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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第138話 褐色パーティーに名前をつけよう

  ここは東Eエリア、つまり街の外周だ、境があるんだかないんだかよくわからないスラム街、

 その冒険者ギルドに集まった褐色奴隷の皆さん、九人全員がすでに朝食を済ませてある、

昨日の打ち合わせではDエリアの予定だったがやはりまだ慎重に進めたい。


「皆さん、ナタイラさんライリアさん以外、冒険者登録はまだですよね?」

「ああ、そんな必要はなかったからね」


 と答えたのはおっかさんと僕が勝手に呼んでいるバラカさんだ、

 やはりというか戦士らしい、剣士のカミーラさんと並ぶといかにも前衛って感じ。


「とりあえずニィナスターライツ傘下の奴隷パーティーを組んで登録してもらいます、

 パーティー名に何か希望はありますか?」


 ……返事は無い、

 ちなみに奴隷と僕以外に一緒に来ているのはアンジュちゃんだけだ。


「アンジュちゃん、何か案ある?」

「んー……」


 胸の強化デスデリカ人形が気になるみたいだ。


「それ、あんまり喋らなくなったね」

「背中を強く押さないと、しゃべらないようにして、もらったよ」


 と、押して見ると……


『チ●ヤさんとカ●デさんの歌唱力対決も決着ついてないのに、なんでラ●ラ●ブ!と戦うのかねえ』


 相変わらず意味がわからない。


「あの、よろしいでしょうか」


 おお、ナタイラさんが挙手した!


「どうぞ発言を許します」

「カルマソルという国名は使いたいです」

「うーん、それなんだけどね」


 戦争で敗れた国の名前をパーティーネームに入れるのはどうなんだろう?

 本人たちのプライド的な問題なんだろうけど、所有者としては変に狙われて欲しくない。


「君たちの立場は微妙で、ニィナスターライツの所有奴隷のみでパーティーを組む事になるんだ、

 そこにもうすでに独立したみたいに国名を入れるのは……希望を聞いておいて悪いけれど」


 それならまだアンジュちゃんのまだ見ぬネーミングセンスに賭けた方が良い。


「アンジュちゃん、アンジュちゃんが落札したんだからアンジュちゃんが決めちゃって」

「んー……奴隷にしようかな」

「え、パーティー名が『奴隷』ってこと?」

「ううん、『奴隷にしようかな』だよ、どれにしようかな、と、かけてる、よ」

「掛けるとか、わかってるんだ!」


 ネーミングセンスは無いけれど!


「ええっと、そこの僧侶さん!」

「え、ウチっすか、いえ、私ですか」

「カルマソルって国を一言で表すと?」


 少し考えたのち……


「情熱の国、かなあ」

「はいわかりました、ではライリアさん」

「は、はいっ」

「今、一番欲しいものは何ですか?」

「ええと、ええと……自由です」


 なるほど、情熱、自由か。


「最後にカミーラさん」

「あら名前覚えてくれたのね嬉しい」

「いやウィンクはいいから! 貴女の大切な物は何ですか?」

「そうね、物理的に言えば姫様ふたり、そうでないなら……愛、かしらね」

「わかったので太ももを過度に見せない!」


 この女剣士、ニィナさんクラリスさんヘレンさんに劣る身体なのに、

 だんだんと、じわじわとそそるようになってきた、なぜだろ、やばいな僕。


「じゃあ情熱、自由、愛を合せてパーティー名は」

「でろでろエクスタシー、だよ」

「アンジュちゃんの案は却下!」


 どこで覚えたんだよエクスタシーって単語!


(ちょっと好き、は置いといて)


「あらためて、みなさんのパーティー名は『パッション・リバティ・ラバーズ』です!」


 あ、遠くで勇者専用受付嬢だけが拍手してくれる!

 でも比較的近くの荒くれ者パーティーがニヤニヤしながら近づいてくる、

 でも死神の鎌を振りかぶってふわふわ近づいてきたアンジュちゃんに必死の形相で逃げた。


(すっかり有名になっちゃったなあ)


 さあ、気を取り直そう。


「という事で、でろでろエクスタシーの皆さん、違った、

 パッションリバティラバーズの皆さん、パーティー登録を済ませましょう」


 こうして九人は登録後、ナタイラ・バラカさんのいる四人、

 ライリア・カミーラさんのいる五人とに別れてダンジョンで狩りを始めたのだった、

 地下二階でスライム相手に。


(姫様を過保護すぎいいぃぃいいいい!!)


「……ボク、もう行くね」

「うん、ありがとうアンジュちゃん、学校行ってらっしゃい」

「まだちょっと時間ある、よ」


 そう言い残して瞬間移動した、

 さて、僕はどうしようか、とりあえず地下三十階くらいまで引率して……

 でもこれ僕がいなくなったらサボりそうだな。


「ええっと姫様のレベルを二人とも二十一まで上げて下さい、

 夕方までにできなければ、地下七十階に置いて自分で帰ってこいってやります」

「そんな無茶な!」

「はいおっかさん、いえバラカさん、発言は許してませんよ」


 軽く首を絞める、いいかげん学習してくれないかな。


「これだけいて戦争経験、いえ戦闘経験のある皆さんが居れば死にはしないでしょう、

 言う事をきかなければもっともっと厳しくしますから」

「あの」


 カミーラさんが真面目な表情で挙手した。


「はいどうぞ」

「姫をふたりとも護るには八人まとまってひとつのパーティーにした方が、やりやすいです」

「でもそれだと、ひとり余りますよね」

「はい、なので私が抜けます」

「宿で待機しますか、でも見た感じ、前衛としてカミーラさんは不可欠な気が」


 ずいっと迫ってきた!


「そ、の、あ、い、だ」


 あ、これハニートラップだ。


「はいアウト」

「ぐわああああ」


 強めに、少し長めに首を絞める。


「なんでそんなに僕の事を気に入ってるんですか」


 ニィナさんと同じ性癖かな?


「ぐほっ、げほっ」

「正直に本当のことを言わないと、今度は折れても構わない感じで絞めますよ?」

「姫を、姫の貞操を、護るためですっっ!!」


 あーそういう事か、

 僕が姫様の姉妹に手を出さないように、

 先に僕がカミーラさんに手を出させて夢中にさせようと。


「そんな事しなくても僕にはニィナさんクラリスさんアンジュちゃんが居ますから」

「でも、それだけ居るという事は、増やしたいのでは」

「……否定はしませんが、少なくとも合意もなく姫様をどうこうはしませんよ」


 最初に誘惑してたのも姫様よりこっちが美味しいよって感じに見せてきてたのかな。


「じゃ、真面目に九人で戦ってください、お昼に来れたら様子見に来ますが一応、食事代渡しておきますね」


 おっかさんにそこそこの銀貨を渡した、

 足りなさそうにしているがまあ、こんなもんだろう。


「あ、何なら午前中に狩った魔物の素材や魔石を売って足しにして良いですよ、じゃ」


 とりあえずあとは基本、放置でいいや。

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