第564話 クラリスさんと内職みたいなことをしています
「まあデレス様、おはようですわ」
「うん、クラリスさんおはよう、あれ、ひとり?」
「ニィナスターライツとしては、私とデレス様だけですね」
居間にやってきた僕、
見るとクラリスさんが残りの天使族の羽根を抜いていた、
いま抜いているのはテーマリーのさんだな、そして……
「にゃははは、アタシも手伝ってるよ~」
「アマタツさんまで! 器用なことで」
「この子達はまだ、そこまで出来ないからね~」
コットンネさんの羽根を丁寧に抜くアマタツさん、
抜かれたものはアーバンラミアが持った袋の中へ、
胸に名札が付いているな、ええっとこのラミアは『クサベェ』さんか。
「クサベェさんは、まだ抜けないんだ」
「イタガラレテ、シマイマス」
「加減とか~、細かい指の動かし方ができないからね~、種族的に~」
そうなんだ、
でも訓練すれば出来るようになるのかな、
まあ、こうして袋を持ってくれているだけでもいいや。
「ええっと、じゃあ僕も手伝った方が良いのかな」
「でしたら私をどうぞ!」
「あっはい、ハーミィさんか」
そして袋を持ったアーバンラミアがスタンバイ、
こっちの名前は『ララチ』さんか、一応軽く頭を下げておこう。
(でも、もうみんなアマタツさんの一部なんだよなぁ)
染まった緑色の肌がそれを実感させる。
「じゃあ失礼して……」
「んあんっ、もうちょっとやさしく」
「こ、こう?」「ひゃあっ! もっと早くぅ」「はいはい」
注文が多いな、
身体を震わせて変な声を出している、
いやこれ敏感なだけだよね? まあ、さっさとやろう。
(いっそ、抜きながら会話した方が良い加減になるかも?)
「クラリスさん、他のみんなは、ウチの」
「はい、ニィナ様は存じ上げておりませんがおそらくオークション関係かと、
アンジュちゃんは学校、ヘレンとナスタシアは地下ダンジョンですね」「あっ、出来たんだ」
地下五階まで適当に造った後、
ニィナさんに投げたんだっけな確か。
「やはり地下十階まで」
「そのようですね、ボスはスケルトンアーバンラミアで」
「早速そっちを使ったんだ」「初心者には丁度良いそうです」
じゃあ全体の難易度も下げているんだろうか、
僕のカスタマイズは適当だったからね、うん。
「ということは、ヘレンさんナスタシアさんは確認に」
「はい、手動で宝箱の設置も行っているようです」
「ちなみに中身は」「ステータスを上げる種系ですわ」
あー、うん、いっぱいあるからね。
「あっ、そういえばクラリスさんも昨夜はありがとうございます」
「ベッドでの事でしょうか」「じゃなくって!!」
「ふふ、わかっておりますよ」「ジュタピの、敵のアジトです!」
当初は僕に黙って解決しようとしてくれてたけど、
結果的に僕が行って良かった、ニィナスターライツ結束の勝利かな?
いや何もしていないんだけれどね、それでもニィナさんは褒めてくれたけれども。
「デレス様のためでしたら、私達は本当に何だって致しますから」
「ありがたいです、僕の方こそ、みんなのために……」
「幸せですわよ? デレス様が私達と共に、いらっしゃるだけで」
……そこまで言われると、恥ずかしいな。
「これからも、デレス、ガンバリマス!」
「きちんと、個別のフォローもお忘れなく」
「それはもう」「もちろん、私に対してもですわ?」
うん、昨夜みたいに六人でっていうのも良いけれども、
やっぱり一人一人の方がそれぞれ時間を持てて良いというか、
疲れなくて済む、いや昨夜はその前に天使族があったけれども!
(ますます、そっちの方がタフにされている気がする)
ハーレムの主とはそういうものか、
僕の場合はかけられる回復魔法が凄いので、
精神的な問題も出てくるのだけれども……。
「ひゃんっ!!」
「あっ、ハーミィさんごめんなさい、痛かったですか」
「今のは、痛気持ち良かったですっ!!」
<注:あくまで羽根を抜いているだけです>
誰に注意しているんだ、誰に。
「ええっと、順調に抜いていますが、金色は新しいお布団のためだとして、白は」
「こちらも掛布団、敷布団、枕のセットですわ、金のセットを出しておいて、
さらに白のセットもお付け致します! という流れで」「あー、それは値上がりそう」
そもそも羽根単体だけで相当な価値がありそうだ、
ジュタピで渡した羽根六枚が、子供のお小遣いに思えるくらいに。
(沢山余ったら、僕だけじゃなくウチの実家にも送りたいかも?)
いっそ結婚式の引き出物にするという手もあるか、大きいケド。
アイテム袋に入れちゃえば問題ないかな、そうなるとこの内職みたいなの、毎日続くよね。
(羽根を抜ける天使族を、増やしたかったはずだ、特に金色の。)
「それでクラリスさん、今日は夜まで、この作業ですか?
キカエデのダンスレッスンも少しの時間で良いので、やった方が」
「それもありますが、アンジュちゃんが戻ってきたら人魚島へ」「あっ!!」
そうだそうだ、
あの作業がまだ残っていたんだった!
「今日の夕方で、打ち合わせも出来ておりますわ」
「そうですね、さっさと済ませてしまいましょう」
「あ、あっ、あのっ!」「はい、ハーミィさんも行きたいとか?」
紅潮した顔で僕を見てきた!
「そのっ、立て続けの刺激で、も、漏れそうに……おトイレに」
「あっ、すぐに行ってきて!」「はいいいぃぃぃ……」
うん、さすがにお漏らしで喜ぶ性癖は、無いっ!!!
「にゃはははは~~~」
「アマタツさん、笑わないのっ!!」




