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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 黄金勇者と謎のアサシン
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第475話 エルボー禁止とブロックも禁止

 ヘレンさんの瞬間移動はガス属性ダクネスサキュバスが憶えたての魔法、

 いやスキルだっけ、それを使っているのでまだ跳べる距離は短いものの、

 目視の範囲を連続すればそれほど苦なく例の港まで、豪華帆船まで転移できる。


(ちなみに転移魔方陣の方は難なく使えるよ!)


 ただ僕とヘレンさん、ナスタシアさんとナタイラちゃんライリアちゃんの姫姉妹、

 この五人を同時に瞬間移動されられるだけで魔力的には凄いのはわかる、

 もちろん僕のスキルで倍増しているのもあるのだけれど、組んでなくても出来るはず。


(などと考えている内に到着だ)


 船上、樽に囲まれているエリアへ飛んだのは、

 おそらくここが安全地帯というか来ても人にぶつからないように区切ってあるのだろう、

 出るとそこに居たのは船長さんではなく、意外な人物だった。


「あれっ、モグナミさんどうしたんですか」

「……今日はお休みなので、風にあたりに」


 あるんだお休み!!


「そうですか、てっきり助っ人かと」

「今日は見学です、いえ、休みなので見物と言った方が良いでしょうか」

「じゃ、じゃあこちらへ」


 なぜだかよくわからないが、

 いかにもバカンスといったゆったりチェアーに座って貰う、

 こんなのあったんだ、まあ、あんな休憩室があるくらいの船だし。


「おう、やっとこさ来たか」

「船長さん! 今日もよろしくお願いします」

「準備は良いのか?」「あっ、しないといけませんね」


 海面を覗くと静かだ、

 ただ人魚の影は見えるので中で待機しているっぽい。


「ええっとサリナミさーん、って族長さん居るのかな」


 しばらくすると顔だけ出してきた!


「はーーーい」

「狩りを始めます、海中の作業をお願いしますね」

「それは良いのですが、お昼ご飯をくださーい」


 あっそうか、先払いが必要か。


(人魚族も大食なんだろうか)


 一気に人魚の影が増えたものの、

 族長さん以外は顔を出さない、何を警戒してるんだろ?


「ええっとヘレンさん、何かあったんでしょうか」

「はい、アンジュ様のせいですね、多少、悪戯が過ぎまして」

「な、何をやったの?!」


 会話しながらサキュバス八体を出すヘレンさん、

 あっ、シル姉ちゃんだ、その姿で働いてくれるのか。


「先日、天大樹(あまたいじゅ)の実を九つだけ出して見せて、

 沢山の人魚族に『たたかえー、うばいあうのだー』と……」

「うっわ、エグい事をするなあ」「結果、エルボー合戦になってしまって」


 それで同じような事が起きると思って、

 けん制しあっているのか、可哀想に……


「じゃあ怪我とかしてるんじゃ」

「治療しました」「あっ、ゴッちゃん(ゴッデスサキュバス)が」「はい」

「ちょっと酷いね、よし、僕が謝ってみるよ」


 僕は今朝貰ったばかりの実を沢山出す、

 サキュバス八体に二十個づつ持たせて……

 僕とナスタシアさんもだから合計二百個だ。


「えー、この間はウチのアンジュがすみません、

 今回は足りなくないように二百個、天大樹(あまたいじゅ)の実を投げます!」


 一気に顔が次々と浮かび上がった!


「奪い合いはしないで下さい、エルボー禁止です、あとブロックも禁止です、

 二個取っちゃった方はまだ取ってない人に渡してあげて下さい、平和に行きましょう」

「「「「「はーーーーーい」」」」」


 うん、表情からして喜んでいる、

 相変わらずギザギザの歯が怖いけれど……


「では行きますよ、せーの……」


 みんなで一斉に投げ入れると大繁盛の海水浴場みたいになった!


(うちの地元、ブラヌシアタのビーチでもここまでは無いぞ……)


 そしてウマウマと食べている、

 族長さん偉いな、今回の狩りに関係なさそうな子供にまであげてる、

 うん、みんなちゃんと怪我なく終わったみたいだ、前払い終了、っと。


「あっ、今日は海底のタンク役は」

「エントサキュバスですね、水中でもある程度なら息ができます」

「そうなんだ」「いざとなったらアイテムを」


 イワモトさんがそんなのくれたな、

 うん、ドボンと潜って行った、そして僕の隣にはシル姉ちゃんが。


「お姉ちゃん、僕のアシストしてくれるの?」

「ええ、デレスちゃんのお手伝いをしてあげる」

「ありがとう、お姉ちゃんだいすきー!」


 と抱きついてみる。


(あああああナスタシアさんが爪を噛んでるうううう!!!!)


「あの旦那様、今ここでするべき事では無いのかもしれませんが」

「あっごめん、『実姉といちゃつくプレイ』は控えるよ」

「いえ、そういう意味では無く、私は召喚できるサモン全ての魔法、スキルを使えます、ということは」


 ええっと、そのおかげでゴッデスサキュバスの超治癒魔法、蘇生魔法も使えるって事だよね、

 あと攻撃魔法も、だから雷系を中心に範囲魔法での狩りにこれから活躍してもらうのだけれど……


(ヘレンさんの視線はシル姉ちゃんだ、って、もしかして……?!)


「あっ、ひょっとしてヘレンさんも擬態、変身を」

「今、ここで試してみても」

「うん良いよ、あっ船長さん、船を出して下さい!」「おうよ」


 短い時間の移動中なら、

 こういった遊びもまあ良いよね?


「では……」


 ヘレンさんが無詠唱で念じると、

 姿が変わって僕の女性版、というよりは、こ、これは……!!


「……いかがでしょうか」


 シルバーサキュバスは身体のサイズ的に『僕の実姉』という感じの変身だったが、

 身体が大きくてふくよかなヘレンさんが変身したその姿は、僕にとっては、そう、まさに……!!


「ママー!」

「まあ! デレスちゃん、貴方のママですわよ」


 思わず抱きついてしまった!!


(実姉プレイに続いて、実母プレイまで出来てしまううううう!!!)


 などという事をしているうちにさっさと湾口へ到着しましたとさ。


「あっ、ナスタシアさん、指輪は大丈夫ですよね」

「はい、指輪は大丈夫です、指輪は」


 でも爪が……!!


(さ、さささっとナスタシアさんのレベルを上げようっと)


「じゃ、始めまーーーす」

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