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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第180話 魔王のドロップと恒例のお約束

「それじゃあ行ってきます」


 みんなに見送られてまずは西冒険者ギルドへ瞬間移動、

 この時間は人が少ないってこともあるが丁寧にサブギルマスルームへ案内された。


「おーう、ドラゴン便の準備は整ったぜい」

「助かる、それだけ急いでいるのだな」

「中型は用意できなかったので小型四匹だ、まあ見ればわっかーる」


 個別に乗るのかな?


「ドラゴン場で良いのだな」

「だぜい、あとビーストシュータの素材だが、魔石以外のめぼしい物はみっつだ」


 ガネスさんがアイテムボックスに手を突っ込む、

 そして最初に出てきたものにアンジュちゃんが感嘆の声を上げた!


「あああああ!!!」

「特大の美味しい種だ、さぞかし美味しいだろうぜい」


 うん、確かに『美味しい種(特大)』と出ている、

 でもこれってビーストシュータが盛大に燃えたから美味しい種になったのであって、

 焼かずに倒してたらきっと凄く能力が上がる種だったんだろうな、と思うと少し惜しい。


「たべたいたべたいたべたいたべたい」

「アンジュ落ち着け」

「はいはいアンジュちゃん、種は逃げませんからねー」


 一応アイテムボックスへしまうニィナさんと

 アンジュちゃんを抑えるクラリスさん、あの大きさなら割ってみんなで食べたいな。


「続いてこれだ、黒焦げのしっぽだ」


 香ばしい匂いがしてくる、

 あれだ、これは薬の材料になりそうな感じ。


「ふむ、アンジュ、鑑定してくれ」

「あい……『ビーストシュータの尻尾、魔力全回復薬の材料になる貴重なアイテム、粉にしてポーションに混ぜても使える』だって」

「なるほど、この大きさなら百本分は造れそうだな」


 アンジュちゃんの魔力キャンディと同じようなものか、

 だとしたらオークションで売っても良いな。


「最後はこれだ」

「甲羅か」

「ああ、焦げは全部落とした、綺麗に磨いてあるぜい」


 ビーストシュータの甲羅だ、でかくて分厚い、

 盾にも鎧にも加工できそうだけれど、そこまでの技量がある鍛冶屋といえば……

 いや駄目だ、真っ先にあのドワーフの姫が思い浮かぶ!


「デレス、この甲羅だが」

「オークションに出しますか!」

「……デレスがそう言うなら、そうするが」


 ニィナさん盾使うタイプじゃないし。

 いや、鎧にしてニィナさんに着せれば完璧な気も!


「ニィナさんは鎧にしたいですか?」

「ああ、完璧な硬さだ、熱もよほど長く炎を受けなければ通さないだろう」

「うーーーーん」


 やはり僕の身体を犠牲にするしか……??


「良い情報があるぜい」

「あ、ガネスさん! どうぞどうぞ」

「ムームー帝国には鎧専門の職人が居るらしいぜい」

「本当ですか?!」

「ああ、どんな硬い素材でも大きささえあれば鎧にしてくれるらいいぜい、方法は秘密らしいがなー!」


 それだー!!


「ニィナさん、その人にお願いしましょう」

「だな」

「詳しい話はあっちのギルドで聞いてくれーい」


 これでもう用事は終わりかな。


「お、そうだ、上級勇者になったーんだったな、ニィナとデレスは冒険者カード更新だ」

「わざわざか」

「こっちの便宜上だ、交換してくれい」


 金ピカなカードを渡してくれる、

 なんだか凄いな、遠くからでも目立ちそうだ。


「それとデレスの上級勇者秘匿申請、もう登録されてるぜい」

「あ、ありがとうございます」

「東のミリシタン大陸にもすぐに伝わるだろう、ま、そそそそういうことだ」


 僕とニィナさんは旧カードを渡す、

 ちょっと愛着あったけど、前に進もう。


「では勇者ポーターとしての運搬作業、任せたぜーい」

「はいっ、行ってきます」

「ついでにこれをあちらの冒険者ギルドに頼まぁ」


 分厚く大きな封筒だ、中は書類ぎっしりな感じ。


「重いですね」

「くれぐーれもあっちのサブギルマスには渡すなよ、ギルマスに直接手渡しで頼む」

「あーわかりました、行ってきます」

「そんじゃ、無事で帰ってきてくれい」


 ガネスさんにしばしの別れを告げサブギルマス部屋を出る。


「では行こうか」

「ニィナさん、その前に……アンジュちゃん、ヘレンさんと最初に会った平原へ」

「あー……あいあい」


 場所を思い出した感じのあと、みんなで転移。


「デレス、ここは」

「はい、僕が倍、強くなったらしいのでその確認も兼ねて」

「そうか、望む所だ」


 ライト魔法であたりを照らし、

 さあ、いざ尋常に勝負といこう。


「クラリス、審判を頼む」

「わかりましたわ」


 まずはプリンセスソードを取り出して構えるニィナさん、

 僕もプライドソードで対峙する、さあ、今の互いの実力差は……?!


「では……はじめ!!」



 結果……



「すみませんニィナさん僕の19勝1敗ですね」

「はぁ、はぁ……おいデレス」

「なんですか、ベルセルクソードを突いて立ってるのがやっとじゃないですか」

「私の1勝、わっ、わざと、負けたなっ?!」

「いやとんでもない、10戦したあと武器を互いにベルセルクソードとアダマンタイトソードに換えたじゃないですか、

 それでその、まだ組み合わせというか戦い方がしっくりこなくて、たまたまというか僕の普通の負けです」


 ニィナさん相手に必死でやらない訳がない。


「くそっ、殺せ! いっそここで、この場で……」

「ふっふっふっふ、殺すより残酷な事をして、女として殺してやりますよ」


 と例によってくっ殺寸劇に付き合う、

 いかにも悪党っぽくニヒルに笑ってみせた僕。


「さあ、次は私ですわ」

「クラリスさん、それは」

「ふふ、クリスタルエンジェルスタッフですわ、これほどの杖ならば武器としても」


 魔王クラスにしか使わないんじゃなかったのか……?!


「さあ、勝負ですわ」


(今度の審判はヘレンさんか、よし、油断せずに勝とう!)


 結果……


「ううう、全敗ですわ」

「そりゃあ杖なら、ねえ」


 でも結構危なかった。


「うううう、私の身体は女神様に捧げた身、そんな私の服を破こうだなんて!」

「いやいやそこまでする気は」


 ていうかこれ、される気満々だな。


「次はボク、だよ」


 闇のオーラをまとったアンジュちゃん登場である。


「ええっと、まずは転移無しで」

「あーい」


(……即死攻撃とか、さすがにしないよね?!)


 結果はいかに!

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