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【ついに完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 黄金勇者と謎のアサシン
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第237話 ニィナスターライツの新メンバーとなりました

「……という訳で僕はこのモバーマス大陸に来たんだ」


 朝、事後トークという訳ではないが僕はナスタシアさんに、

 僕が産まれてから寝取られてこの大陸に来るまでの長話をした、

 一生懸命親身に聞いてくれるナスタシアさんが、すごく愛おしく思えた。


「その、大変辛い思いをされたのですね」

「う、うん、まあ、でももう平気だよ、みんなが居るから」

「それでどうしてもひとつ、お聞きしたい事があるのですが」


 何だろう今更?


「はいどうぞ」

「どうしてデレスさんは、その元婚約者、リッコという方に、引っ叩かれたのですか?」

「やっぱそこかぁー」


 はいはいと頷くまわりのニィナさんクラリスさん、

 アンジュちゃんは空中でまだ寝ててヘレンさんは床で寝てたのが目を擦っている。


「デレスはこういう男だ、だから私達で護ってやらねばならない」

「それでナスタシア、デレス様のこのお話を聞いて、どう思いましたか?」


 あいかわらずクラリスさんは奴隷には呼び捨てか、

 まあ結構年上だから当然なんだろうけれども。


「そうですね、他にも言いたい事はありますが、そのリッコや仲間の目的に、

 もう気が付いていますか? それならば話は早いのですが」

「目的、ですか?」

「はい、そもそもなぜデレスさんと婚約したのに……」


 ここでニィナさんが止める。


「デレスは気付いていない、私も教えようか迷ったが、

 これはデレス自身で気が付くべきだと今は思っている」

「そうですか、デレスさん、でしたら私の言える事はひとつです」


 ちなみに『デレスさん』呼びは最中に僕が希望した事だったりする。


「何でしょうか」

「……そのリッコという元婚約者に、そしてデレスフライヤーズに、『ざまぁ』しましょう」

「ざ、ざまぁするって、どういう」


 僕をきゅっと抱きしめてくれるナスタシアさん、年下なのに!


「きっとそのリッコ、デレスフライヤーズは私達の前に現れます、

 その時に、めいっぱい幸せなハーレムを見せつけるのです!!」

「う、うん、その、気持ちはわかるけど、その、あの」


 僕がドギマギしているのを見て、

 引っぺがして胸元に収めるニィナさん。


「どうしたデレス」

「その、ニィナさんが、昔の婚約者の事は、忘れろ、と」

「確かにそう言ったな、奴らが会いに来たらとぼけるか」


 違う、そうじゃないんだ。


「……怖いんです、多分、実際にリッコ姉ちゃんが来て、

 僕の手を引いて『さあデレス、帰るわよ』って言われたら……」

「抵抗無く行ってしまいそうと言う訳か」

「はい、もうそれは僕に刷り込まれてしまったものだから」


 さすがにこれはニィナさんもクラリスさんも、

 そしてヘレンさんも難しそうな顔をしている、

 アンジュちゃんは鼻ちょうちんだ、ふわふわちょっとぶつかりそう。


「よし、私達に任せろ」

「そうですわデレス様、デレス様には指一本、触れさせませんわ」

「う、うん、僕も断りたい、けど、けど……」


 実際、目の前にリッコ姉ちゃんが来たら、どうなるんだろう?

 捨てられた、追放された、だから僕はイチからやり直してポーターになった、

 結果、勇者ポーターという中途半端な制度を使う事になって、しかもまだ勇者でもあるって……


「……僕、いっそ、ニィナさんの奴隷になろうかな」


 その言葉にニィナさんが平手を振り上げる!


(あっ、頬を叩かれる! ……当然か)


 目を閉じ歯を食いしばると、

 直後、そっと撫でられた、そしてチュッと……


「驚かせて済まない、目を開けてくれ」

「は、はいっ」


 やさしい顔だ……。


「デレスは私のものだ、奴隷なんかにしなくてもな」

「はっ、はい」

「そしてクラリスの、アンジュのものでもある」


 その言葉にようやく目を開いたアンジュちゃん、

 首をかしげてる、うん、今は状況がわからないのだろう。


「もちろん私達はデレスのものでもあるのだが、

 私たちは絶対にデレスを奪われたりしない、絶対にだ」

「はい、僕も、離れたくは無いです」

「では早く七大魔王を倒して、さっさと式を上げよう」


 クラリスさんも僕の頬にキスを。


「我慢できなくなったらいつでも、明日にでも式を上げましょう」

「うんそうだよね、何も七大魔王を倒してからってルールは無い」

「デレス様、愛していますわ、元婚約者が近づいたら、杖でぶってさしあげますわ」


 まさかの物理。


「デレスくーん、どっか行っても転移で連れ戻すよー」

「アンジュちゃん、ありがとう」

「それでー、ダブルクラスなんだってー」


 えっ? と思ったらナスタシアさんの方へ。


「わ、私の個人初期スキルの事だと思います」

「そうなんだ、アンジュちゃん、それは後で」


 次はヘレンさんの方へ、

いつのまにか眼鏡を装着していた。


「その、ヘレンさん」

「はい」

「結婚する時は、その前にヘレンさんを奴隷から解放します」

「ご主人様……!!」

「そのうえであらためて、プロポーズします、良いですね?」


 涙をぼろぼろこぼしている。


「はっ、はいいっっ、よろしくお願いします」


(これで逃げられたら大笑いだな)


 きゅっと抱きしめるとおでこにキスしてくれた、

 いや身長差! 僕はベッドなのに床に座ってるヘレンさんのが高いって!


(気を取り直して、っと)


「という事でナスタシアさん」

「はいっ!」

「そんな感じのパーティーですが、ついてきてくれますか?」

「もちろんです、その、決闘の時に見惚れてしまって、素敵だなって」

「あは、ははははは」


 さすがにまだハーレムに入れるどうこうは早いかな。


「それで、やはり、『ざまぁ』は、しましょう」

「う、うん、約束できるかどうかは、わからないけれど」

「約束して下さい」「えっ」「約束ですっ!」


 押しが強いな僕より年下なのに。


(これが勇者の資質だとしたら、僕とは大違いだ)


 小指を出されたのでつい、僕も小指を絡ませる。


(リッコ姉ちゃんとはこういうのやらなかったなあ)


 完全に上下関係が出来上がっていたから、

 リッコ姉ちゃんの命令は絶対だった、そう、何もかも。


(……追放されるのも)


 ここで僕の肩に手をかけるニィナさん。


「よし決まりだ、そいつらが来たら皆で『ざまぁ』をしてやろう」

「そうですわ、私達の旅は、たった今から『ざまぁ』系ですわ」


 クラリスさんまで、わけのわからない事を。


「わかったよ、みんな、ありがとう」

「それでーデレスくん、ボク、読んでいーい?」

「あ、ナスタシアさんの初期スキルね、いいよ」


 ダブルクラスって、何だろう???

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