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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第175話 進化したサキュバス達となんなんだこの軍団は

 ヘレンさんの新スキル『上級魔物召喚』により、

 それまで育成していたサキュバスが上位種になったらしい、

 一体一体確認していくと皆、姿見も少し変わってなんというか、進化していた。


「こう見ると圧巻だな」


 ずらりと並んだ七体の召喚サキュバス、

 後ろに並んでいる勇者パーティーの女性が

 年頃な男の子僧侶の目を後ろから両手で隠しているくらいだ。


「これ、魔王軍の側近女幹部が勢ぞろいしているみたいですね」


 ざっとこのイカれたメンバーを紹介すると、

 まずは土属性で緑色のフォレストサキュバスが『エントサキュバス』になりでかくて怖い、

 でかいといってもニィナさんを一回り大きくした程度、ってなにそれ怖い、である、

 魔物や人間相手に自分の種を取り込ませて(方法は省略)、寄生させて下僕にできるらしい、怖すぎ。


(そして腕や足の振りが大きくて強そう)


 次に火属性でほんのり紅いホットサキュバスは『バーニングサキュバス』になって紅身を増した、

 肌も炎の模様がうっすら見えて熱くない「燃えるオーラ」が見える、いや体温高めだなこれ、雪山で助かる。

 たまに出てくる炎を身にまとった敵とか相手に素手で殴りに行けるのは良い感じ、炎系魔法も充実だ、

 殺人するタイプの山賊や暗殺者とかに、微笑みながら抱きついて炎で焼き殺すとかやらせてみたいタイプ。


(育て方で口調も変わるらしい、『ホットホット!』とか叫ぶタイプにもできるとか、やらないけど)


 次は風属性のブリーズサキュバスだったのが『シルバーサキュバス』に進化した、これ見た事ある!

 ルアンコのダンジョンでニィナさんに化けて僕を誘惑したんだけれど、身体のサイズが違って見破ったんだ、

 色も白っぽいのから銀色になって前の光属性ホーリーサキュバスとの紛らわしさが無くなった、

 そしてヘレンさんが命じれば色んな人に化けられる、とりあえずクラリスさんに変身してもらったが……


(うーん、クラリスさんの勝ちだな、主にお胸が)


 四属性でいけばラスト、水属性のウォーターサキュバスは『フリージングサキュバス』になった、

 アイテムボックスからカップを出して水をお願いしたら細かい氷と一緒に出してくれたよ!

 レストランとかの従業員させればこれ程便利なサキュバスはいないね! 触るとひんやりしている、

 肌は水色だったのが青白い感じになって病人みたい、いやフォルムは普通のサキュバスむしろ逞しいけれども。


(真夏に抱きついて寝たい、お腹冷えそうだけれど)


 続いて貴重な二属性、まずは闇属性のバッドサキュバスは『ポイズンサキュバス』になった、

 紫色の肌はさらに濃くなって質感は蛇に近くなったうえ、毒霧攻撃だけでなく毒の液体を吐くようになった、

 今度人型の魔物にそれを呑ませる所を見てみたいとか、悪い妄想が捗るね!

 シャドウ系みたいに敵を身体に取り込むとかはできないようだ、そのタイプはガス魔石が必要か。


(レベルが上がれば隠匿とか覚えそうだけれどね)


 光属性のホーリーサキュバスは『ゴッデスサキュバス』になった、

 僕がコロメに殺されかけたとき(実行犯には触れない)、

 宿に帰ってからずっと看病してくれて朝まで回復してくれた恩人、いや恩サキュバスの進化した姿だ、

 純白なだけでなくきらきら輝いている、レベルが上がると蘇生魔法を覚えるってアンジュちゃんが!


(うん、妖精の指輪で真っ先に育てよう)


 最後は金属性、ゴールデンサキュバスの進化系『エルドラドサキュバス』きんきらきんのきん。

 金銀宝石を造り出せるとかそんなことは無いが恐ろしく硬くなることができるようだ、

 そのまま敵に突っ込めばドラゴン相手でもお腹に穴を空けられそう、

 あと一時的に武器を強化する魔法も持っていてベルセルクソードを金箔貼ったみたいにできた、うーん豪華。


(強化は物理的な武器だけで杖を強化しても魔法威力は上がりませんでした)


 みんな知能も上がるみたいで喋り方を育成すると会話もカタコトじゃなくなるみたい、

 そういやシルバーサキュバスも普通に喋っていたからね、教え込むのはヘレンさんの仕事か。


「あ、そうだ! アンジュちゃん」

「あいあい!」


 わかってる、っていう感じだ!

 アンジュちゃんがセクシーパンサーローブのフードを深くかぶり、

 闇魔法で顔を見えないようにしてベルベットデビルロッドを持ち宙に浮く、

 さらに死神の鎌も前に浮かせ、絶対只者じゃない謎の幻術師感を醸し出す。


「ヘレンさん」

「かしこまりましたわご主人様」


 ヘレンさんが漆黒の鞭を握りしめただけで意志が伝わったようで、

 サキュバスが一斉にアンジュちゃんの後ろへ飛び上がって控えた!


「すごい! 前より凄い! 完全に魔王軍だ!!」


 お、アンジュちゃんがわざわざ闇のオーラみたいなのまで出してくれる、凄い演出だ!


「どうですこれ、強そうでしょう!」


 思わず後ろの勇者さんに聞いてしまう!


「えっと、今からシュッコを滅ぼしに来たのかな?」

「時間かからないでしょうね、あ、いやごめんなさい」

「デレス!」


 ニィナさんにいいかげんにしろって感じで引っ張られた。


「うおーい、これから入ってくる連中が全員パニックになるからそのへんにしとけーい」

「あ、ガネスさんごめんなさい」


 うん、いま入ってきた冒険者パーティーも

 腰抜かして『何なんだ、何が起こってるんだ』て言ってる、

 どう見ても魔王軍しかも相当やっかいな軍団に見えるからね。


「アンジュちゃん、ヘレンさんもありがとう」


 降りてフードを取るアンジュちゃん、

 ヘレンさんもサキュバスを亜空間に収納しはじめた。


「それにしても凄かった……ニィナさん、いっそ今のをムームー帝国に」

「やめておけ、戦争になる」

「そ、そうですよねー」


 落ち着いた所で新人受付さんが僕を手招き。


「あのー、そろそろ」

「あ、そうだった、僕の番だ!」


 さあいよいよ、僕のレベルアップ確認だー!

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