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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第172話 お宝点検と隠し部屋はまだまだあった

 まずはまっ黒焦げなビーストシュータの運搬をアンジュちゃんに頼む。


「でも、これ単体だと死んでるから転移は無理かなあ?」

「デレス様、ではうちのサキュバスに持たせたまま、サキュバス全員と転移させる形なら」

「そっかそっか、じゃ、アンジュちゃん」「あい」


 瞬時にしてサキュバスとヘレンさんとアンジュちゃんが消える、

 うん、ビーストシュータの丸焼きも一緒にいない、成功したみたいだ。


「では宝を確認しようか」

「あ、ダイナミックアテンションの皆さんもどうぞ」

「いいのか」「いやもちろん盗んだりはしませんから」


 とはいえ妖精の指輪レベルのものがあったら

 ポケットに入れたくなる気持ちもわかる、

 まあアイテム鑑定できればの話だけれども。


「うわあ、武器にアイテムに金貨銀貨銅貨いっぱい」

「デレス、今回用のアイテム袋だ、どんどん入れてくれ」

「はい、それにしてもこんなにお金持ってて、どう使うんでしょうね」

「いやこれは単純にここで死んだ者の所持品だろう」

「あっそうか、だから武器も防具もアイテムも」


(あれ? 奥でシトラスさんジュノスさん兄弟が何か話し合ってるぞ?!)


 そーっとそーっと近づいてみると……


「悪いとは思うが、だ、だが」

「見てないなら、い、今ならば」

「何が見てなくて今なんですか?!」


 ビクビクッとするふたり!

 そして何かを落としそうになって慌てて拾った!

 危うく床に落ちて、割れてぶちまけそうだったアイテムを見ると……


「あー! エリクサーだー!!」


 とまあ、わざとらしく大声をあげてみる僕。


「ぬ、盗むつもりは」

「だがそう見られても仕方あるまい、わ、悪かった」


 こんな冒険者ギルドで顔役をやっているような人達まで魔が差しそうになるとは、

 エリクサー恐るべしだ、コロメが命を狙ってまで横取りしようとしてたもんな、みっつも持ってたくせに。


「まあ、こちらにはまた大きな扉がありますわ」


 クラリスさんの声の方へ行くと確かに

 ビーストシュータが普通に出入りできる大きさの扉があった。


「よし、開けてみよう」


 アンジュちゃんがいなくて手が届かないので、

 取っ手の所にベルセルクソードを引っ掛けて開けるニィナさん、

 すると中には大きなテーブルがあり、取り囲むように巨大な椅子が!


「これ、魔王と準魔王の椅子ですよね」


 椅子の後ろには扉があって、

 覗くとそれぞれの準魔王部屋に繋がる洞窟と推測できる。


(こんな所で集まって話し合っていたのか)


 いちばんばかでかい扉はロッキードラゴンのだな。


「デレス見ろ、テーブルの真ん中に」

「うわあ、おっきい水晶! これ鑑定水晶でしょうか」

「待て、私がかざしてみよう」


 とニィナさんがテーブルに乗っかってまでして手をかざすと……


『ビーストシュータか、どうしたこんな時間に』


 誰かと繋がった!!

 野太い声で、なんだかドラゴンっぽいシルエットが水晶に見えたが、

 ニィナさんが慌てて手を離すと声が聞こえなくなり影も消えた。


「通信手段っていうやつですか、これは」

「ああ、思っていた以上に組織的なようだな」


 この水晶どうしよう、サブギルマスの判断を待つかな。


「せっかくここまで来たんだ、この扉も調べよう」


 おそらくビーストシュータの椅子である後ろの扉、

 またもやベルセルクソードを引っ掛けて開けると上り坂が螺旋になっている。


(あ、上ということは)


「ただいまー」

「あ、アンジュちゃん良い所へ」

「アンジュ、この坂を登りたい、連れて行ってくれるか」

「あいあい」


 僕とニィナさんとクラリスさんとで浮いていく、

 ヘレンさんはサキュバスや他のメンバーとお宝回収かな?

 姫姉妹がくすねて国の再興に、なんて言い出さなきゃ良いけれども。


「あーここ、あそこだよー」

「やっぱり天井穴から行った先の、ビーストシュータのねぐらでしたね」

「このような出入り口、前回は気付かなかったな、そして煙いぞ」


 油と丸トカゲが燃えた黒煙の臭いでいっぱいだあ。


「こっちにも扉があるよー」


 アンジュちゃんの案内で見ると暗い奥に隠された扉があった、

 ニィナさんが手慣れた感じで開けると中に居たのは……!!


「え、奥さんと、子供?!」


 見ると奥さんはアールマディーローという敵のようだ、

 子供三匹はビーストシュータのこども、と出る、次なる魔王候補か。


(あー怯えてる、イビルウィザードを思い出すな)


 ということは、ここも助けるべきかな?!


 ズシャッ、 ズバッ、スパスパッッ!!


(あーーーニィナさんがあっさり剣でえええ!!!)


 首を刎ねれば一発である。


「魔王の子は魔王だ、回収して上がるぞ」

「は、はいいいい」


迷いなく行った、

 こういう所はハッキリしてるんだよなあニィナさん。


(魔物には容赦ないスタイルが正解なんだろうか)


 とまあこんな感じであさり尽くしたあと、

アンジュちゃんが宝物庫の中に居た人も含め、

 冒険者ギルドへと戻ったのだった。


「おう! お疲れ」

「ガネスさん、おはようございます」

「そうはいってもコレが終わったら寝るがなー!」


 とまあ横たわっていたビーストシュータに縄を絡ませて運ぶ、ひとりで凄いな、

 装甲の部分を下にしてすべらせるように……解体部屋行きかあ。


(さあ、アイテムドロップとかあるんだろうか、丸焼けだけれども!)

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