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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 黄金勇者と謎のアサシン
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第496話 さて、言い訳を聞こうとするか。 その後はお楽しみの宝箱があるよ!

「弟クン、大丈夫?」

「ご主人様、間に合いますわよ」


 エンちゃん(エントサキュバス)のツルに助けてもらった直後、

 ウチのサモン最速の速さで飛んできたシル姉ちゃん(シルバーサキュバス)と、

 ナツネェさんを助けた後、再瞬間移動でやったきたヘレンさんに抱きつかれた!


(うん、確かにエンちゃんが間に合わなくてもこれだったら、でも、でも……)


 陸地に戻してもらうと、

 液体金属の上で魔王と幹部が焼かれながら沈み始めている!


「そっ、素材、素材っ!!」

「……魔王や幹部の肉体はもう、じゅうじゅうに焼けておりますが」

「クラリスさん、そうは言ってもほらっ、魔石と、あとイカの眼鏡!」


 魔王のトライデントスピアは無事そうだが。

 ヘレンさんが目配せするとフリージングサキュバスが海を冷やしはじめる、

 エルドラドサキュバスも表面の液体金属に両手着いて、元の海水へと徐々に……手の平は大丈夫なのかアレ。


(その最中バーニングサキュバスが、いかにも熱そうな三又槍と眼鏡を回収してくれている)


 そして目を海から僕を見下ろすサキュバスに戻す。


「シル姉ちゃん顔は、目はもういいの?」

「ええ、弟クンの救助が間に合って良かったわ」


 ちなみに姉ヴァージョンではなくサキュバスヴァージョンだが、

 そんな姿でも僕はシル姉ちゃん呼びをしてしまう、

 うん、もうすっかり僕のお姉ちゃんだからね、お姉ちゃんはお姉ちゃんだ。


「デレス様、落ち着くまで横になられますか?」

「ええっと、その前に」

「そうですね、ヘレン」「はい、旦那様、治癒魔法ですわ」


 クラリスさんではなくヘレンさんにかけさせるという事は、

 かなり強い、最大級の治癒魔法を施したかったのだろう、

 いかにクラリスさんが聖女といえど、回復能力の質で言えば、


 クラリスさん<<<<<ゴッちゃん(ゴッデスサキュバス)=ヘレンさん


 という事になるからね、

 質では無く量で行けばクラリスさんだけれども。

 あと余談だがヒール程度ならフリージングサキュバスとエントサキュバスも……


(まぁそれを言ったら、僕も使えるよっ!!)


 でもやっぱり、

 質の高いヒールは受けていて気持ちが良い。


「……だいぶ楽になりました、ありがとう」

「いえ、旦那様のためですから」

「じゃあせっかくなんで、言い訳を聞こうかな」「はい?」


 ここはちょっと大人げないかも知れないが、

 あれだけ怖い思いをしたんだ、はっきりさせておこう。


「どうして僕の救出が、三人で一番最後になったのかな?」

「それは、一番高く跳び上がっていたのが旦那様でしたので」

「えっ、兎獣人のナツネェさんよりも?」「はい、それに着水はその、サイズ的にタイムラグが」


 つまり身体のちっちゃい僕は着水もその分、

 身長分だけより遅くなるとでも言いたいのだろうか。


(落下速度は同じなはず、だよね? ねっ?!)


「で、でも重要度では僕が一番先では」

「しかし旦那様を最優先にすると、他のおふたりが間に合わない可能性が」

「瞬時にそれを判断したの?!」「はい、それだけの経験は積んでおりますから」


 うーーーん、

 そうなると作戦的にはっていうか、

 実質的、でいいのかな? 言っている事は正しい、はず。


(でもなぁ……)


「あの、デレスさん」

「はい何でしょうモグナミさん」

「皆さんはデレスさんの事を信頼しているのかと」


 とは言ってもアレだ、

 自力で避ける方法は持ってないぞ?!

