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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 黄金勇者と謎のアサシン
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第284話 ナスタシアさんとあらためてデートとお話

 遅い朝、朝食をホテルで終えてニィナ城へ戻るとメイド長、

 ビッグマムことセーラさん(横に娘のシカーダちゃん付き)から意外なお言葉が。


「ニィナ様は外出中です、冒険者ギルドと商業ギルドですね」

「そうなんだ、わざわざ行かなくてもコレで呼び出せるんじゃなかったっけ」


 と危うく高級娼婦を呼ぶベルを鳴らしそうになった、

 あぶないあぶない。


(落ち着いたらまた三、四人こっそり呼ぼう)


「何でも『仕度と受け取り』との事ですが、詳しい話は」

「そっか、後は」

「クラリス様はペロちゃんと女神教、アンジュ様は学校へ」


 あれ? 闘技大会前日だから休みみたいなこと言ってなかったっけ?

 だとするとシューサーくんと鍛錬かな、早めに切り上げて明日に備えて欲しいけど。


(そうだ、第三の、第四か? とにかく新しい幻術師を誘いに行かなきゃ)


 とはいえ転移できるアンジュちゃんが居ないか、

 夕方からでもギリ間に合えば良いが……という事で今日はだ。


「セーラさん、ナスタシアさんは?」

「他の勇者の皆さんと裏庭で特訓中ですね」

「わかりました行ってきます」「では私も」


 とヘレンさんも一緒に池に接した裏庭へ、

 ここシュッコ東地区Sエリアの巨大湖は、

 住民みんなの共有物という事で全ての屋敷と面している。


(遠くで釣りをしているお爺さんが居るな)


 住むとわかるが隠居した冒険者も多い、

 などと思いながら僕らの敷地内で剣の鍛錬をする奴隷勇者たち、

 勇者奴隷三人とアサシン勇者奴隷、なんとも贅沢な奴隷たちである。


「ナスタシアさん!」

「デレスご主人様、お待ちしておりました、今日ですよね」

「うん、ナスタシアさんは闘技大会、出ないんだよね」「その予定ですが」


 じゃあ、あくまでつきあってあげてるのか、やさしい。


「これから僕とデートだから、つきあってもらえるかな」

「わかりました、すぐ仕度して参ります」

「ナスタシア、これを預けます、デート中はこれを」


 と言ってヘレンさんが懐から出したものは、

 アンジュちゃんが持っていたスーパーなんとかデスデリカ人形だ!

 状態異常や即死攻撃をほぼ防ぐという……渡す際に背中が押されてしまった。


『ア○マス学園って脱衣麻雀よね?! FA○ZAでやれるかな~??』


 言っている事は毎回わからないが、効果は抜群である。


「それ、アンジュちゃんから借りてたんだ」

「はい、奴隷の身なので何があるかわからないから貸すようにと、クラリス様が」

「チェーンがついてないって事は取り外しできるのか……それでお守りみたいにして持ってたんだ」


 ひょっとしたら昨日、幻術師の爺さんに何か魔法をかけられそうになった時、

 実はすでに無詠唱で掛けられていたけどこの人形の効果で弾いていた可能性もあるのかも。


「ありがとうございますヘレン先輩、確かにお預かり致します」


(先輩って!)


 まあ奴隷の先輩ではある。


「では着替えて参ります」


 ニィナ城へと入って行ったナスタシアさん、

 ええっと後はどうしよう、あっそうだ!


「ヘレンさん、サキュバスを出して三人の練習に付き合ってあげられないかな」

「かしこまりましたご主人様、身のこなしの練習にはなるでしょう」


 サキュバスの素早さに対抗できれば、

 並大抵の勇者の攻撃は当たらないはずだ。


(早速出して……ってシルバーサキュバスはナスタシアさんそっくりに!)


 さすがにプリンセスソードは使えないだろうけど、

 この状態で普通の剣をふるうとどうなるんだろう?

 見てみたいけれど……僕は今日はナスタシアさんとデートだ。


「じゃ、後は任せました、ヘレンさんお願いね」

「お任せ下さい、ご主人様」


(昨夜あれだけ愛し合ったから、何だか機嫌が良さそうだな、うん)


 ニィナ城内部に戻ると褐色奴隷の下っ端僧侶が掃除してる、

 闘技大会には出ない組かな、そもそも僧侶部門ってあるんだろうか、

 確か参加者向けパンフレット貰ったはずだけれど、まあいいや今はナスタシアさん待ちだ。


「あっ、シカーダちゃん」

「はい、ご主人様っ!」

「シカーダちゃんは闘技大会、冒険者だったとしても出られないか」


 確か職業が『蟹もぎ師』だからね、

 同じ職業の人が見つかって、並んで蟹もぎ対決とか見てみたい気はするけど。


「冒険者になったら、拳闘士をやりたいです!」

「あっそうなんだ、お母さんとよく相談して決めてね」

「はい、もし勝ったら、デートして下さいっ!」「はは、考えておくよ」


 その頃には身長抜かされてるかな、

 いや、もうすでに抜かされていそうとか言わない!

 とまあ色々としているうちに……


「お待たせいたしました、デレスご主人様」

「ナ、ナスタシアさん……」


 やってきた勇者アサシン奴隷は、

 奴隷の首輪以外、どこぞのお嬢様みたいだった。


(ええっと、貴族の出じゃないって、言っていたよな……??)


「どう、なさいましたでしょうか」

「いえその、つい、見惚れてしまって」

「まあ、嬉しいです、さあ、参りましょう、時間がもったいないので」


 こうして僕とナスタシアさんの、

 デートとお話、おしゃべりが始まったのだった。


「えっとじゃあ、まずはどこへ行きましょう」

「その、あまり豪華な所は……」

「うーーーん、じゃあとりあえず、あそこかな……??」

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