第369話 ルゾイさんの対抗意識とそれ相応の素材集め
「ほうほう、どれもこれも恐ろしい装備やアイテムだぞい」
精神をなんとか落ち着かせた僕は、
届いたアイテムを約束通りルゾイさんに見せるため、
リザード村の鍛冶屋へとみんなでやってきた、アンジュちゃんはまだだけどね。
「ルゾイ殿、参考になるか」
「決して壊しはしないので、二時間程度で良いから預からせて欲しいぞい」
「わかった信頼しよう」
これで壊されたらベルセルクソードでここを半壊させられそうだ。
「あっ、アッギーさん!」
「ありがとう、ここで寝泊まりする事になった」
「それは良かった、でもいつでもクラリス城も使ってね」
ある程度、成果を出せるようになったら奴隷も開放してあげないとね。
「ふむ、二時間か、何をしようか」
「おっと、暇ならアイテムを取ってきて欲しいぞい」
「どこでだ」「アイテムアンジョンだぞい」
あーまだ攻略してないヤツだ。
「何か良いアイテムでも」
「下の方は様々だぞい、こっちで加工して良い物にするぞい」
そっか、ルゾイさんがドワーフに対抗して装備やアイテムを造ろうにも、
その元となる物がなければはじまらないよな、現にマリウさんには色々と送ったし。
「わかった、では昼食の時間あたりまで潜ってこよう」
「期待しているぞい」
アンジュちゃんが居ないので転移スクロールでダンジョン入口へ。
「デレス憶えているか、前回は五階の入口が封鎖されていたな」
「はい、帝国民しか入れない、破ったら十二勇者がなんちゃら」
そのうち一人が今ここに奴隷で居るけれども!
「冒険者ギルドで、ライタニーにも聞いたのだが金を稼ぐなら地下八階まで、
九階以降は当たり外れが激しいアイテムばかりで帝国民にも不人気だったそうだ」
「それってどんなアイテムが」「わからん、本当に何が出るか、まちまちらしい」
時間も無い事だしとサクサク降りて行く、
五階への階段に見張りや門番みたいなのはもういなくなってる、
そのかわりに普通の冒険者が多い多い、みんな魔石やそれを売ってのお金目的なのだろうか。
(深い方は経験値もそこそこありそう)
もちろん素早さがエグいナスタシアさんとかが攻撃しだせば、
他の冒険者を出し抜けるがこんな浅い階で揉めたくはないと、
さらに階を降りて行く、そして九階へ降りる階段前の広場で立ち止まる僕ら。
「よしヘレン、もう良いだろう」
「はい、では」
さすがにもう他の冒険者の迷惑にならないだろうと、
サキュバス八体を召喚する、あっ、シルバーサキュバスがお姉ちゃんなままだ!!
「シル姉ちゃ~~ん!!」
「あらあら、まあまあ」
「デレス! ふむ、今夜のお仕置は『敵の女幹部は実のお姉ちゃんだったプレイ』だな」「えぇ……」
なんて会話はさておき、
地下九階へ移動すると八階のダイヤゴーレムやクリスタルゴーレムと違い、
異質な感じの、派手な色のゴーレムが出て来た、ええっとこれ、びっくり箱?!
「なんなんですかこのパンドラゴーレムとかいうのは」
「ふむ、まずは倒してみよう」
ニィナさんがベルセルクソードで叩くがびくともしない。
「えっと確か、ここを突くんです」
ナスタシアさんがプリンセスソードで敵の角というか肩というか、
箱のつなぎ目みたいな所を刺すと効いたみたいで後ろによろけた。
「なるほど、コツはわかった」
たった一回の攻撃で学習したニィナさん、
パンドラゴーレムの出っ張った部分をベルセルクソードの刃で上手く削るように斬ると、
五、六回目くらいで箱がバラバラになるように崩れた、中は土魔石だけか。
「まあ、外れですわね」
「クラリス、魔法は効くか試してみてくれ、ヘレンはどうだ」
「やはりエルドラドサキュバスですと難なく腕が貫通しますわ」
すげえ、土魔石を握って出してきた、
まるで心臓をえぐって取り出すみたいな。
「よし、魔石以外のアイテムが出たら教えてくれ」
「あっニィナさん、ラグジュアリーゴーレムですって」
こうして皆で狩り続けた結果、
宝箱も含め出て来た魔石以外のアイテムは……
・ひょっとこのお面
・ジンギスカンの鍋
・でっかく「塩」と書かれたボディプレート
・卑猥に動く棒
・飛び出す絵本
・当日限定スタミナドリンク
・ア●マ水(ストラップ付き)
・針が飛び出しうなじに刺さるタイプの小型麻酔銃
・ふたり用ビート板
・九歳用白ビキニ
・親父の腰蓑
・素数表
・魔法少女の杖
・サメの着ぐるみ
・中心がのど飴のお弁当(自称キャラ弁)
・差すのが恥ずかしい傘
・上●す●れの写真集
・たか●し智●のセクシー写真集
アイテム名はわかってもよくわからないのが多いな、
ひょっとこだのジンギスカンだの、イワモトさんならわかるかな、
あと最後の二冊はニィナさんに速攻で回収されたけど何だったんだろう?
「さあ時間だ」「えっボスがまだ」「ここはアイテムの宝庫だ、無理に潰す必要はあるまい」
地上へ戻るのに面倒くさいから転移スクロールを使う、
十万枚あるから気にしなくて良さそうだが一枚でも貴重すぎるアイテムだと思うと、
こんな風に簡単に消費してしまう事に少し抵抗があるんだよな。
「あっ、『差すのが恥ずかしい傘』とかいうの試していいですか?」
「ああ、これだな」
開いてみると……!!
「例のクソダサ熊ちゃん柄だーー!!」
速攻で閉じた。
(さあ、一応アイテムはいっぱい確保した、使えそうなのをルゾイさんに渡そう)




