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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第140話 居ないギルマスと居た裏ギルマス おまけつき

 同じエリアとはいえそこそこ歩いてたどり着いた東A冒険者ギルド、

 オークションが終わって人が少なくなったかと思いきや意外と混んでいた。


「ふぉふぉふぉ、ちびっこい勇者ポーター!」

「モヒトさん、おはようございます! 今日はギルマスに会いにきました」


 たったいまどっかのパーティーを送り出したばかりの、

 ここの顔役ベテランいや隠居だっけかの元Sランク冒険者だ、

 でも、今でもたまーにガイド役するんだっけ。


「あーあのギルマスかのう」

「やはりご存じで」

「ここのギルマスなら、今日から数日休みのようじゃ」


 数日ってそれまた不確定な。


「そうなんですか、一度は挨拶したかったのですが」

「……ここだけの話、ギルマスの情報なら買えるぞい」

「え、どこでですか?!」


 こっそり耳打ちしてくる。


「……地下の情報屋じゃ」

「またまたあ、そんな冒険者ギルドのギルマス情報なんか」

「……これがまたワケ有りなんじゃ」


 あ、これまた地下でお金払わされるパターンだ、

 あとこのモヒトさんにコモモも。


「朝遅く来て昼飯前には帰るって情報なら、もう知ってますよ」

「ほう、どこから漏れたかのう」

「西の……って、そんな話じゃなかった」


 察して個室へ連れて行ってくれるモヒト爺さん。


「あ、五階にはあいかわらずマリーナさんが」

「あやつは死んだ」

「えっ」

「供え物のコモモをワシが受け取ろう」

「いやいや、冗談はやめて下さい」


(どんだけコモモ欲しいんだよ、この人)


 そうして密室で男二人の内緒話、

 コロメについて今わかっている情報を伝えた。


「ふむ、わかっていると思うが、隠匿魔法には鑑定魔法じゃな」

「やはりそうですか」

「レベルで上回ってしまうのが一番楽じゃが、おそらくレベル八十後半から九十とかじゃろう」

「えっキャロメの奴そんなに」

「コロメじゃ、そのボケはもういい、こっちがボケる」


 ご老人のこういう洒落はシャレにならない。


「対抗するには隠ぺい魔法、もしくは鑑定魔法をすでに覚えておる、もしくはその見込みが」

「います、今度連れてきます」

「そうか、なら話は早いのう」


 あ、手がコモモを催促してる!

 コロメに結構取られたからあまり消費したくないんだけれど、と一個渡す。


「んぐ、噂は聞いておる、空飛ぶ幻術師じゃろう」

「知ってたんじゃないですか」

「はて、教えてもらったような気もするがのう」

「あれっ、そうでしたっけ」

「誰にじゃったかのう」


 まあいいや、そのへんは。


「早めにレベルを追い越して嘘を暴いてやろうかと」

「それじゃがな、その幻術師がレベルで上回ったとしてじゃ」

「はい」

「コロメが嘘をついているとわかった所で、どう証明する?」

「ええっと、アンジュちゃんが嘘ついてないかの鑑定を」


 これで証明できるはず、だよね?


「じゃが、そのアンジュとやらも真偽鑑定を隠匿しておるかも知れんじゃろ」

「えっ、そうなっちゃうんですか」

「そのあたりをどう証明するかじゃな」


 確かにレベルがコロメを超すと、そういう疑いが出てくるのか。


「うーん、考えてみます」

「こういうのは地下じゃな、あそこの情報屋なら……」

「やっぱり薦めますか、ひょっとしてモヒトさん、マージン貰ってません?」


 あ、黙った!


「わかりました、どっちみち行こうと思っていたので」

「おう、今日はこの時間でも居るじゃろう、居ないかもしれぬがのう」

「どっちなんですか!」


 とまあお礼にもうひとつコモモをあげて僕は五階へ。


(一応、確認だけ)


 結果、やはりギルマスはおらず、やはりマリーナさんは普通に居た。


「はい、コモモふたつ、どうぞ」

「ふぇふぇふぇ、律儀よのう、例の弓を教えたいとか言う……」

「あ、それはもういいです、ごめんなさい」


 自動追尾装置付きの、死神の鎌があるもんね。


(さて、地下だ地下だ)


 一旦宿へ戻ったがニィナさんはまだ三人目の面接が始った所で、

 このあとヘレンさんバウワーさんの面接もするらしく、

 終わったら地下情報屋まで来てくれるらしい、僕は先に行く事に。


(そういやペロちゃんを働かせる話もあったな)


 アンジュちゃんのありがたみを感じながら魔導昇降機で地下へ、

 途中の獣人ハーフ娼館はこの時間は閉まってるのかな?

 ちょっと扉に手をかけたい衝動を抑えて例の、謎の喫茶店へ。


 ♪カランコロ~ン


「おう、らっしゃい」


 いたいた、裏ギルマスみたいな大男!

 まるで闇の世界で闇の依頼だけ取り扱う闇ギルドのマスターだ。


「ええっとコロメ最新情報とご相談を、あ、ハーブティーで」

「あいよ、おーいハーブティーをひとつ」

「奥はヒョウくんですか」


 と思ったら思いもよらない人物が現れた!


「あ、あ、貴女はーーーーー!!!」

「……いらっっっ、しゃいませっ!!」


 顔に蝶のマスク、いや眼鏡の大きい奴? でもレンズは無いか、

 とにかくでっかい蝶の面みたいなのを付けたこのご婦人は、もしや!


「ええっと、えええっっと」

「ハーブ、おティー! ご注文、いたっ、だきましっ! たっ!」


 この変な動きと止まった時のポーズ、

 絶対あの人だーー!!


「昨日までオークションの司会、お疲れ様でしたっ!」

「あら何の事かしら?」

「おいおい、ウチの嫁に変な事言うなよ」


(夫婦だったのかーーー!!)


「あ、情報源」


 それ以上は触れるなみたいな顔された。


「えー、ハーブティー、濃い目でお願いします」

「はいっ、濃いっ、めっっっ!!」


 ポーズ取りながら奥へ。


「ヒョウは今日は午後からだ、会いたかったのか?」

「まあ、その、そうそう、まずはコロメの話からですが」


(……それはそうとニィナさんのリアクションが楽しみだ)


 シャレ通じない系のニィナさんが来るのを楽しみにしながら、

 僕は知ってる限りの、できるだけの情報を全て話したのだった。


「ふむ、それならばだな……」


 と本題入る所でニィナさんがやってきた!


「いらっ、しゃいっ、まっせっっ!!」


 ハイテンションで迎えたお蝶受付嬢おそらく48歳!

 さあ、ニィナさんの反応は……?!


「……デレス、どこまで話は進んだ」


(スルーきたーーーー!!!)


 うん、ニィナさんらしいや。

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