタイラちゃんが、うとうとしちゃっているし!!

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