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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第134話 オークション三日目おまけと何で落札したのそれ

「それでは皆様、第1665回シュッコ定例オークション三日間お疲れ様でした、

 初日にエリクサーの材料、二日目にゴージャスサキュバスという

 近年にない超、ちょーーーーぉお大型オークションとなりましたが……」

 

 うん、両方とも出品したのは僕らだ。


「これで最終日に空中浮遊都市でも出品されていれば

 史上最高を謳えたのですが……真に申し訳ありません」


 それ白金貨一万枚とか必要なのでは!


「さて、ここからはアディショナルタイムでございます、

 まずは奴隷オークションでアサシンを筆頭としたグループが落札されましたが、

 必要なのはアサシンのみ、他のメンバーは不要という事で本日、残りの……」


 とまあ初日二日目の訳あり再出品がはじまった、

 元A級テイマーのバウワーさんも僕がいらないって言ってたらここに出てたのか、

 さすがに奴隷はアレだけど最後に何か記念落札しようって人も居そうだ。


「では三人まとめて金貨九十枚から!」


 開場はシーンとなる、さすがは余り物、いや余り者。


「いませんか、おりませんか、まだまだ働けますよ?」


 がんばって引っ張ろうとしている。


「ええっとニィナさん、この場合は」

「主催の買い取りだ、商業ギルドかそこから譲り受けた冒険者ギルドで雑用だな」

「うーん、それはある意味、助かるのでしょうか」


 ちゃんとした所が引き取ってくれる分には良いか。


「だ~れも上げないなら~」


 うわ、コロメが札を上げちゃった!

 可哀想に、安いだけに使い潰される未来しか見えない。


「ええっとニィナさん」

「うちはもう奴隷は手一杯だろう」

「そうですけれども」


 白金貨は、しこたまある。

 ええっと札は、っと。


「やめておけ、同情で買う枠はもう無い」

「ですけれども、儲かりましたし」

「きりがない、なぜ皆が買わないか、よく考えろ」


 ……やはりここはニィナさんが正しいんだろうな、

 買って五日後に放流し甲斐のあるおっさん連中では無いし。


「はいでは無事に落札確定! ああよかった!」


 良くはない、多分。


「続きましては運搬中に真っ二つに折れてしまった杖なのですが……」


 やはりというか人ではない訳ありアイテムはサクサク落札されて行く、

 せっかく来たのに手ぶらで帰れるかって感じかな、

 今日はさすがにドワーフの一団は居ない、あ、ひとり居た、一応延長戦のチェックかな。


「続きましてこれを出品させて良い物か迷ったそうなのですが、

 最後のおまけの数合わせで駄目元で登場いたします、謎の種です!」


 ぶっちゃけるなあ。

 一応、丁寧に綺麗な布の上に置いて見せて回っている。


「アンジュちゃん、鑑定お願い」

「遠い……んしょ」


 あ、わざわざ近くまで飛んで行って、見て戻ってきた!


「んとね、『謎の種、埋めると何かになる、何になるかはランダム』だって」

「なんだそれ、恐くて買えないよ」

「でも多分、運、だよ」


 そう言われると、おそらく幸運値なるものがあるなら高いであろう僕らパーティーが、

 買ってみて試してみる価値はある、でも生えたのがとんでもないバケモノだったらどうしよう。


「まあ、スルーかな、ですよねニィナさん」

「それが得策だな、買うなら止めはしないぞ」

「値段によりますけど、でも、ねえ」


 安かったら無責任に埋めて逃げようか、どっかに。


「それではこの謎の種、特別に『おいしい種』十五粒をつけて金貨十枚から!」


(あ、まずい)


「白金貨いちまーーーい!!」


 おおーーーーとどよめくコロシアム!

 うん、声の主はいつのまにか札を持っているアンジュちゃんだ、遅かった。


「あの、アンジュちゃん」

「おいしい種♪ おいしい種♪」

「あーもう、ニィナさんごめんなさい、下手すると僕のせいです」


 何も返事がない、これがかえって堪える。


「はーいではとっとと落札落札ぅ!」


 あーあ、なんで落札しちゃたんだろうなあ、謎の種。


(アンジュちゃんの貢献を考えれば白金貨一枚はあげてもいいんだけれど、

 金銭感覚の教育は、あらためてやった方が良いな、学校ではそのへん教わったのかな)


「やった~♪」

「はいはいアンジュちゃん、もう札は持っちゃ駄目だよ」

「エー」


 保護者のクラリスさんは何やてったんだって思ったら寝てた。

 まあもちろん僕らも保護者ではあるんだけれど。

 こうして後は不動産で売れなかったシュッコ地下六十階の秘密基地が値引き再出品された後……


「皆さまここまでお疲れ様でした、本当に最終最後の出品となります」


 お、という事はひょっとして今日の最後も僕らの出品か!


「セクシー系ティムモンスター、二日目の昨日、ラミア、サキュバスと買い逃した方に朗報です、

 突然の、三日目最後の出品に驚かれる方もいらっしゃるかもしれません、そう、男共よ括目せよ!」


 おおーーと出てきた魔物に男声が上がる!


「植物系セクシーティムモンスター、アルラウネ三体にその上位種、アルラウネリーダーです!!」


 うん、リーダーの方がよりセクシーだ。


「アルラウネ単体ですとまれによく出品されますが、上位種含め四体となるとそれなりにそれなりです!」


 それなりに売れると良いな。

 アンジュちゃんはクラリスさんの胸元で寝ちゃった、

 逆にクラリスさんが目覚めた、変な種買ったって言ったら驚くだろうな。


「そういえばクラリスさんの居たルアンコでアルラウネ出たんでしたっけ」

「確か魔共教がティムしていましたが、なかなか難しいようですね」

「セクシー系っていうのがヘレンさんと相性良かったのかも」


 色めき立つ観衆の男たち、

 植物系だからラミアやサキュバスより多分、質感みたいなのは落ちるだろうけど、

 使えるなら使ってみたいだろう、あえて何をどう使うとは言わないが、ナニにとは。


「さあラストオークションは今回も恒例、最初は銅貨一枚からのスタートです!

 今まで三日間、一度も札を上げられなかった方々はこの機会にどうぞ!!」


 えーそんなサービスシステムあったのか!

 知ってたら変に、悪戯みたいに落札しちゃう事も無かったかも?!


「そーれーでーはー、本当に落札したい方は金貨までお待ちくださいねー、

 ファイナルスペシャルディスティニーオーディション、銅貨一枚からぁーー……スタァッ!!」

「銅貨一枚!」「二枚!」「三枚!」「四枚」「七まーい」「五枚」「こらとばすな!」


 たっぷり時間をかけ、何度も声のダブりもあったのち、ようやく金貨へ。


「金貨五枚!」「金貨二十枚!」「金貨八十枚!」

「さあ盛り上がって参りました、もう白金貨も解禁ですよ?!」

「白金貨一枚!」「白金貨一枚半!」「二枚半だー!」


 おおおおお予想外の高値!!


「十枚! 十枚だ!」


 あ、白金貨十枚の商人さん、昨日駆け込みでゴージャスサキュバス買いに来て、

 冒険者ギルドに負けてひっくり返ってた人だ! このお方も手ぶらじゃ帰れないって感じか。


「はいーでは白金貨十枚で本日のファイナルオークション、はい、即、落、札!」


(良かったー、これならアンジュちゃんも許された!)


 人の気も知らず、すやすや寝ているアンジュであった……。

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