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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 黄金勇者と謎のアサシン
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第243話 育つ奴隷と予想通りの召喚

「おめでとうございます、ナスタシアさんはレベル38になられました!」


 勇者専用受付のボーイッシュ受付嬢に祝福される、

 後ろではバニーガールアサシンも拍手してくれていて和気藹々だ。


(26から一気に12も上がるとか凄まじいよ)


「まずレベル30で勇者魔法『リターントゥソード』これは剣を落とした時や投げた剣が、

 唱えると手元へと戻ってくる魔法です、剣の達人と呼ばれる勇者には必須と言われています! イェイ!」


 そんな『やったね!』的なアクションされても、

 レベル50で消えるかもしれないと思うと素直に喜べない僕が居る。


「そしてレベル35で勇者スキル『プレミアムラッキー』これはアイテムドロップ率が、

 個人やパーティーによって少し上がるという少しラッキーなスキルとなります、

 元から幸運な方はもっと幸運に、そうで無い方はそれなりに上がるようですよ!」


(結局どの位なんだよっ!)


「これにより勇者D級からC級へと上がる試験を受ける権利が発生致しました、どうします?」

「ええっと」


 ナスタシアさんがニィナさんを見る。


「試験くらい簡単だろう、受けよう」

「はい、では、それで」

「かしこまりました、試験官はこちらで御用意致します」


 と受付嬢が見たのは後ろのバニーアサシンだった。


(まあ大丈夫かな)


「続きましてヘレンさん」

「は、はいっ」


 ふいに呼ばれた、僕もびっくり。


「サモンの熟練度がLv8に上がっております、

 同時に八体召喚できるようになりました!」

「あっ、ありがとうございますっ」


 おお、これだと例のサキュバスを召喚できるかも?!


「ティムの方もLv4まで上がっておりますね、

 同時に四体まで操れます、合計十二! 大所帯にできますね」

「はい、その、頑張ってみます」


 これはケルピー三頭をずっと操っていたおかげか、

 わざわざここのメインダンジョン内にまで連れて行ったのは、

 無駄になったと思ってたけど、結果的に良かったのかも。

 

「最後にリーダーのニィナ様、クエスト達成の報酬があります」

「何の報酬だ?」

「ここの、アスリク領主の奥様からエリクサーもしくは領主様の治療依頼がずっと出ておりまして」


 そんなのあったんだ、気付かなかった。


「例の城か」

「その話は伺っておりますが、お預かりしております紙幣の方も」

「白金貨で頼む」「かしこまりました」


 こうして僕らは白金貨二十枚を手にした。


(エリクサーの対価だったら安いけど魔法だからね)


「以上です、それと夜には帝都ギルドからストレーナという方が……」

「わかってる、まあ話くらいはしてやる」

「お願い致しますね、以上となります」


 外国人用ギルドで帝国用ギルドの要人に会えって

 こうして正式に言われるようになったあたり、

 もう仲は悪くなくなるって事かな、だといいな。


「さて、昼食はどうする」


 冒険者ギルドを出てすぐ、僕に聞かれた。


「じゃ、お城へ行きましょうか、アスリクの」

「うむ、行けば用意してくれるだろう、がその前にヘレン」

「はいっ、御主人様」「これを」


 ガス魔石を渡した、

 ついにアレを召喚するのか。

 

「どこで召喚致しますか」

「そうだな、ここは人通りが多いしな」


 ギルドに戻って屋上とか?

 と思って見上げると奴隷勇者ライタニーが吊るされて外から壁を掃除している。


(小型ドラゴンとか乗せてもらえないんだ)


 うちのサキュバスに抱えさせれば、いやそんな義理は無いし、

 そもそもだったらサキュバスにやらせるよ、やらないけれど。


「ニィナさん、お城って庭くらいありますよね」

「外も中庭もあったな、そこで召喚してみるか」


 さっそく戻ると荷物はかなり運び出されていた。


(あーこれ食事の材料とか、料理道具とかまだ出されてないよね?)


 執事エディマさんが僕らを見つけた。


「これはこれはお帰りなさいませ」

「うむ、冒険者ギルドで報酬の金を貰ってきた、良いのか」

「ええ、あれでは本来なら足りないとワテクシも自覚しております」


 お城と両方貰って良いらしい。


「庭を借りる、その間に昼食の準備を頼む」

「御意でございます」


 中庭は優雅にお茶でも飲める感じになっていて悪くない。


「さあヘレン」

「はい、では早速」


 ガス魔石を使って無詠唱でサモンの魔法をかけると、

 現れたのはやはり予想通り、想定通りのサキュバスだった!


「ふむ、デレスどうだ」

「はい、やっぱり見ての通り、シャドウサキュバスでした」


 クラリスさんが心配そうに触る。


「……これに我々が触れて吸い込まれるという事は」


 ヘレンさんが鞭を握ると、

 シャドウサキュバスはやさしくクラリスさんを持ち上げた!

 最終的にお姫様抱っこという形に落ち着いた。


「シャドウの意志で吸収せず普通に触る事も可能なようです」


 ヘレンさんそんなことまでわかるんだ。


「では飛んで運ばせる事が出来るのか、良かった」

「ただ、このガス体のサキュバスですと……」


 表情が暗くなるヘレンさん。


「どうした?何が問題だ?」


 ニィナさんの問に間をおいて答える。


「夜にデレス様を満足させられるサキュバスにはならないかと」

「いや、そこはいいからー!」


(そこを重要な基準にしないで!)


「とりあえずこれでまたガス魔石の入手確率が上がるな」

「あっそうか、シルバーサキュバスの変身と合せて二体になりますからね」


 いまだ抱えられたままのクラリスさんはシャドウに取り込まれる気配は無く、

 むしろヘレンさんの指示でそのまま少し空中に浮いたくらいだ。


「シャドウサキュバスが使える事はよくわかった、ただ色気が無いな」

「試してみます」


 ヘレンさんのその声ののち鞭をぎゅっと握り念じると、

 クラリスさんを降ろしたシャドウサキュバスの黒いガス体が

 濃くなり、顔や身体の輪郭がはっきりし始め、真っ黒なサキュバスとなった。


(黒い、黒すぎる、でもこれは『実体化』と言って良い!)


 クラリスさんが触るとぷにぷに、硬めのスライムみたい。


「もうガス体ではありませんわ」

「なるほど、ヘレン、こういうこともできるのか」

「はい、上級召喚魔法だからかもしれません」


 見ると『シャドウサキュバス(ゼリー体)』ってなってる。


「ナスタシアはどう思う」


 新入りに話を振ってあげるニィナさん、やさしい。


「そうですね、ブラックスライムサキュバス、といった感じでしょうか、これならばきっと……」

「きっとなんだ」

「デレスご主人様を喜ばせる事も、できるのではないかと」


(だーかーらー!!)


「ふむ、今から試すか」

「今はやめて!!」


 お腹空いたし。

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