 フライング装備も飛べる手段も、僕だけ無いし。


(正規メンバーの話ね、ニィナスターライツの)


 まあ確かにエントサキュバスが間に合って、

 そのうえシル姉ちゃんもヘレンさんも間に合って、

 それでも誰も動いてなければダクネスサキュバスが瞬時移動で来るかクラリスさんが何かするか……


「……これ、みんながみんな誰かが僕を助けると思って動かなかったら、死んでたんじゃ」

「旦那様、それは無いです、少なくとも私は確実に助けますわ」

「でも怖い思いをしたしぃ」「……旦那様、ひょっとして私に『お仕置』をしたいのでしょうか?」


 いやいやいや、なぜ発想がそこへ飛ぶ!


「せ、せめて僕の心配を真っ先に」

「救出して最初に声をかけた相手は旦那様、デレス様ですわ」

「そ、そうなの?」「ええ、モグナミさんやジュニーさん、ナツネェさんにお聞きいただければ」


 三人を見るとみんな頷いている、

 ジュニーさんはまだ目をしょぼしょぼさせているけど。


(嘘をついている感じじゃないよね……??)


 そういえば僕の『一度死んでも助かる』スキルって復活しているんだろうか。


「デレス様」

「はいクラリスさん

「そろそろ、そのあたりにしておきましょう、でないと……『わからせ』ますよ?」


 その表情は、

 これ以上ゴネるのは済まされないような怖い笑顔だった。


「は、はいいいいぃぃぃぃ……」

「では宝箱の回収を致しましょう」

「魔石は三体とも抜き取りました」


 いつのまにかポイちゃん(ポイズンサキュバス)が回収したらしい、

 あの焼けた遺体、いや魔物だからいいのか、よくその身体に手を突っ込めたなっていう、

 毒の手だからって多少汚れても構わないって事も無いだろうし……クラリスさんに見せている。


「水魔石(大)がふたつと、水魔石(特大)ですね」

「ええっとこれは」「鑑定水晶にはとても良い素材です」


 まーた白金貨単位で売れそうな物だ、

 いや、これは加工して天大樹(あまたいじゅ)地下に作るダンジョンの、

 冒険者ギルドもどきというか冒険者受付に常設するのも良いかも。


(それだと屋敷じゃなく天大樹(あまたいじゅ)に転移できるな、スクロールで)


 などと言っている間に宝箱を探すものの……


「クラリスさん、陸地部分には無いようです」

「ありがとうモグナミさん、ではヘレン」

「はい、潜れるサキュバスを全て水中へ」


 どぽんどぽんと入って行く、

 フリちゃんにシルちゃんにエンちゃんもそこそこの時間なら良いんだっけ、

 あとはダクちゃんに……あっ、ゴッちゃんも行けるのか、珍しい。


(ところでこれ、深さどのくらいなんだろう)


 などと考えながら待っていると……!!


 ザバァーーーッ!!!


「ありました」「大きいです」「おそらく重いですね」


 そう言って陸上へ巨大宝箱を置く、

 隙間から水とか入ってないと良いけれども……

 開くかな? うん開いた、中は、おおおおお、中はあああああ!!!


「すごい! これはぎっしり詰まった、パンパンに詰まった種だ!!」


 僕の言葉に覗き込むみんな!

 うん、(たね)種類(しゅるい)は様々だけど、

 これだけあればステータス上げ放題だ!!


(またニィナスターライツが強くなってしまううううう!!!)


「デレス様、箱ごとアイテムボックスへ入れますか?」

「あっはいクラリスさん……ってあれ、何か大きいのが埋もれてるっぽい」


 種の山から特に大きな種を取り出す僕、

 こ、こっ、これは、この種はあああああ!!!


「旦那様、それはもしかして」

「うん、もしかしなくても、これは『謎の種』だねっ!」


 天大樹(あまたいじゅ)の二号館が、

 できちゃうううううう?!?!?!

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