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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第六章 歌う勇者と舞う踊り子たち
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第609話 異世界賢者と僕の新魔法

 召喚された第三の異世界人、

 やたら良い声のハイトウさんに頭を下げられる。


「あっはい、デレスと申します」

「私は先の二人ほど強くはありませんが、頑張らせていただきます」

「ええっとレベルは」「50です、賢者は上がり難いので」


 それでも大したものだ。

 アンジュちゃんが浮きながら周りを回る。


「こゆースキル、命令系だってー」

「それは、どういう」

「はい、魔物に強い口調で『命令』が出来るものです」


 ちょっと試してみよう。


「じゃあ早速、地下へ」


 こうして三人いや四人で初心者ダンジョンへ。


(うん、蜂さんが飛んでる)


 この階はまだ、

 向こうからは攻撃してこないようだ。


「ハイトウさん、こーげきできるー?」

「魔法は一通り憶えています、ホーリーアロー!」

「うわ、光属性魔法!」


 いきなりびっくりだ、

 光の矢が蜂を貫通した。


(あっ、貫通といえば)


 倒すと遠くからまた蜂が一匹、湧いてきた。


「じゃあ今度は僕が……ダークインテグレード!」


 ……何も起きない。


「つかったあとにつかう、だよー」

「あっそうか、アンジュちゃん使ってみて、リレーションリフレイン!」

「あーい……ダークインテグレードずしゃーーー」


 あっさりと倒す、

 威力が凄すぎてこの低レベルの敵だと粉微塵だな、

 そして続いて僕も使うが、やはり何も起きない。


「やっぱ杖異存の魔法は無理かぁ」

「デレスくん、剣を杖にしてみたらー?」

「えっ? うん、じゃあ……ダークインテグレード!」


 プライドソードを立ててやってみても無理だ。


「ぢゃあ、これはー? どうぞー」

「あっ、アンジュちゃんから杖を借りる方法が」


 渡されたベルベットデビルロッド、

 それを蜂に向けて……再度再度、あえて詠唱する!


「ダークインテグレード!」


 ズシャーーー!!


「出せたーー!!!」

「すごいすごーい」

「デレスさん、さすがです」


 いや、凄いのは杖では。


「……よろしいでしょうか」

「はいハイトウさん」

「アンジュ様のをもう一度見せていただきたいのですが」


 杖をアンジュちゃんに返すと、

 奥からまた湧いて来たのを無詠唱であっさりと……


「やはりですね」

「どういうこと? しょーゆーこと?」

「しょ……あー、さきに言われちゃったー」


 ナタイラちゃんも苦笑い。


「威力がアンジュ様より、かなり落ちていますね」

「あっ、そうなんだ」

「魔力差と属性値の影響でしょうか、もちろんそれでも十分な威力ですが」


 あ、あとアレも試そう。


「ハイトウさんも魔法を、ええっと僕のローリングリンクチューンを」

「魔法を買えるには再詠唱が必要では?」

「えっ、じゃあもう一度……リレーションリフレイン!」


 ハイトウさんもしっかり光った!

 僕はお手本をまず見せる、いちいち先に出さないといけない。

 そしてハイトウさんの番……


「では……ローリングリンクチューン!」


 おお、転がる転がる!

 ただ奥からまた湧いた蜂は飛んでるから下をスルーだ。


「ナタイラちゃーん」

「はいっ、では杖をお借りして、ダークインテグレード!」

「……出ないね、やっぱり順番か」 「ひとつっていってたからねー」


 杖をアンジュちゃんに戻して放ち、

 ナタイラちゃんに渡してっと、時間かかるな。


「ダークインテグレード!」


 あっ、当たったけど一撃じゃ倒せない!

 やっぱり属性の相性が悪いんだろうか?


「ダークインテグレードッ!」


 二発目で倒せた。


「相性はありますけどサモン含め、みんな使えるみたいですね」


 サキュバスにも、おそらく。


「んぢゃ、めーれーしてみてー」

「はいアンジュ様」


 あっそうか固有スキルも試して貰わないと、

 やってきた蜂に対してハイトウさんがイケボを発する。


「旋回しろ!」


 おお、ブンブンくるくる回っている。


「命令って何でもですか」

「魔物が可能な限り」

「では『喋れ』とかは」


 これで『どうもこんにちは』とか言われたら、びびるけど。


「やってみましょう……喋れ!!」


 カチ、カチと音を鳴らしている!


「ええっと、一応は喋っているんでしょうか」

「おそらくは蜂同士の会話ですね、これが精いっぱいではないかと」

「なるほど、ほんとに『出来る最大限』をやってくれているんですね」


 高レベル相手には効くのかな、

 スキルだからレベルが上の相手には無理と予測。

 そしてまた奥から一匹だけ飛んでくる蜂。


「んー、まいおどれー!」

「あっ、それもコピーできるんだ」

「……できないみたーい」


 踊らず真っ直ぐこちらへ、

 じゃあこれはどうかな、と僕が詠唱。


「ファイアーダンス!」

「先に私が」

「あっそうか、僕も唱え直しだよね」


 僕のリレーションリフレインからの、

 ナタイラちゃんのファイアーダンスからのぉ……

 ちょっと踊り子っぽく両腕を拡げ、僕の!!


「ファイアーダンス!!」


 ボボーーーッ!!


「おお、ナタイラちゃんの魔法が使えた!」

「なんかすごいねー」


 問題は、これがどのくらいの時間もつかだけど……

 魔力もそこそこ消費するけど、いざとなったらアンジュちゃんの飴を呑み込めば良いか、

 問題はいちいちリレーションリフレインの唱え直し&コピーしたい魔法の詠唱だ、面倒くさい。


「とりあえずはこれでいいかな、戻りましょう」


 冒険者ギルドカウンターへ戻る。


「んぢゃまー、戻すけど、おきゅーきーん」

「ありがとうございます」


 魔石をどちゃどちゃ渡すアンジュちゃん、

 嬉しそうにそれを受け取っている。

 僕も亜空間に帰られる前に話そう。


「ええっと、今後ともよろしくお願いいたします」

「はい、デレス様、ひとつ質問よろしいでしょうか」

「何なりとどうぞ」「その、メイド服なのに理由は」「そういうプレイです!」


 急に恥ずかしくなること言わないで!


「……わかりました」

「ぢゃねー、さんじゅーななさいのおさーん」

「失礼致します」


 ナタイラちゃんにも会釈して、亜空間へ入って行った。


「さて、そろそろニィナさん達、戻ってるかな」

「居間にもどろー」

「うん、ヴェルビンちゃんまたね」「はいっ」


 そしてナタイラちゃん含め三人で転移、っと。


「デレス」

「あっニィナさん、お帰りなさい」

「……背中を見せてくれるか」「はい」


 くるりと半回転。


「……その100とかいうマントは何だ」


 やはり最初に突っ込まれましたー!! 


(恥辱行為が増えた気分だよ……)

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