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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第六章 歌う勇者と舞う踊り子たち
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第598話 オークション初日前半の目玉はみんなとべるよ!

「さあ、第1666回シュッコ定例オークション、前半戦もさ・い・ご、となりましたっ!」


 コロシアムに遅れて到着した僕ら、

 上級出品者でもあるので『ニィナスターライツ様』用のエリアが用意されていて、

 そこにはすでにニィナさんヘレンさんナスタシアさんとお手伝いにセーラさんシカーダちゃんが居た。


「ニィナさん、楽しんできました!」

「そうか良かった、私も後でラーメンとやらをいただきに行こう」

「それで後半戦に間に合うように来たつもりだったんですが」


 時間的にもお昼ご飯が終わる頃だ。


「緊急出品が多数あったからな、もちろん私達のせいだが」

「あー、キカエデ城の、地下のお酒!」

「厳選したつもりだが十二本も出したからな、その分、時間が押した」


 高価だが同じ種類がそこそこあるやつを選んで、

 わざとプレミアム感を出すため一本ずつの出品にした、

 こういうお酒は貴族の嗜みとして人気らしい、良い褒賞品だった。


「高く売れましたか」

「何本かはキカエデの連中が買い戻したようだ」

「あっ、まあいいやどうせ売ったんだし」「だな」


 会場に、布に包まれたアイテムがふたつ運び出される、

 持っているのは片方はバラカさん、もう片方は知らない牛獣人。


(でかいバラカさんの2.5倍はでかいな)


 ということは、出品はアレか。

 司会のチアー女史の言葉が音響装置で響き渡る。


「さあ、毎回恒例、前半最後は後半終盤に出てもおかしくない逸品をお出しします、んがっ!」


 相変わらず変なポーズ取るなあ、あの冒険者ギルド受付嬢。


「今回は通常回、前々回まででしたら最後に出品してもおかしくない、とっておきを……んまっ!!」


 席に着くとセーラさんシカーダちゃんがお茶を配ってくれる、

 ちなみにルルノジョさんも面白そうだからって観に来ています。


「はいおねえちゃん!」

「ありがとね~えへへ、いいこ」


 シカーダちゃんにお姉さん呼びされて、いい子認定するルルノジョさん、チョロいなあ。

 イワモトさんMAINAさんは『お持ち帰りらぁめん』をまだ未召喚のお仲間に渡したいとかで、

 亜空間に帰って行ったけど知らないアイテムが出たらイワモトさんを呼ぶ予定。 席あけとこ。


「皆さん、空を飛んでみたいと思った事はありませんか?

 しかし通常手段ですとティムしたドラゴンに乗るか、

 高レベル幻術師しか不可能、そう思っていた時期も私にはありました……がっ!!」


 チアーさんの合図で布が外され、

 二種類の靴がその姿を現した、盛り上がる会場!

 近くのオークション参加者たちも色めき立っている。


「おい、あれか噂の」

「ああ、とんでもないアイテムだな」

「俺も試したけど、想像以上に動き易かったぞ!!」


 みんなの完成を視線を集めたのは……二足のシューズだった!!


「さあ、このアイテムの名は『エンジェルフライングスニーカー』といい、

 片方は通常サイズ、もうひとつは獣人サイズとなっておりまっ、ふうううううっっ!!」


 なんでそこでFuuuuuuu! みたいなのが入るんだよ!!

 それはともかく地下の展示エリアで歓声が上がっていたのはこのせいだ、

 お試しにみんなが履いて天井に頭をこすらせながら大盛り上がりだったようだ。


(声だけは聞こえて来てたからね)


「ちなみに皆さんに今朝までお試しで履いていただいたのは試供品で、

 こちらの販売品は未使用、すなわち純潔を購入していただく事になります!

 では試供品はどちらかというと……さあ、お飛び下さいっ!!」


 スニーカーを手にしていたバラカさんと牛獣人がそのまま宙に舞う!

 そして二階、三階の観客席へ見せつける、うん、なかなかな演出だな。


「さあさあ、フライング装備の出品は491回以来だそうです、皆様、お覚悟はよろしくて?!」


 まーた変な決め台詞を、

 そういえば以前の『ジャッジメントですの』をイワモトさんに話したら、

 中の人が同じだからとかまたわけのわからないことを言っていたな、CVがどうとか。


「まずは獣人専用の大サイズの方から、こちらは安く……金貨99枚からっ!」

「白金貨2枚!」「3枚!」「10枚、10枚だ!!」「「「おおおーーーーー!!!」」」

「さあ、いきなりのこの値段、三日目の不動産オークションではございませんことよ?」「12枚!!」「ジュウゴマイ!!!」


 獣人さんも参加してる、

 ちなみにアンジュちゃんは変なチャチャ入れないようにクラリスさんが捕縛中、

 また変な奴隷を白金貨200枚で買われても困るからね、とはいえ結果的に大成功だったけど。


(その成功であるナタイラちゃんライリアちゃんも、ちゃんと席に着いてるよ!)


