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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第145話 奴隷の監視と奴隷の様子見

「おい、これはどういう事だ」


 ニィナさんが褐色奴隷の皆さんに声を荒げる、

 無理もない話で、地下三十七階の飛ばない敵が居るエリア、

 そこで岩の上にどこからか入手してきた敷物が敷かれ、

 上には姫様ふたりがちょこんと座ってくつろいでいる、果実汁を飲みながら。


「ひ、姫は少し休憩中で」

「いや、我々の昼食直後だぞ、それにこれはどうしたんだ」

「その、午前に稼いだ魔石を売って、これで」


 おっかさんの焦り具合を見ると怪しい、

 これ渡した昼食代でさっさと買って早々に休ませているんじゃ?

 僕がサキュバスで、VIP待遇で護らせちゃったのを姫達が身内に報告しちゃったのかな。


「ニィナさん、休憩エリアを作って効率的に、順番に休むのはそこまで悪い手ではないのでは」

「どうしたデレス、何か弱みでも握られているのか? 後ろめたい事でもあるのか」


 ぎくり


「いえいえ、その、僕が言いたいのは姫様だけ休ませるなって事ですよ」

「だな、さっさと交代しろ」

「……姫、準備を」


 おっかさんに言われてようやく岩から降りる、

 バラカさん、カミーラさんに手伝ってもらって……あ、おっかさんがバラカさんです、はい。


「まったく、でろでろエクスタシーの連中は」

「ニィナさん?! それアンジュちゃんが勝手に付けた名前ですよ!」

「なんだ、じゃあパッションリバティラバーズの方か、長いな、略してパ・リ・バでいいのではないか」


 アンジュちゃん、言うならちゃんと報告して欲しかったっていうか、

 どんだけ好きなんだよ、でろでろエクスタシー。


「えっとじゃあ次の休憩は」

「いや、いい、ここからは本気だよ」


 やる気を見せるおっかさん、

 どうせ形だけだろうなーと思いつつもちゃんと手斧二刀流で頑張ってくれている、

 あれ彼女の個人スキルで投げても手元に戻ってくるらしい、オークションでの紹介をちょっと思い出した。


「でやあっ!」


 セクシー女剣士カミーラさんも敵が姫様に近づく前にとっとと斬って行く、

 あの剣、持っていた国の剣は全部奪われちゃったからと市場で買ったごく普通のシルバーソードなのに、

 敵をばかすか斬り刻んでいくあたり、元の能力値の高さを感じる、あとは場数の多さも。


「ナタイラとライリアはどうした」


 ニィナさんに言われて慌ててファイアーダンス&ファイアーダンス2を唱える、

 赤い炎と青い炎が敵に向かって飛んで行って敵を焼くがこの階層であっても敵を一撃では仕留められない。


「なんだ弱いな、ヘビーラット程度も燃やし尽くせないとは」

「おそらく使用回数が少なくて魔法のレベルが低いんでしょう、半日じゃ仕方ないですよ」


 魔力や獲得経験値が恐ろしく増える僕らが居ないからね。

 ここはちゃんと指示しておこう。


「姫様を休ませるにしてもちゃんと魔力が切れてからにして下さい、

 岩の上からだったら安全に魔法を投げられたでしょう? 最低限それくらいはやらないと」


 ひょっとしてサキュバスに護らせていたときの、

 今は見学でいいからみたいなこと言ったのをこっちでもそれでいいと思っちゃったのかな、

 きっちりちゃんと自分で戦えってチュートリアルダンジョンの時みたいに言わないといけなかったのか。


「わかりました」「言われた通りにします」


 姫様ふたりは納得してくれたようだが、

 ちゃんとそのまま言う事聞いてくれるといいな。


「では行こう、ナタイラとライリアのレベルが上がったと確信したら戻って良いぞ」


 逆に言えばそれまで帰ってくるなと、ニィナさん手厳しい。


「わかりました」「やってみます」


 これ抜き打ちチェック必須だな、

 と思いながら他の狩場へ、あれ?

 クラリスさん今回も、一言も喋らなかったけど、ちょっと怖い顔していたような?


「クラリスさん?」

「あのカミーラとかいう女、デレス様がフォローしたら色目を使ってましたわ」

「今更そんな事で怒らなくても!」

「デレス、妙にあの連中に肩入れしていたが、もしやカミーラにすでに」

「してないです、しません! そういうのじゃないんですってば!」


 言い訳しつつ次の奴隷現場へ、

 地下九十六階、九十七階にもおらず九十八階でようやく植物系モンスターにわらわら囲まれている一団を見つけた。


「ヒヒイィンッ!」「ブヒンッ!」「ブヒヒヒヒヒーーッ!!」


 泣きながら僕に抱きついてくるケルピーたち!

 そんなに再会が嬉しいのか、たいして時間経ってないのに。


「こっちは調子良さそうだな」

「はい、サキュバス達が頑張ってくれています」


 ヘレンさんの声に整列するサキュバスたち、

 と思ったのもつかの間、奥から湧いてくる敵の対処に戻った。


「うむ、良い事だ」

「これならヘレンさんのお仲間さんたちも楽にレベル上げられそうですね」

「種がまあまあ出たっす」


 ええっと簡易鑑定してっと……


「攻撃の種と魔力の種は食べて下さい、このおいしいたねはアンジュちゃんのお土産で」


 全部で五粒か、普通ならこんな感じなんだな。


「それで御主人様、アルラウネがティムできません」

「原因は?」

「単純に魔力値が足りないのか、すでにケルピーを連れているからなのか」


 サキュバスと合せて同時に何体まで、とかあるのかな?


「わかった、とりあえずサキュバスを一体減らして確かめてみてくれ」

「わかりました」


 まあ弱いサキュバスを一体引っ込めても、そんな変わりはないだろうし。


「それで、百階にエリアボスが居るようですが」

「そこはまだ早い、サキュバスが優秀で先を急ぎたがるのはわかるが、まずは経験だ」

「かしこまりました」


 こうしてこの場も後にする、ケルピー達に名残惜しそうに見送られながら。


「で、クラリスさんどうしたの」

「先ほど、サキュバスのうち一体がデレス様に色目を」

「いやそれはさすがに思い違いだから!」


(なんで急に嫉妬モードになってるの?!)


 ちなみにバウワーさんとペロちゃんは地上の公園で、

 ひなたぼっこをしておりましたとさ。

 さあ、午後からもクラリスさんのレベル上げだ!

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