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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第174話 みんなのレベルアップと祝福の合図

「おめでとうございます、リーダーのニィナ様は勇者レベル六十になられました!」

「そんなにか」

「はい、ええっと、七大魔王を倒すと新たな魔法やスキルが覚えられるレベルまで上がるようです」


 勇者専用窓口、例の新人受付嬢が一生懸命説明してくれている、

 後ろでハイテンション受付嬢チアーさんが真面目に指導というか補助してくれている様子が見て取れる。


「勇者魔法『ロングブーストアタック』を覚えています、一回の戦闘中に攻撃し続ける限り、

 魔力を少しずつ消費しつつ攻撃力が徐々に上がり、最終的には十倍になります」

「それは凄いな」

「ただ、一度でも攻撃を緩めるとリセットされますから気を付けて下さいね」


 まさにバーサーカーなスキルだ。


「それと個人クラスはA+となります」

「プラスか」

「はい、あとひとつ何か個人で成し遂げればSクラスに上がれますよ」


 チアーさんが新人さんに何か耳打ちする。


「例えば闘技大会で優勝するとか」

「断る」

「そ、そうですか」


 すこしショボンとした。


「続いてサブリーダーのクラリス様は賢者レベル五十五になられました!」

「嬉しいです、こんな短期間で」

「賢者魔法『サンクスゴスペル』を覚えました、視覚範囲内魔物全ての動きを鈍らせられます、

 知能が高い敵であればあるほど効きますが、スライムなど知能が薄いとそれほど効きません」


 なるほど、喋る魔王とかにも効くといいな。


「魔法使いの『アイススパイクブリザード』僧侶魔法の『オートヒールズ』も覚えています、

 オートヒールズは少しづつですがパーティー全員の体力を常時回復できますよ!」

「ありがとうございます!」

「さらに個人スキル:魅了も覚えています、今後は少しモテやすくなりますよー!」


 それは嬉しいような少し困るような。


「このスキルは成長するのでしょうか?」

「もちろんです! 人や魔物を魅了すればする程に」

「……デレス様しか魅了したくないのですが」


 嬉しい事を言ってくれる。


「個人クラスはAとなります」

「まあ、嬉しいですわ」


 個人的にはSをくれてもいいのにって思うけど、

 それは次の七大魔王退治までのお楽しみかな。


「続きましてアンジュ様」

「あいっ!」

「おめでとうございます、幻術師レベル五十五になっております!」


 両手を上げて喜ぶアンジュちゃん。

ただ、アンジュちゃんは自分で鑑定できるから知っているんだけどね、すでに。


「まず幻術師スキル『即死耐性』を覚えています、

 即死するような魔法やスキルを常時防ぐ事ができます、自動使用ですね」


 じゃあこれでパワーアップしたデスデリカちゃん人形、もういらないのでは?!


「とはいえ短時間で連続に受けると防ぎきる事ができない場合もあるようです、ご注意ください」

「あいあい」


 ならまだ必要か。


「続いて幻術師魔法『レンタルマジック』これは同じパーティーの魔法をひとつ借りる事ができます、

 ただ設定した魔法の変更は冒険者ギルドに戻らないとできませんのでご注意ください」

「なにかりよー」

「ただし、魔法の熟練レベルが低いうちはあまり高威力のものは借りられませんのでこれまたご注意を」


 何気に凄い魔法を覚えたんじゃないか?

 アンジュちゃんのバウンドアタックとか見てみたい。


「次は幻術師魔法『エクスペディエンスカウント』です、ええっとこれは」


 なにを顔紅くしているんだろう?


「人数がわかるんだってー」

「え、何の?」

「けーけんにんずー、せ」


 クラリスさんが慌てて口を塞ぐ!


「んぐんぐ」

「はい、その、性行人数です……」


 なんだそりゃあ?!

 アンジュちゃん自分で鑑定できるからつい言っちゃってたけど、

 確かに恥ずかしい魔法だ、物凄い限定的な鑑定魔法だな。


「いいことアンジュちゃん、いきなり人にその数字言っちゃ駄目よ?」


 とクラリスさんが手を離す、

 うん、この新人受付嬢のをいきなり言ったりしたら大変なことになるな。


「アンジュ、私は構わん、見てくれ」

「あーい……ニィナさんは27だってー」

「ほう、そんなものか、もう増えないがな」


 あーでもこれ四人でやった場合とかどうなるんだろう、

 ってアンジュちゃんが僕をまじまじ見てるうううう!!


「ええっとアンジュちゃん、僕って、六だよね?」

「七だよー」

「え? だって、ええっと、えっと、ひい、ふう、みい……」


(いつメンの三人と娼館の三人と……あ!!)


 あれがカウントされちゃってるううう!!! 


