表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
182/866

第179話 しばしのお別れと残された者の仕事

「という事で、まずはニィナスターライツ正規メンバー五人、

 ムームー帝国へ行ってきます、そこで出国できない人を助けるミッションを」


 僕はお城の大広間に集めた全員に説明する、

 全体のリーダーであるニィナさんには、でーんと構えてもらわないとね。


「それで106名全員を一気に、という訳にはおそらくいきません、

 まずは優先順位の高い6名、できればさらに11名を助け出します、

 一応、冒険者ギルドの全面バックアップですが場合によってはその人達をこちらで保護する可能性もあります」

「例の部屋かい?」


 と答えたのはでろでろエクスタシーのおっかさんことバラカさん、

 なんだかんだで居残り組のリーダーを引き受けてくれた、だってバウワーさん嫌がるし。


「はい、あそこに転移魔方陣を設置したので、くれぐれも入らないで下さいね、

 発動できるのはアンジュちゃんだけですから、皆さんだけで行き来はできませんよ」


 あと実は保険でもう一か所作ってあるのは黙っておこう。


「それで私たちはどうすればいいのよ、いえ、どうすれば」


 挙手しながら言い直したカミーラさん、

 最近奴隷である事を忘れがちだからね、良いことだ。


「前も言った通りメイド仕事です、お掃除得意でしょう?」

「お掃除ふ、いたたたた」

「な、なぜですか」「やめてあげてください!」


 僕が隷属の首輪を絞めたのを

 慌てて止めようとする姫姉妹。


「いや、いまとんでもない下品な事を言いそうだったから」

「デレス、判断が早いな」

「もうこの女剣士さんの逆セクハラには慣れましたから」


 良い子には聞かせられない事を言おうとしたのは速攻でわかった。


「あとはダンジョンで強くなって下さい」

「しかし魔王が倒されちまったっていうからねえ」

「あーバラカさん、確かに魔王が倒されてダンジョンは大人しくなりますが、

 それまで湧いていた魔物が消滅する訳ではありません、むしろ弱くなって狩り頃です」

「そうなのかい?」

「はい、ですからむしろ深い階で魔物の奪い合いのようなことに」


 それもしばらくの間だけどね、

 僕を助けてくれたイビルウィザードたち、ちゃんと隠れててくれよ。


「あ、そうだ! 今度、闘技大会があります、皆さんそれに出てみませんか」

「まあアタシたちは奴隷だからねえ、命令とあれば」

「いいですよねニィナさん」

「……暇つぶしにはなるだろう、我々が見に行くかどうかは別にしてな」

「という訳です、名を売ったり稼いだりできるチャンスですよ!」


 って一応貰ったチラシを見る、

 参加料取られるのか、でもまあ大した額ではない、

 優勝賞金は結構な量の金貨だが彼女達が自分を買い戻せる額には程遠い。


(それでもやる気は出させてあげたいな)


「すみませんご主人様」

「はいカミーラさん」

「勝てば他にご褒美はありま……ひっ」


 つい『ご褒美』の言葉に手をかざしてしまった、

 さすがに何でもかんでも下ネタと思うのは可哀想か。


「そうですね、考えておきます」

「よろしくお願いします!!」


 休暇を、とか思ったけどこの人たちもう普段から隙あらばサボってるからね、

 でもこれで少なくとも闘技大会の練習くらいはしてくれるだろう。


「バウワーさん、ケルピーの世話を引き続きお願いしますね」

「あいわかった」


 奴隷じゃなくなってもしっかりテイマーとしての仕事はしてくれている、

 逆に言うとそれ以上はしてくれないけれど、年齢的に仕方がないのかも。


「セーラさん、シカーダちゃん、僕らが戻るまでペロちゃんをお願いします」

「お任せ下さい」「頑張ります」「……みゃあ」

「ペロちゃんも、しばらく会えないけど困った事があったらセーラさんを頼ってね」


 と、ここでひとつひらめく。


「ニィナさん、でろでろエクスタシーの主人登録にセーラさんを」

「おおそうだな、誰も奴隷の首を絞める者がいなくなるのはまずい」

「えっとSランク特権かなんかで商業ギルドの人を呼べるんでしたっけ」


 そう、東Sエリア住民は、特に冒険者はお気軽にギルド職員を呼べるらしい、

 ちなみに娼館自体はこの区域には無いが、好きなエリアの娼婦を好きに呼び寄せる事ができるとか。


(そういやルエナさん、Sランクになったら売り込みに来るって言ってたなあ)


 彼女の稼ぎならSエリアに住めるだろうに、

 いっそこのお城に住まわせるかな、ってそれはそれでお金取られそう。


「デレス様、このお城には備え付けで『魔法の呼び鈴』がありますわ」

「えっなにそれ」

「何でも色に応じて必要な方がいらして下さるとか」


 クラリスさんがおそらく鈴を取りに行こうとすると、

 アンジュちゃんが一瞬消えて、すぐ鈴を抱えて戻ってきた。


「これ、だよ」

「ありがとう、気が利くね」

「えへへ」


 撫でながら鈴を受け取る、

 ええっとちゃんと書いてあるな、

 黄色いのが商業ギルド、青いのが冒険者ギルド、

 赤いのが緊急要請、火事とか賊とか来た時かな?

 あ! ピンクのがある、これはおそらく……やっぱり!


「ふむ、では鳴らしてみよう」

「はい、ではピンクを」

「デレス」

「すみません冗談ですニィナさん」

「奴隷商の鈴は無いのだな、なら黄色だ」


 ♪カラランコロロン カラランコロロン


 独特な音が響く、これで本当に来てくれるかな?


「誰か一応、玄関で待ってやれ」

「は、はいっ」


 でろでろエクスタシーの子が行ってくれた、

 そういや姫姉妹とおっかさんと色情剣士以外、名前覚えてないや。


「ではセーラの登録が終わったら夕食後、我々は旅立つ、後は頼んだぞ」

「「「はいっ!!!」」」


 ニィナさんのシメの言葉後、

 みんな返事をしたり頷いたりしていた、

 さあ、いよいよ旅立ちの時だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