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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 黄金勇者と謎のアサシン
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第244話 うさぎしっぽとお城の名前

「うわあ、これは爽快ですねえ」


 昼食を領主邸で食べ終えた後、

 冒険者ギルドでさあ再び行ってくるとなった時、

 アサシンバニーガールのナツネェさんが見学したいと言ってついてきた。


(まあおそらく味方だろうし)


 妖精の指輪で経験が全てナスタシアさんに行くという話も納得してもらい、

 一緒に死のダンジョンへ来たのだが、一階二階とクラリスさんの範囲魔法で

 瞬時にシャドウが滅して行くのを見て、お尻を、いやしっぽをふりふりしている。


(き、気になる……)


 兎獣人のしっぽにちょっと触りたい誘惑が、

 ていうかこの人、戦う時もバニーガールスーツなのか、

 まあそれを言ったらニィナさんもビキニアーマーだし。


「ナツネェ、我がパーティに入っているとはいえ無理に手を出さないで欲しい」

「はい、わかりました!」


 ただやはりアサシンらしい身のこなしだ、

 身体もちょっと、なんていうか、丸い部分はもちっとしているというか。


(いやいや、僕に獣人趣味は無い! ……はずっ)


 そうこうして進んでいるとナツネェさんから話を聞いてきた。


「ちらっと耳に入ったのですが、アスリクのお城を貰ったって本当ですか?!」

「ああ、ちょっと依頼をこなしてな、その引き換えにだ」

「すごーい! それでお城の名前は何にするのですか?!」


 こう話している間もシッポに夢中な僕、

 急に掴んだら怒られるだろうけど、うう、触ってみたあい!!


「そういえば決めてなかったな、皆で案を持ち寄ろう、クラリスはどう思う」

「はい、ニィナ城はすでにありますから、次はデレス城でしょうか」

「えっ、僕?!」


 縁もゆかりも無いのに、

 ってそれを言ったらニィナさんもか。


「だそうだが、デレスはそうだ」

「あっはい、うーん、やはりここはナスタシア城で」

「奴隷だぞ」


 ナスタシアさんも困惑気味の表情だ。


「でもナスタシアさんの御両親は喜ぶかと、ねえ」

「はあ、まあ、その……」

「奴隷で無ければな」


 とニィナさんがおそらく想いを代弁した。


「ええっと、じゃあヘレンさんは」

「私もデレス城で良いと思います」

「でもなあ、リッコ姉ちゃんに見つかりそう」


 勝手に入り込んでくつろいでいる、まである。


「ふむ、後はアンジュに聞くか」

「どうせアンジュちゃんは『ちくわ大明神城』とか言うでしょう」

「あれは一体、何なのだ」


 ニィナさんも困惑してくれてたみたいだ、

 地下三階に下りながらクラリスさんも反応する。


「おそらく新しく覚えた幻術師魔法の影響ですわ」

「いくつか役に立たないのを覚えていたな」

「その中に『ミステリーシグナル』というのがありましたわ、おそらくそれかと」


 確か謎の言葉を受信できる魔法で、

 最初の内はわけがわからない言葉だが、

 魔法の熟練度が上がると意味のある言葉になるとかなんとか。


(試しに受信したら最初に『ゆめがひろがりんぐ』とか言ってたなぁ)


 そうこうしてさらに四階に下りる最中、

 ふいにナツネェさんが振り向いて僕を見る!


「私のしっぽ、そんなに気になりますか?」

「えっ、その、見てたのばれてました?!」


 みんなが一斉に僕を見る。


「デレス、なぜばれないと思う」

「あそこまで熱い視線、わたくしも浴びてみたいです」

「御主人様、宿か城でシルバーサキュバスに変身させますので今はダンジョンに集中を」

「デレスご主人様にそういう御趣味があったのでしたら、私、その、そういう道具を……」

「あーーーごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」


 しっぽが悪いんだからな!!


「ふふ、やっぱり可愛い勇者さんですね♪」


 なんか急にぴょんぴょんし始めたぞナツネェさん。


「よし、このあたりから始めるか」


 そのニィナさんの合図でヘレンさんが鞭を握り、

 シルバーサキュバスがシャドウ体に変身し、

 シャドウサキュバスはゼリー体から元のガス体に戻った。


「今日は二体の前衛でシャドウを倒すため、ガス魔石が沢山取れるだろう」


 そして倒して行くと本当に取れる取れる、

 ホゥクラさんの方法とはおそらく違うだろうけれど、

 シャドウ六体か七体を倒すとひとつは落としてくれる。


「ふむ、確かシャドウは一定のグループでの共同体であったな」

「はい、そのグループ最後の一体が魔石を落とすと考えられます」

「そしてシャドウによる攻撃でない限り、魔石は壊れてしまう、いや、消えてしまう、霧散してしまうと」


 ナツネェさんがなるほどといった感じで頷いている、

 でもこれ彼女のパーティー『ぴょんぴょんするんぢゃああああ』が、

 真似しようとして出来るのであろうか?


「すみませんナツネェさん」

「はい可愛らしい勇者さま」

「聞いた所で参考になります?」


 屈んで頭を撫でてくれる、子供扱いか!


「ヒントにはなりますよー」

「そ、それなら良かったです」

「ふふ、かわいい♪」


(こんな所でどきどきさせないでー!!)


 こうして地下五階、

 さらには未知なる地下六階へと足を踏み入れたのであった。


(うう、兎獣人の世界にも足を踏み入れそうで、怖い!)


「デレス」

「はいニィナさん」

「……まあ、帰ってからだな」


 ひいいいいいい!!!

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