「どうしたデレス、頭抱えて」

「いやその、なんでもないです、はい」


 もう腹痛起こす蟹しか喰えない悪女の事は忘れよ、あれ?


(あ、マリウさんのこと忘れてた、なら合ってるのか、良かった)


「四つ目になります、次は……」

「三、だよー」

「え? いえ幻術師魔法は、あ、スキルと魔法は一緒に数えて下さい」

「そうじゃなくって、このお姉さんのけいけ」


 今度は僕が口を塞ぐ!


「ごめんなさい、続けてどうぞ」

「は、はい」


 余計なことをー!!


「四つ目は幻術師スキル『シャドウレクイエム』これは恐ろしい魔法で、

 時間がすごくかかりますが相手の足元から闇の亜空間を出して、ゆっくり沈めます」

「沈めた相手はどうなる」


 と僕が口を塞いでいるのでアンジュちゃんにかわりニィナさんが聞いた。


「亜空間に閉じ込められますね、そうするともうどうなるかわかりません」

「シャドウに取り込まれたようなものか」

「ええっと、ええええっと」


 ここでチアーさんが助け船を。


「シャドウ系モンスターの場合は闇の魔力で相手を取り込んで消化、食べてしまいまあす」

「ではこの場合は」

「絶対出れない箱に閉じ込めて知らない場所に投げ出すようなものですね、

 ですので倒しても経験は入りませんし所持しているアイテムも入手できません、はあい」

「それは閉じ込められる相手は魔物か? 人か?」

「おそらく両方ですね、ちなみに中がどうなって閉じ込められた人がどうなるかは、わかっていませえん」


 お、おそろしい……

 アンジュちゃんがあんまり僕の手をぺろぺろするからいいかげん手を離そう。


「あくーかんって、なんだろー」

「それはだなアンジュ、いや、説明が長くなるから今度だ」


 わかってて言ってたらそれはそれで深いな、

 ほんと、亜空間って何なんだろう。


「アンジュちゃん、一方通行のアイテム袋ってことよ」

「へー」


 さすがクラリスさん、一言で説明しちゃった。


「次が最後になります、幻術師クラフト魔法『マジカルキャンディ』これは魔力がフルの時のみに使え、

 全ての魔力を使ってキャンディを製作でき、食べると誰でもその分まで、魔力を回復します」

「すごーい」


 本当にわかっているのかアンジュちゃん。


「もちろん食べた方のキャパシティ、最大値以上に回復する事はありませんし、

 消費期限は三十日となっております、ですから売買には気を付けて下さい」

「……えーい」


 手を結んで魔力を込めるアンジュちゃん、

 指の隙間から闇の光が見える、いや闇の光って何かと思うだろうが、

 そう見えるんだから仕方がない、闇が光りになって漏れているとしか説明できない。


「できたかなー?」


 と手を広げると真っ黒な丸いキャンディが!


「たべるう」


 あ、自分で口の中へ入れちゃった。


「どうだアンジュ、味は」

「んー、んー? んー……ひなひよほ」


 味しないのか。


「以上です、アンジュ様の個人クラスはAになっております」

「んー! んー!」


 喜んでる喜んでる、特進だもんな。


「続いてヘレン様」

「は、はいっ!」

「サモナーレベル六十になっております!」

「あ、ありがとうございます!」

「サモナースキル『上級魔物召喚』を覚えています、

 これはすでに召喚して育成中の魔物を上級にグレードアップもできます!」


 試しにゴールデンサキュバスを召喚すると……


「コンニチハ ワタシハ エルドラドサキュバス コンゴトモ ヨロシク……」

「金粉が増えているようですわ」

「新しい魔法も覚えてるよー」

「え、そうなのですか? 鑑定させていただいてもよろしいでしょうか」


 と、新人受付嬢さんが鑑定水晶に手をかざさせようとしたその時!


 ドーン! ドーン! ドーン!


「なんだ、花火か」


 ニィナさんが冷静に外を見ている。


「そうでございまーす! お昼になりましたので祝砲でーーす!」

「あ、僕らがビーストシュータを倒した」

「はいー、この時間をもちまして情報解禁となりまああっす!!」


 あ、奥からサブギルマスのガネスさんが出てきた!


「すでに噂で知っている者もいるかもしれないが、

 魔王ビーストシュータが討伐された、ここにいるニィナスターライツのおかげでな!」


 歓声が上がる冒険者ギルド!


「おめでとう!」

「やったな」

「凄いじゃないか!!」


 後ろに並んでいた勇者パーティーだけじゃなく、

 ギルド内に居た全員が祝福してくれている!

 嬉しいし照れくさいけど、だけど、だけれども……


(僕のレベルアップ確認、まだー?!)


※レベル間違っていたらごめんなさい

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