表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 黄金勇者と謎のアサシン
268/878

第261話 帝都冒険者ギルドとニィナさんの決断

 道すがら、お城の個室であった事をそれぞれ報告した。


「……という事でわかってないんですよね、筋肉質な、でかいだけの女性を並べれば喜ばれると思ってて」

「ふむ、それはデレスにとっては胸焼けするような話だな」

「まさにそうです、脂っこい料理を出せば喜ぶだろう? みたいな押しつけがムッとしました」


 草食系なめんなっていう、いやむしろ僕が草食系だから舐められたとか?

 あれなら以前、シフリンで誘ってきた危険の匂いがプンプンする、

 ばかでかい女魔法使いの方がよっぽど……っていけないいけない、アレは思い出しては毒だ。


「私の場合はもっと悪質だったな」

「ニィナさんの所へはどんなのが」

「少年が沢山押しかけてきて『好きにして良い』と……ふざけるなと怒鳴ってしまった」


 あーそりゃそうだ、

 ある意味、随分と荒っぽい事するなあ、

 いや少年を送り込んできた方の話ね。


「思いっきり犯罪じゃないですか」

「もちろん『好きにして良い』としか告げられていないゆえ、受け取り方によるのだが」

「そのあたり計算してですか、にしてもニィナさんを見くびってますね」


 こういう犯罪的な事はちゃんとストッパーがかかるお方だ、

 元騎士団員だし、そのあたりはちゃんとしている、うん、越えちゃいけない一線については。


「何より気に食わないのが少年の目が死んでいた」

「うわぁ……そんなの生贄じゃないですか」

「私は未成年の少年を無理矢理どうこうするような悪趣味なぞ持ち合わせてはおらぬ」


 ……未成年じゃなければ良いのですか、

 ってちょっと思ったけど口に出すと怖い事になるからやめておこう、

 あくまでも1被害者の感想ですが。


(8割無理矢理だったよねアレ……)


 あらためて再確認しても仕方がないか。

 続いてちょっと歩く速度を落としてクラリスさんの隣りへ。


「クラリスさんはどうだったんですか?」

「はい、いかにもかっこいい美形の男性が複数人来て、

 女神教の信徒だと、一緒に布教と冒険者活動をしませんかと」

「うわー、っていうか僕といいクラリスさんといい、引き抜き工作ですか」


 ニィナスターライツの味方じゃないのかよ帝国は!

 分断させてまで欲しい戦力という事なのだろうか。


「おそらく、私達をどうしたいのか意志疎通ができていないのかと」

「うーん、落としてしまえば後はどうとでも、もしくは芋づる式に、みたいな?」

「ただ、罠にしてもピントがずれていますね」「わかります、わかります」


 ニィナさんも頷いている。


「アンジュちゃんは?」

「パパとママがきたよー」

「えっ、アンジュちゃんの?!」


 死んだんじゃなかったのか?!?!


「新しい、パパとママだってー」

「あっ、そういう」

「ふたりで育ててくれるってー、変だよねー、もう育ってるのにー」


 学校は行き直しているけどね。


「アンジュ、その新しいパパとママはどうだった」

「きみがわるいー」


 そりゃそうだ、

 聞いたニィナさんも納得顔だ。


「ヘレンとナスタシアはどうだった、半ば拘束されていたように感じたが」

「はい、私は帝国民の扱いになったので、借金を帝国が肩代わりして奴隷解放すると」

「一方的な話だな、こちらには何の相談も無しにだぞ」


 でも国の法律っていうのを前に出されるとやっかいだな、

 帝国民の奴隷は帝国がいつでも買い上げられますよ、みたいな話か。


「私の奴隷を解放できるのはニィナスターライツの御主人様だけです」

「ふむ、帝国に借金をしては事実上、帝国の奴隷にされるようなものだからな」

「私は、私としてはデレス様を信じていますから」


 なんか愛が思い発言が出たような。


「ナスタシアは」

「同じような話です、勝手に『全てを元に戻す事も可能』と言われました」

「その話にナスタシアが乗ったとして、どうするつもりなのだろうな」


 絶対ろくでもない事になる、

 考えられるのは一方的な、強引な力技だろう。


「ニィナ御主人様やデレスご主人様たちを裏切るような真似はできません」

「良い心がけだが、本当にそれで良いのか?」

「……正解がどうかはわかりませんが、自分の行動に責任は持ちたいです」


 真面目だなぁ、

 これだと奴隷解放したらどうなるか逆に興味が湧いてくる。


「よしわかった、帝都が、ここがどういう所か、よーくわかった」

「わかっちゃいましたか、まあ僕も同意です」

「わたくしもですわ」っていうかがっこー」


 ということでニィナさんの記憶を頼りに、

 無事に冒険者ギルドへと到着したのであった。


「お待ちしておりましたわ!」


 入っていきなりウェルカム状態のストレーナさんだ。


「ギルマスはどこだ」

「本日はお休みです、よって今日は私めが」

「そうか、では早速、転移魔方陣の設置場所を教えてくれ」


 連れて行かれたのは地下、しかもこれ地下二階か。


「まずはこちらに設置をば」

「クラリス、アンジュ、頼む」

「かしこまりましたわ」「あいーあい」


 丁寧な作業で転移魔方陣を造る、

 もう慣れたものだな、僕も微力ながら円の作成を手伝う、

 ちなみにヘレンさんは大人しくついてきている猿八匹の世話をしている。


(忘れてないよティムモンスター、キッドナップモンキーていうんだよ!)


「……よし、後は確認作業だ」

「これだけではありませんわね? 第二都市、第三都市、第四都市用の転移魔方陣も……」

「慌てるな、こういうのは少しのミスも許されない」


 クラリスさんが点検している、

 それぞれ魔方陣、行先によって微妙に違うからね。


「この後、ギルマスルームで落ちあわせですわ、

 明日からこちらママムーの、七大魔王のダンジョンについてまず説明を……」

「そのような事まで決まっているのか」

「スケジュールはみっちり組んであります!」


 ストレーナさんいつからニィナスターライツのマネージャーになったんだよ……


「もういけるよーたぶん」

「そうかアンジュご苦労、クラリスも」

「アスリクへ飛べるはずですわ」


 さささささっとみんなで転移魔方陣へ入る、

 もちろんティムモンス八匹もだ、ストレーナさんは陣の外。


「アンジュ、頼む」

「あいあいあー」


 転移魔方陣が光って僕らはアスリクへと飛ぶ!

 あ、ストレーナさん黙って見てる、うん、ついてこなくてよかった。


「……よし、消すぞ」

「ですよねー」


 さささっと飛んできた転移魔方陣を足で乱す、

 後で敷き直すにしてもとりあえず使用不可にできればいいや。


(空気を読んでかクラリスさんヘレンさんも手伝う、あ、猿八匹まで!)


 こうしてとりあえずは幻術師が居てもこちらへは来られなくなった。


「よし、ニィナスターライツのリーダーとして決定する、今日から五日間、休みにしよう!」


 思わず拍手する僕、続いてみんなも。


(正直、向こうの、帝国のペースなんて、知ったことか!!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