表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 黄金勇者と謎のアサシン
382/878

第375話 人が行った所へ行ける、という事は

 ニィナ城へ徒歩で行ってナスタシアさんと合流した僕ら、

 アンジュちゃんに次どこで待ち合わせとか言ってないのでここに残ろうかという話に。


「お茶、ご苦労」


 勇者道場出身の奴隷女勇者ふたりがメイド業に勤しんでいる、

 ビッグマムの教育の賜物だろう、このまま仕えさせるのも悪くないかも。


「それにしてもニィナさん、本当にミリシタン大陸まで行けちゃいました」

「ああ、ただやはり時差がな、向こうの昼に行くにはこちらの夜でなければならない」

「しっかり準備しないと寝不足になりそうですね」


 ほんっと、どこまでも遠くへ行けそうだ。


「デレス様、転移スクロールの凄まじい所は『誰でも使える』という所ですわ」

「うん、アンジュちゃんの生まれ故郷みたいな場所も出てきたし……あとは」

「デレス、私の行った事のある『チャンミオ』までデレス達を連れて行けるようだ」


 と、いう事はだ。


「今まで会った人の中で、シャマニース大陸出身の人とかいましたね」

「ホゥクラ氏か」「いやその、こっちの、帝国の冒険者ギルドとかに」

「ふむ、確かに居たな、ザザムの夫婦がそうではなかったか」「それだ!!」


 でもあそこって、

 あの大陸って最大都市ムンサン以外は危険なんじゃなかったっけ。


「旦那様、シャマニース大陸出身という事は、当然、ムンサンも通っているかと」

「あっそうか、第二都市のカッホだっけ、そこも登録できるかも、

 ってこの理論だと僕もミリシタン大陸の行ける街、全部連れて行かないとまずいかな」


 まあそれは時間のある時に。


「よしデレス、今度はもっと危険そうだが行ってみるか」

「まずは状況を聞かないと、行くにしてもまずはザザムですよね」

「さっきのメンバーで良いな、ナスタシアは引き続き留守を頼む」「はいっ」


 という事でお茶を飲み干して今度はザザムへ、

 やはりこのあたり閑散としているが人がまったく居ない訳では無い。


(入ると小っちゃい子が受付にいるだけだ)


 ニィナさんが近寄るとビクッとしている。


「失礼、貴女がギルマスの妹か」

「えっとはい、ニッチと申します」


 えっとどっちだっけ、って両方ギルマスか。


「アムァイ殿かハズッキ殿は」

「お姉ちゃんはお買い物、アムァイさんは経理の手伝いですね」

「手伝いという事は」「モグナミさんと一緒に、経理の部屋へ」


 あー、これ中で何してるかわからないや。


「ところでニッチ殿はシャマニース大陸出身であったな」

「はい、コガタンというドーム都市です」

「ドーム?!」「あのあたりは巨大なサキュバスやインキュバスが多いので防壁が必要に」


 しかも普通の壁じゃ空から来るからドーム型なのか。


「ふむ、大きいのか」

「魔物ですよね、一番小さなサイズで普通の二倍程度でしょうか、子供は別にして」

「今でもその街は健在か」「そうですね、パパやママはまだ住んでいるので何かあれば連絡が来るはずです」


 うん、ニッチさんまったくの普通の女の子だ、

 まさに『妹に店番をさせている』といった感じの普通さだな。


「その街は『転移を阻害させる』とか、そのような魔法で護られているという話は」

「ええーっと、私はそういう専門的な話は、さっぱり」

「そうか、ではアムァイ殿に聞こう、経理の部屋はどこだ」「こちらです」


 あっ、普通に奥へ案内されちゃう!

 いいのか、良い子が見ても良いシーンなのか?!


「アムァイさーん、お客様でーす」


 ニッチちゃんがノックも無く部屋を開けると……!!


「やあ御嬢さん達」

「仕事中済まない、急ぎでは無いのだが少し聞きたい事があってな」


 良かったーーー普通に仕事してた、

 モグナミさんも真面目に計算している。


(真っ最中だったらどうしようかと、いやさすがにそれは無いか)


 変な心配して損した。


「実はこういうアイテムがあってだな……」


 黙々と経理をするモグナミさんを横目に、

 いや前かがみになると胸で書類を破きそうだな、

 そんな事はさて置いて、でもあれを楽しむって力が要るよな、ってそんな雑念は捨てて!!


(何をどう楽しむか言ってないから、セーフ!!)


 て何を怖がっているんだ僕は、何を。


「……という訳でシャマニース大陸へ転移したいのだが」

「驚いたな、それが本当なら是非、一枚見せて欲しい」

「誤って使った時、戻れるように二枚渡そう」


 まじまじと見ている。


「本当だ、第一都市ムンサン、第二都市カッホ、第三都市コガタン、

 冒険者ギルドが無いはずのアンテカまであるぞ、だがあそこは単なる冒険者拠点のはずだが」

「おそらく冒険者ギルドのような施設があればそれに反応するようだ」


 仮設でも良かったからね。


「使っても良いのか、貴重なアイテムだろう」

「無限では無いが複数ある、いや結構ある」

「そうか、家族が揃ってからで良いか」「ああ」


 そういえば我が別荘はどうなっているんだろう。


「モグナミさん、別荘街は大丈夫ですか?」

「……敵が多くなっております、例の大きなハエもいつのまにか羽根が生えて復活しています」

「再生能力凄いですね、ちゃんとトドメを刺しておくべきでした」


 やっぱ我が軍最強の、アンジュちゃんが必要か。


「ただいまー」

「ハズッキ、丁度良い所に帰ってきた、里帰りだ」

「えっアナタ、急に?!」「一瞬で行けて一瞬で戻ってこられる、土産を用意しよう」


 ……クソダサ熊さんシャツかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