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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 黄金勇者と謎のアサシン
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第445話 奴隷解放第二弾とそれぞれの歓喜

「コモモと天大樹(あまたいじゅ)の実のソルベでございます」


 お料理勇者シティエさんが正規メンバーにわざわざ自ら給仕してくれる、

 天使族もヨダレを垂らしそうになりながら他のメンバーに配る、うん、美味しそうなデザートだ。


「あっ、ニィナさんそういえば、人魚族の族長さんは」

「サリナミなら夕食前にヘレンが港まで送ったぞ、一緒に羽根が普通の天使族も、

 解体した魚を持って運んでな、今は皆で食べているはずだ、いやもう喰い終わった頃だな」


 よくよく考えれば天使族と人魚族の遭遇か、

 まさかとは思うけどお互い喰いあったりしないよね?

 少なくとも餌 (えさっていうな)をあげている内は大丈夫だと思う。


(亜人であって魔物じゃない、はずだけどまだ信頼はし切れないなぁ)


 餌付けしているから安心って訳じゃないのは天使族で経験済みだ。


「……ふう、美味であったな」

「はい、ホエール肉って草食の僕でも意外と行けました」


 ただ、さすがにちょっと濃過ぎたかな、

 だからデザートのソルベはありがたかった。


「さて、皆も落ち着いたようなのでここで発表しよう」


 ニィナさんが皆を見回す。


(あ、ナスタシアさんが勘付いたのか、少し震えている?)


「七大魔王そのふたつ目の討伐に直接貢献した奴隷は、解放とする!」


 この中だとアマリちゃん、ナタイラちゃん、そしてナスタシアさんだ。


「クラリス、良いな?」

「はい、状況を考えれば、構わないかと」


 ……これはアレだな、

 アマリちゃんもナスタシアさんも僕を慕ってくれている、

 あとナタイラちゃんは正規メンバーになりたがっていたからね。


(裏切らない三人ってことか)


「アンジュも良いな?」

「うまいことやるねー」


 ……上手いことって?!

 あっそうか、アマリちゃんはまだお爺さんのジュマジさんが奴隷のまま、

 ナタイラちゃんは姉妹で喜んでいるけど妹のライリアちゃんが奴隷のままだ。


(ある意味、人質を確保してるからって意味かな)


 アンジュちゃんが本当にそこまで考えてるかどうかは、不明。


「ヘレンも問題は無いな?」

「はい、そして今後についても、おのおのが決めれば良いかと」


 ……この状況で祖父や妹を置いて逃げるとかあるのかな?

 ナスタシアさんが『それでは失礼します』って去ったら僕は多分、泣く。


「最後にデレス」

「あっはい」

「異論は無いな?」


 ニィナさんの決定だからね。


「ちょっと早い気もしますが」

「帝国のもう片方を倒してからか、確かにそう考えていた時期はあったが」

「でもまあ、全体の士気を上げるには良いのかな、と」


 他の奴隷勇者や残りのでろでろエクスタシーにやる気を出して貰わないと。


「よしモグナミ、書類と水晶を」

「はい、ただいま」


 あっ、商業ギルドも担当しているからね、

 奴隷解放も普通に手続きできるんだ、これは便利。


(ウチのパーティーに入ったら、どういう扱いになるんだろうか)


 色々とゴチャゴチャしたのち、

 まずはアマリちゃんの方へ、あれ、クラリスさんも一緒だ、

 そしてモグナミさんの持つ水晶に小さな手をかざさせながらクラリスさんが魔法を……


「……これで『隷属の首輪』は解除ですわ」


 やっていいんだクラリスさん!

 モグナミさん公認だから良いんだろうな、

 知らない間に奴隷商の免許取ったとか聞いてないし。


(むしろ免許があるのはモグナミさんか)


「わーい、首がすっきりたよー!」

「おうアマリ、これで……これでアマリは自由じゃ」

「次はお爺ちゃんの番だよー、アマリがんばるねー」


 あっそうか、

 アマリちゃんが頑張って稼いで買い戻すって手もあるのか。


(渡してある装備を売って、とか嫌だぞ)


 まあ僕らの許可が無いと不可能だから安心か。

 そういや二人が奴隷落ちした理由と言うかそのあたり聞いたっけ?

 村が水害で流されて生きていけなくなってとかなんとかだった記憶が。


「次はナタイラだ」

「姫、姫っ、ううっ」

「嬉しいっす、今夜はデレス様に滅茶苦茶にされても構わないっす」


 ……おっかさんはともかく、

 カミーラさんの言葉はスルーしておこう。


「ライリア、お先にごめんね」

「姉様、順番ですよね、順番ですから」


 その『順番』は自分で手に入れるものなんだけどね。


「……はい、外しましたわ」


 抱き合って喜ぶ姫姉妹、

 これでナタイラちゃんは自由だけど、

 一人じゃどこへも行けないというか、むしろ危険だ。


(敗戦国で売られた姫だからね、むしろ僕らが護らないと)


「あの、ニィナ様、これで私も正規メンバーに」

「それはまだ早い、だが積極的に育てて行こう」


 んー、ライリアちゃんも育てて揃えるとかは無いのか、

 アマリちゃんも育てたいし、これ、妖精の指輪がふたつ要るな。


「最後にナスタシア」

「はいっ! あぁ、とうとう私も……」


 元十二勇者仲間の奴隷三人もやってきた、

 いや今も仲間といえば仲間なのだけれども。


「ナスタシア様、確認です、奴隷解放後は」

「はいクラリス御主人様、一生、デレス御主人様のお傍で、仕えさせていただきますっ」


 そしてついに解放、

 これで僕のハーレムに奴隷は居なくなった。


(奴隷でハーレムとか、顔をニチャアってしなきゃいけないイメージがあるからね)


 これでナスタシアさんもお仲間と喜び合う、

 かと思いきや、真っ先に僕に抱きついてきた!!


「デレスご主人様!!!」

「い、いやもう奴隷じゃないから主人じゃないし」

「いえ、旦那様は主人です、ですからこれからも、デレスご主人様ですっ!!」


 ……なんだろう、

 なんだかわからない罪悪感がちょっと沸く。


(他の、奴隷のままの元十二勇者は普通に祝福してくれているみたいだ)


 そしてニィナさんがシメの言葉に入る。


「大きく武勲を立てた奴隷はこうして解放する、解放後も活躍を期待しているぞ」


 うん、こうやってニィナスターライツ一派は強くなっていくのか、さすがニィナさん。


(奴隷にもチャンスがあるって事が、はっきりして良かった)


 これで頑張ってくれるのは良いけれど、

 死人だけは出したくないから、そこは僕も気を付けよう。


「さて、私はまだ少し手続きがある」

「あっ、モグナミさんと」

「そうだ、ちなみにそれが終わればモグナミは商業ギルドに寄ってから、娼館へ出勤だそうだ」


 いやなに、わざわざその情報を!


「……場所を教えておきましょうか」

「いやモグナミさん、とりあえずお疲れ様でした」

「ではデレスは風呂へ」「娼館にもお風呂はありますよ」「だーかーらー」


 クラリスさんが手でモグナミさんを制する。


「こういうのは、こっそり行くのが興奮するそうですわ」

「い、いやいやいやいや」


 ……完全に否定できない僕が居る。


(解放奴隷のみんなはまだ歓喜しているな)


 うん、今のうちにニィナさんの言葉に甘えて、一番風呂に入ろう。


(あっ、天使族が余ったソルベに群がってるぅ!!)

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