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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 黄金勇者と謎のアサシン
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第486話 折れた鉄格子って意外と危ないよね、ここで地味に活躍したサキュバスは……

「うん、とりあえずは大丈夫そうだね」


 地下一階まで戻る間、

 索敵で探ったがおそらく敵は居ない。

 念のためサキュバス達で様子も見たがもう大丈夫だ。


(転移で上へ戻っても良いけど、確認は大切だからね)


「行きは大丈夫でしたが、少々危ないですわね」

「はいクラリスさん、魔物がやったとはいえ折れた鉄格子が突き出してますね」


 慌てて逃げたり敵に弾き飛ばされたら、

 尖った鉄格子の先で身体を貫かれるとかありうる、

 そうでなくてもよろけて目や首に刺さるとかもありそうだ。


「ええっとヘレンさん、これ直せるサキュバス居ますか」

「エルドラドサキュバスですね、ではこの通るのに邪魔なのを」

「わかりましたマスター、元に戻しましょう」


 おお、持って魔力を込めると元の鉄格子に!

 怪力で無理矢理繋げているようにも見えるが腕がほのかに光っているので、

 魔法でやっているのがよくわかる、うん、ここでエルちゃんが地味に活躍だ。


(でもこれ全部にやると時間かかるな)


「では私も」

「あっそうかシル姉ちゃんも」


 きんきらきんサキュバスに擬態するシルバーサキュバス、

 おそらく擬態の熟練レベルが上がって同僚の魔法ならほぼ全部使える勢いだろう、

 待てよ、という事はだ、サキュバスの魔法を全て使えるヘレンさんも……?!


(目が合うと頷いた!)


「ではわたくしも」

「ヘレンさんは軽くで良いですよ」

「はい、軽く素早く直してみせますね」


 こうして三人がかりで危ない鉄格子を直しながら上へ、

 それを壊せるってラミア系ってやっぱり力持ちなんだな、

 ティムして天大樹(あまたいじゅ)の従者にしてしまうのも良いが……


(凶暴過ぎて無理なら他所のラミアを探そう)


 そういやどっかの村で依頼されてたなラミアの調査、

 まあ今はそんな場合じゃない、危なくないように鉄格子を直しつつ、

 石化した看守で頭部が無事なのを回収する、いや頭部だけなのは諦めよう。


「さすがに首から上だけの石像と、首から下だけの石像を合わせるのは無理かなぁ」

「同じ方でしたらぴったりくっつけば可能性はありますが、別人でしたら無理かと」

「旦那様、ひとつの身体にみっつの首をつけるとか、された方が可哀想ですわ」


 いやそこまで考えてないし!

 石化した看守はアイテムボックスには入らないな、

 いや首だけのは試すと入った、つまりこれは、そういう事か。


(石化解除で蘇生できるのは入らない、できないのは入る、と)


 うーん、まさに『ご都合主義』だ。


「エンちゃん、大変そうだけどごめんね」

「いえ、四体くらいでしたら持って運べます」


 エントサキュバスには特に大きな看守を運んでもらう、

 他のサキュバスも……結局、鉄格子を直しながらも地下一階へ戻った頃には、

 七体の看守を持ってくる事ができた、とりあえず看守室らしき所でみんな座って落ち着く。


「両手両足の無いのも連れてきたけど大丈夫かなコレ」

「石化解呪とほぼ同時に治療すれば大丈夫かと」

「さすがに高レベルの治癒魔法までは私でも」


 と最後に済まなさそうに言ったのはシル姉ちゃん、

 きんきらきんのきん状態から僕のお姉ちゃんヴァージョンに変身している。


「お姉ちゃんは今、出来る事だけでいいよ!」

「まあ、弟クンにそう言われると嬉しいわ」

「あのデレスさん、悪いサキュバスに騙されていません?」


 本気で心配する天使族ジョセナさんを睨むヘレンさん!

 僕は慌ててフォローする。


「大丈夫です、こういうプレイを楽しんでいるので」

「はぁ」

「悪の女幹部にイケナイコトされて骨抜きにされるプレイは最高ですよ!」


 あっ、またおかしな空気になるからこれ以上はやめておこう。


「それはともかくクラリスさん、さっそく看守の治療をしますか?」

「いえ、やはり知った方が居る方が良いでしょうからストレーナ様を」

「あっ、もう連れてきますか」「監獄内が安全になったようですので」


 ヘレンさんが立ち上がって転移で行くみたいだ、

 確か瞬間移動の場合は他のサキュバスもついてきちゃうんだっけ、

 まだ熟練度が低いから一足飛びで砦までは行けないからだろう、クラリスさんも立った。


「ではまた途中で石化の魔物に会っても大丈夫なように私も」

「うん、さすがにメデューサラミアがもう一体居るとは考えたくないけど」

「それほど時間はかからないでしょうが、お待ち下さいね」


 そう言ってサキュバス達と一緒に転移していった、

 そして残されたのは僕と淫乱アサシン三人と天使族ジョセナさん。


「凄いですね~瞬間移動!」

「あっ、ジョセナさんは初めて見たんですね」

「はい、ただ似たようなのは天大樹(あまたいじゅ)でもあるそうですよ」


 えっ、どういうこと?!


「似たようなのって」

「若い天大樹(あまたいじゅ)の根を切って、別の若い天大樹(あまたいじゅ)に放り込むと、

 天大樹(あまたいじゅ)同士でどれだけ距離が離れていても行き来できるようになるそうです!」


 へえ、そんな便利な事が。


「じゃあ遠く離れた別の大陸でも」

「そうですね、今は亡きお爺様の話ですと、昼なのに行った先が夜だったとか」

「うん、時差ですね、わかります」「でも私の住んでいた天大樹(あまたいじゅ)は、もう……」


 あっそうか、

 新しいのを作って十人いや十一人ほど住んでる(働かせてる)ってまだ知らないのか。


(もうちょっと教えるのを引っ張ってみよう)


「あのデレスさん」

「はいモグナミさん」

「こんな時ですがご相談を」


 なんだろなんだろ。


「どうしました?」

「私との愛人契約について、話を詰めたいのですが」


 なんで今ここでええええ?!?!


「あーそれですが、ニィナさんに一存します!」

「……そうですか、わかりました」


 うん、とりあえず投げてみた。


「面白そうな話ですねえ、では私も~」

「ナツネェさん?!」


 とかなんとか話しているうちに、

 クラリスさんヘレンさん達がストレーナさん達を連れて来ましたとさ。


「おお、大所帯!」

「ほっほっほ、ワシもおるからのう」

「スフマさんのおかげかぁ」


 護衛も留守番で何人かは残してきたみたいだが、

 一気に大人数を転移させてきた、うん、これでいよいよ石化解呪の準備は整ったな。


「では看守を治しましょう、一番偉そうなこの方から」


 両手両足が無いから心配だが、

 ゴッちゃん(ゴッデスサキュバス)の治癒魔法ならきっと……!!


「ではデレス様」「はいクラリスさん、直後にヘレンさんも、お願いします!」


 みんなが見守る中、

 クラリスさんが杖を掲げて……念じた!!

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