第590話 3rdSTAGEと生き残ったのは……?!
<<3rdSTAGE>>
♪ジャンジャジャジャンジャンジャン!
「さあ2人が脱落、残り8人でのチャレンジとなりますが解説のイワモトさん、
果たして何人が生き残れると予想されますか?」
「そうですな、5人は残って欲しい所ですが、曲次第ですな」
シューサーくんも身軽な服装になっている、
シャツと短パン姿で、ちらちら休んでるナツネェさんを見てるや、
ヘレンさんから回復魔法を受けているみたいだから大丈夫だろう。
「ほう、では次はどのような曲が来ると予想されますか」
「ゆっくりで難易度の低い曲で始まり、二曲目の和風デュオ曲で急に上げて体力を削り、
ということは三曲目はもっと激しい曲で行くでしょうな、例えば五人で歌うあの、チュ……」
ちゃんと実況と解説の会話が終わるまで待ってるバドリン、
たまに客席に愛想を振りまいているのはいったい何なのだろうか、
いやこれ魔王戦だよね? 七大魔王が相手の、魔王部屋でのボス戦……
「さあ、それではバドリンとの直接対決を賭けた、運命の三曲目です!!」
静まる魔王部屋、
そしてバドリンが……のけぞった?!
「みんなー、ロックに行くよーーー!!」
♪ジュクジュンッ
♪デーレーデーレーデーレデッデー デーレーレーレーデッレレー
♪デーレーデーレーデーレデッデー デーレーレーレーデッレレー
あっ、これ本当に激しいヤツだ!
「イワモトさん、この曲は!」
「こう来ましたか! ターゲットは666ですぞー!!」
魔王部屋の照明も暗くなり、
流れてくる◎の中心に♪が描かれたターゲットは明るいものの、
やはり足元がおぼつかなくなる、なんとか集中して乗りきらないと!
(一生懸命に歌いながらやっています!)
バドリンもなかなかなダンスを踊っているようで、
会場が盛り上がっているがそっちに見とれている場合では無い!
さっきよりターゲットは少ないはずが、スライドとかいう足を引きずる動作が大変過ぎる。
(あーあ、モグナミさんですらミスが出始めている)
「うあっ!!」
いけないいけない、
隣を見てたら僕までミスしちゃった!
「おおっと男性陣も苦戦しております!」
「シューサー殿はやはり途中からという事で、リズムが掴めておりませんな」
「やはりここがこのダンスバトルの難しい所かーー?!」
駄目だ、二分が長い!
まだ一分も経っていないというのに……これはキツい!!
「ああっと、ここで4番MAINA選手、ダンスで魅せる魅せる!
一方で隣の3番ライリア選手はピンチかー? 体力ゲージがレッドに突入!
8番の天使族シューン選手も、身体はついていけても足が上手く揃わないようだ!!」
飛ぶ系でもやはりこれは難しいか、
天使族の連中、慣れれば行けそうなんだけどな、
こういうのはやはりセンスが……うっわ、またミスった!
「ここで12番シューサー選手、無念の脱落!
2番ナタイラ選手も体力が半分まで減っている、
おおっと10番モグナミ選手、転倒、転倒だあ!!」
えええええーーー?!?!
これはまずい、いやほんと恐ろしいなこれ。
「さあ曲も佳境だ、あと30秒!」
「ギリギリの戦いになりますぞー!」
「ついに8番シューン選手も敗退、さあ、後はいけるかー?!」
うう、声が、歌が震えるううううう!!
「ついにモグナミ選手10番の体力が無くなった、失格!
3番ライリア選手、こらえるか、こらえられるか、さあ、さあ、さあ!!」
(ラストの歌詞だ、ん、ん、ん、んーーーーー……んっ!!)
「はあああい、しゅーーりょーーー!!」
バドリンの声と共に大歓声!
果たして、生き残りは……?!
「さあ、三曲が終了致しました、では体力ゲージがより多く残っている順で紹介致しましょう、
まずはノーミス、三曲フルコンボは4番MAINA選手、パーフェクトなコンボでした!」「イエー!」
「そして1番ルルノジョ選手、合計9回のミスもこれはさすがだ!」「いやー、周りに乗せられたわ」
上位ふたりは順当クリアだ。
「続いて2番ナタイラ選手、9番デレス選手が体力ゲージをほぼ半分残してクリア!」
なんとかなった、うん、初挑戦でこれは上出来だと自分でも思う。
「最後にギリギリでクリア、おそらくあと1か2のミスで敗退となったでしょう、
3番ライリア選手、見事にクリアとなりました、姉妹揃ってこれはお見事!!」
「姉様!」「うん、良かった」「一緒に倒しましょう」「それはどうかなーーー?」
バドリンめ、
喜ぶ二人に可愛い声で、変な横槍を入れやがって!!
「以上の5名が生き残り、いよいよ魔王バドリンと直接対決に挑みます!」
「この人数なら行ける、行けますぞーーー!!」
「解説のイワモトさんも盛り上がっております、さあ、ここでバドリン、何を語る?!」
みんなが注目する中、
バドリンの発した言葉は……!!
「いよいよFINAL STAGE、この後すぐだよーー!!」
直後、魔王部屋が静まり返って……
「はいOKです、一時間の休憩に入りまーーーす!!」
カエル男の言葉に魔王部屋の空気が一気に緩む!
室内も最大限に明るくなって、あっ、バドリンが引っ込んで行った!
僕らもブースからどかされる、負けた人のを片付けるみたいだ。
(一旦、楽屋に戻るのかな? 僕らも)
ライリアちゃんはさっさとクラリスさんに回復して貰っている、
他のみんなも魔王部屋の隅で、僕も……と思ったらマリウさんが!
「デレス様、本当に素晴らしかったです!」
「いやその、やっぱり他の人のが」
「私はデレス様しか、見ておりませんでしたわ♪」
と会話しているとニィナさんがやって来て……!!
「さあ控室で、楽屋でバドリン討伐の最終打ち合わせだ」
「あっはい、行きましょ行きましょ」「がんばって下さいね♪」
ニィナさんは僕を連れ去るように引っ張る、
なんていうか、マリウさんをライバルとして認めている……?!
そう考えると今後、きちんとウチのメンバーに入れた方がいいのかも知れないが……
(やはり抵抗感が、まあともかく今はバドリン退治に集中だ!)
と、その前に。
「天使族の皆さんに、差し入れでーーす」
「わあ、天大樹の実が!」「ひとり1個ですが」
「ありがとう!」「やはりこれがないとですわー」「シューンには2個あげてー!」
アンジュさんもイワモトさんを回収する。
「おっちゃんいこー」
「ははっ、ヨシ=ツジナリ殿、アサ●カ殿と仲が悪かったとは本当ですかな?」
「ノーコメントで!」
まーたへんな爆弾を転がしてるよ、このおっちゃんは。
※流れている曲は全てオリジナルです(目逸らし)




