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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第147話 奴隷回収と種回収

 ようやく見つけた地下三十九階、

 褐色奴隷の皆さんがラージヌートリアとかラージオポッサムとか狩っている地下森林奥で、

 僕はとんでもないものを見つけてしまった。


「ろ、ログハウスが、できてるうううう!!」


 中でくつろぐ姫ふたり、

 VIP待遇もここまできたか!


「なんなんですかこれは」

「ちょいと砦をね」

「いや、ちょいとっていうレベルじゃないですよこれ!」


 おっかさんが力任せで造ったのだろうか?!

 と背後からお姉様剣士カミーラさんが僕の首筋に息を吹きかけてきた!


「細かい事は気にしないの」

「……細かくないでしょこれ」

「んもう、中で逢引しちゃう?」


 首を絞めようと手をかざしたら慌ててバラカさんの後ろに隠れた。


「いちいち誘惑しなくてもそちらのお姫様に手は出しませんよ」

「……本当に?」

「そもそも、もうお姫様じゃないんですから」


 踊り子ではあるけれども。


「みんな移動させていい?」

「アンジュちゃん、お願い、ってログハウスどうしよう」

「いらなーい」


 勝手に決めてみんなで転移、なぜか東Dエリアの冒険者ギルド屋上だ。


「なんでD?!」

「人がいたから」

「あ、やさしいね」


 そのやさしさを見習って列のない勇者受付で済ませてあげる。

 結果……


「あーふたりともレベル二十一かあ」

「頑張ったからね」「ほんとほんと」


 いやバラカさんカミーラさんはそう言うけれど、

 二十の時点でさらにそこそこの経験があったのと、

 姫ふたりはほとんど何もやってなくてこれでパーティーで経験入るんだっていう。


「次からは厳しくします」

「言われた通りやったのにかい?」

「やはり今夜はこの私が夜伽を」

「一度でも失敗したらパーティー名を『でろでろエクスタシー』にしますから」

「わぁい」


 アンジュちゃん喜ばなくても!


「はい夕食代、では皆さん元の宿へ戻って」

「そうそう、宿の店主が延長するのかって」

「うーん、考え中です、それじゃ」


 僕のそれじゃ、に合せて転移するアンジュちゃん、

 次に向かった先はヘレンさんたちの狩場だ、

 丁度アルラウネリーダーをケルピー三頭がボコして倒した所。


「ティムできませんでしたわ」

「ヘレンさんお疲れ、皆さんも」

「きゃ?! ……驚きました」


 ヘレンさんのかわいい声が聞こえてちょっと得した。


「それで種は」

「これだけっす」


 リューイさんから十二粒もらう、こんなもんか。


「アンジュちゃん」

「おいしい種だけ貰うよー、あとはー……」


 残りはヘレンさん以外の三人が分けあって食べた、

 これで結構強くなってくれているはずだし、

 今回は経験も入っているからレベルも上がるといいな。


「忘れ物とかないですよね?」

「はい、結局ティムは普通のアルラウネすら無理でした」

「やっぱ僕とか入ってないと駄目かあ」


 侮れないな幸運値。


「じゃ、アンジュちゃん」

「あいあい」


 とんだのは東Aエリア、

 冒険者ギルドの屋上はSエリアになるので向かいの建物の屋上だ、

 再び入口へとんで中へ、あとはたいして並びもないのでモヒトさんに任せる。


「ってすみませんね」

「わかっておるな?」

「はいはいコモモです」


 一度ミリシタン大陸まで戻って仕入れるか!


「アンジュちゃん」

「あーい」


 西冒険者ギルドへ戻る、

 入口ではすでに受付が終わったらしいニィナさんクラリスさんが、

 ドワーフの一団に取り囲まれていた、そうか、それがあったな。


「デレス戻ったか」

「はい、さっさと済ませましょう」

「さささ、こちらへ」


 ドワーフの皆さんに連行されてムーンライトホテルへ、

 これも今日まで、今日までだ、と自分に言い聞かせる。


「先にお食事をどうぞ」


 と魔導昇降機途中の階でニィナさんクラリスさんアンジュちゃんが降ろされる。


「勇者デレス様は最上階へ」


 すっごい自然な流れで分断された!


(やっぱりかあああああ!!!)


 うん、覚悟を決めよう、

 奴隷を回収した後は僕がマリウさんに回収されるとは、ね。



「お待ちしておりました」


 例の食事ルームでいつもより着飾ったマリウさん、

 最後の夜だからってはりきっているのはわかるけど、

 化粧にしても、物凄く端的にわかりやすく例えると、

 髭の無いドワーフの頬に赤い●をふたつくっつけたみたいな感じだ。


「マリウさん、お疲れ様でした、ドワーフの国へ帰られるそうで」

「一緒に行きましょう、名誉ドワーフとして贅沢させてさしあげますわ」

「いえいえ、そんな僕が背が低いからって」

「東の大陸からカルハさんをお呼びしてもよろしいですよ」

「そ、そういう問題では」


 まずい、ほんのちょっとだけ心が揺らいだ。


「冒険者活動がお好きなんですか?」

「まあその、まあ、色々ありまして」

「ドワーフの国にもダンジョンは沢山ありましてよ」


 うわ、めっちゃ本気で口説いてきている!

 最終日みたいだし、まあいいか。


「実はここシュッコにしばらく滞在してですね……」


 と、よせば良いのに今後の予定まで話してしまう、

 ムームー帝国で何かあったときの保険になるかなと思ったが、

 そこから脱出できてもドワーフ国に閉じ込められるなら意味はないか。


「魔王を二体も、ですか、素晴らしいと思います」」

「はい、そのために是非、ご協力を」

「ではスポンサーに」「いえいえそこまでは」


 と、おしゃべりしながら食事をしていたら、

 急に気配に取り囲まれた。


「なんだまだ食事中か」

「ニィナさん!」

「こちらはさっさと済ませてきました」

「クラリスさん!」

「むぐむぐ、ほむほむほむ」


 アンジュちゃんはまだ何か口に含んでるし!


「もう、せっかちな方々ですね」


 残念そうなマリウさんだ。


「こちらとしても大切な婚約者だからな、食事が済むまでは待とう」


 いや、めっちゃ囲まれながらとか食べにくいから!

 あとちょっとだけれども!


「食べながらで良い、本題に入らせてくれ」


 ニィナさん本当にさっさと終わらせたいみたいだなぁ……。

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