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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 黄金勇者と謎のアサシン
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第453話 いよいよ僕の実家へと行きますが手土産は何にしましょう?

「待たせたな、クラリスもすぐ来る」

「あっニィナさん、お綺麗な……さすがは公爵令嬢」

「いや、これでもまだ控えめだ、婚前の挨拶その前交渉だからな」


 ええっと、結婚前の挨拶、さらにその前の交渉……?!


(婚前交渉じゃないよ!)


 それはまた別の意味になっちゃうからね、

 とっくに済ませているし。


「いろいろと交渉しないといけないのですか」

「ああ、私もデレスも貴族を捨てて冒険者になった身とはいえ、

 形としては公爵家の娘が伯爵家の養子とはいえ息子を貰い受けるのだからな」


 貴族のややこしい部分が出てきたけど、

 ニィナさんとしてはそこをはっきりしておきたいというか、

 今後、何があっても問題のないように綺麗にしておきたい部分なのだろう。


(極端な話、駆け落ちでも良いのに!)


「準備が整いましたわ」

「クラリスさんも! ええっと、じゃあメンバーはこれで」

「はい、あくまでも今回は挨拶、しかも結婚の挨拶の、その前の挨拶ですから」


 ニィナさんと同じようなことを言っているな、

 まあ一言で現すなら『様子見』もしくは『探り』といった所か。


(ウチの貴族って、アヴァカーネ伯爵家ってそんなに権力とかないんだけどなぁ)


 しかも国どころか大陸も違うし。


「さてデレス、私が先ほど『ニィナスターライツ』のリーダーとして話した内容の残りでもあるのだが……」

「あっ、待って下さいその前に、ナスタシアさんとカミーラさんが護衛でついて来たいそうです」

「誰の護衛だ」「もちろんデレスご主人様の」「デレスさんっす、さんです、デレスさん様ですっすす」


 カミーラさん、語尾めっちゃくちゃになってる。


(首輪絞められるの警戒してるし!)


ちなみに、ちゃんと護衛っぽい服装に着替えて来ています。


「……出しゃばらないならまあ良い、ただ行動は私に従え、良いな?」

「ありがとうございます!」「デレスさんを護らせていただくっす」「それも含めて随時、私が指示する」


 この感じだと何かに使い道があるのかな、

 もしくはこういう護衛がついているくらい偉くなったって見せるとか、

 このあたり、ニィナさんが何を考えているか僕にはわからないけれども。


(あんまり大して考えてなかったりして!)


「では私の用件を話して良いか」

「はいニィナさん、お願いします」

「今回は挨拶前の挨拶だ、そこで先方に挨拶時の手土産を窺おうと思う」


 あーはいはいはい、

 結婚するにあたっての贈り物ね、

 この場合、公爵家が伯爵家から婿を貰うそのお返しというか。


(このあたり、先方の意向も聞いて何を贈れば良いか打ち合わせの必要がある)


 それが今回、これから行ってする事だ。


「デレスとしては何が良いと思う?」

「ええっと、なんでしょうね、アヴァカーネ家が欲しがる物……やっぱりイリオン義兄さんの……でも僕が……」

「だな、私も同じ考えだ、デレスを貰うお礼として、エリクサーを渡そうと思う」


 命の対価きたーーー!!!


「……正直、それって国家間レベルの贈答品では」

「私にとってはそれだけの価値だ、これでも安いくらいだ」

「ま、まあ確かに喜ぶは喜ぶでしょうね」


 前の僕が送ったエリクサーでイリオン兄さんの命が助かったんだから、

 今度はアヴァカーネ家のために使えるエリクサーを送る感じ、うん、国王に贈れば爵位が上がるな。


「あの、よろしいでしょうかっ」「どうしたクラリス」

「私も何か用意した方が、それこそ女神教に預けた杖を」

「クラリスは気にするな、これは貴族間の話、そして正妻の務めだ」


 あっ、そうなんだ、そうだよね、

 別に無理してクラリスさんまで、何か贈ったりまでする必要は無い、

 それだとアンジュちゃんとか、いったい何を出してくるかわからなくて怖いし。


「という訳でエリクサーを渡す、それで良いな?」

「んーーー……『ニィナスターライツ』全体の物ですよね?」

「なんだ、私個人の物でないといけないのであれば、調整してどうとでもするが」


 いや、そういう事じゃなく。


「パーティーのアイテムなら、同意を得るのは僕だけじゃなくアンジュちゃんヘレンさんナスタシアさんも」

「私は異存はありませんわ」「あっ、クラリスさんもです」

「わかった、後で事後承諾をして貰っておこう」「あっはい、なら、まあ」


 という訳で実家にまたエリクサーをもう一本、渡す事になっちゃった。


(なんていうか、僕の価値が一本分のエリクサーになったみたいでちょっと複雑な心境になるけど)


 いやいや、あくまでも『贈答品』だからね、

 たっかいたっかーい手土産だけれども、ええ。


「では行こうか」

「わかりました、でも今回は挨拶前挨拶だとしても、まったくの手ぶらという訳では」

「茶菓子として、これを手渡すつもりだ」


 と言ってニィナさんがアイテムボックスから出したのは……!!


「って高級 最中(サイチュー)じゃないですかー!!」


 まだ余ってたんだコレ。


(じゃあ僕は『シャマニース大陸に行ってきましたクッキー』を出そうっと)


「よし、手土産の件はこれで終わりだ、他に無いならデレス、頼む」

「あっそうか、行けるのは僕だけですからね」


 居間の空いている場所で転移スクロールを掲げて、

 ニィナさんクラリスさんナスタシアさんカミーラさんを範囲に入れて……


「いざ、僕の故郷、ミリシタン大陸はナムシア国、ブラヌシアタへ!!」

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