「貴重な貴重な空中装備、くれぐれも悪用の無いようにお願いします、

 靴は履けば自分のサイズにぴったり合う魔法付き、どなたでも履けます、さあ!」

「20枚!」「ニジュウゴマイ!!」「30枚だ!」「サンジュウゴマーイ!!」


 おお、商人と紳士っぽい服装の獣人が競ってる!

 転売目的と実用目的か、これはどっちも負けられないな!

 負けた方に試用品を売ってあげたいくらいだけど、あれは別の使い道が……


「あー、アタシもギルドから白金貨、預かってくればよかったー」


 ルルノジョさんも飛びたい派か。


「あれ? ニィナさん、そういえば冒険者ギルドは競ってませんね」

「ああ、どうしても欲しければウチに直接、発注が来る」「なるほど」

「えっマジで?! じゃあアタシんとこも」「キカエデの冒険者ギルドは知らん」


 とはいえ大きいアイテムを競り落とす時は、

 大陸の、いや全世界の冒険者ギルドとして入札したりするからなぁ、

 そうなると本気を出せば白金貨1000枚どころか……おっ、決着がつきそうだ。


「50枚でよござんすね? よござんすねっ? ではまず獣人用、50枚で327番様……落札っ!!」


 両腕片足を使った謎ポーズで落札を告げるチアーさん、

 獣人大喜びだな、スタンドが壊れそうな勢い、そんなにか。

 ちなみに一足しか売らないのは変な集団が悪い事をしないためだ。


「続いて通常サイズ、普通の人なら誰でも履けます、みんな飛べる!

 こちらはなんと……白金貨1枚からの、さあさあさあ、レッツラ……ごわす!!」


 ごわすってなんだよ、ごわすって!!


「50枚!!」


 どよめく場内! しかし……


「100枚!!」「120枚!」「145枚!!」


 えっ、そんなに?!

 天使の羽根が使われてるからって天使教も参加してるんだろうか、

 いや奴らなら後半の……ってちかくから大声が!!


「200枚でお願いします!!」


 見るとどっかの国王一派かな?

 偉そうな王様と王妃っぽいのがわざわざ来てる、

 その従者っぽのが200枚で入札したみたい、そして……


「父上! 母上! 欲しい! 絶対欲しい!」

「見ておれ、必ず落札するぞ」「領土を削ってでも手に入れてあげるわ」


 どうやらまだ十歳くらいの王子のために落札するらしい、

 どこの国の王様か気になるな、王妃の胸についた紋章は謎の生物の顔みたい。


「200枚でよろしいでしょうか?」

「にっ、210枚!」「300枚でお願いしますっ!!」


 あっ、これ310枚とか言ったら400になるやつだ、

 と思って横から入ると下手すると落札させられるからチャチャは入れられない、

 さすがにみんなそれを察してか沈黙の時間が流れ、そして……


「それでは白金貨300枚で、1020番様に前半最後のぉ……らく☆さつ!!」


 盛り上がる王族一家!!


「父上! 母上! これで飛べるぞ!!」

「ああ、そして家宝にしよう」「怪我しないように幻術師の先生を付けないとね」

「嬉しい! 嬉しくって、涙が出ちゃう!!」


 七大魔王バドリン退治の賞金と、

 同じ額で落札されちゃったよ……

 こっちもこっちでもちろん税金は、引かれます。


「さあ皆さん、遅くなりましたがこれにて昼食休憩です、

 再開直後は軽いアイテムになりますのでどうぞ、ごゆっくり!」


 熱気冷めやらぬ中、

 早速もう白金貨三桁の儲けを出した僕ら、

 いやほんとお金はいくらあっても困らないからね、モグナミさんのお賃金とか。


「デレス、では地下へ行こうか」

「あっはい、フライングアイテムを渡すんですよね」

「違う、まあそれもするが、デレスが出品前に買った連中だ」「あっ、スイカ泥棒!」


 代金というかエリクサーはもう、渡してある、はず!!

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