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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第129話 植物系魔物とそのドロップ

 冒険者ギルドでニィナスターライツのメンバーとして

 ナタイラさんライリアさん姉妹の登録をしてきた、

 勇者専用受付でいつものハイテンションおばさんはオークション司会により不在のため、

 メイド風受付嬢が親切に対処してくれて、僕らの今のパーティーで『踊り子の育成』に

 向いている狩場を紹介してもらった、それが今、地下九十六階の『地下森林エリア』だ。


「ええっと、アンジュちゃん」

「さくさくいくよー」


 目についた樹木型モンスターやキノコ型モンスターを容赦なく死神の鎌で斬る、

 しかも鎌に備わっている闇攻撃魔法の刃が遠い敵もあっという間に切り裂いていく、

 これだと他のメンバーの出番がないというか、腕ならし、肩慣らしの暇すらない。


「うーん、経験値が姉妹に入るからいいけど」


 妖精の指輪は最初にまず姉のナタイラさんにつけてもらっている、

 そしてその姉妹をヘレンさんのサキュバス達がぐるりと完璧に護衛してくれている。


「さっくさく、さっくさくー♪」


 樹木型モンスターは体力が半端ないのだが真っ二つにしてしまえば関係ない、

 キノコ型モンスターは特殊能力が多いがこれも真っ二つにしてしまえば関係ない、

 反則的能力のアンジュちゃんが反則的武器で全部やっつけてくれている。


(パーティーってなんだろう)


 ヘレンさんの元お仲間の力も見てみたかったのだけれども、

 かといってこんなに快調に敵を倒せてるアンジュちゃんをわざと休ませるのも……


「あっ」

「どうしたのアンジュちゃん」

「ナタイラさんレベルあがったよ、十だよ」

「本当? 教えて」

「うん、待ってね」


 と、鑑定している僅かな間にやってきた敵をヘレンさんたちが倒す、

 真っ先に掛けて行ったのは連れてきた僕の元仲魔、いや再合流した仲魔、

 幻獣ケルピー三頭だ、やっと待てから行けになって大喜びで敵を蹴る噛む。


「んっとね、

 名前:ナタイラ 職業:踊り子 レベル:十 個人初期スキル:戦闘意欲向上(攻撃系全微増)

 踊り子魔法 レベル五:ファイアーダンス 

       炎の玉を使った踊りを踊れる、敵にその炎をぶつける事もでき、魔法レベルが上がると個数が増える

       レベル十:ファイアーダンス2

       青白い炎の玉を使った踊りを踊れる、敵にその炎をぶつける事もでき、魔法レベルが上がると個数が増える」


 2って!


「あ、私のお婆様が炎の舞の時、赤と青と白と黒の炎を出していました!」

「お婆さんも踊り子だったんだ」

「舞の儀式は伝えられしものですが、お婆様のような炎の玉を出せるのは私と妹だけでした」


 なるほど、じゃあレベルが上がれば他の色の炎も出せると。


「ちょっと青いの出してみて」

「はい……ファイアーダンス2!」


 ぼわっと青い炎の玉が!

 それが真っ直ぐ森へ……って森林火災起きちゃう!

 と思ったら奥から出てきたセクシー植物モンスターであるアルラウネにあたって燃えた。


「おお、すごいすごい」

「でも、倒せてはいませんよね」


 燃えながら攻撃してくるアルラウネの方がよっぽどファイアーダンスだ、

 などと思ってたらケルピーの青首輪クーピーが蹴り倒してくれた。


「ブヒヒヒヒンッ!!」


 何か見つけたみたいだ、

 魔石だけじゃなくこれは……種だ!


「これ、これが欲しかったんだ!」


 そう、この狩場に来た主要目的のひとつに、

 植物系モンスターのレアドロップであるこの種がある、

 これは僕でもわかる『魔力の種』だ、飲むと魔力が少しだけ上がる。


「どうしよっかなこれ」


 売っても良いし魔力が少ない人を積極的に育てるのも良い。


「あの、俺」


 とここで声を上げたのはヘレンさんの恋人リューイさんだ。


「どうしました?」

「俺、飲みたいです、魔力をめいっぱい上げて貢献したいです」

「うーんレベル確か三十一でしたっけ」

「はい、経験を吸い取られている今、強くなるにはこれを飲むしか」

「そうだねえ、アンジュちゃんを別で考えるなら魔法使いの火力は上げたいよね」


 ヘレンさんも頭を下げている、

 サキュバスを全員、踊り子姉妹の護りに固めている今ならまあ、いいか。


「わかりました、とりあえず種はリューイさんに飲ませましょう」

「あざっす!!」

「ご主人様、ありがとうございます!!」

「お、俺にも」「俺も俺も」

「僧侶のハオさんも弓使いのウィングさんも了承しました、じゃあ三人に出た種は飲んでもらいます」


 うん、経験が入らない分、種でいっぱい強くなってもらおう。


「じゃあ妖精の指輪を次は妹さんのライリアさんに」


 こうして僕らはお昼御飯の頃まで姉妹の経験上げ&種での奴隷強化にいそしんだのであった。



「ふう、ふたりとも今日、午前だけでレベル二十かあ」

「あの、レベルってこんなに簡単に上がるものなのですか?」

「国で聞いていた話と随分違うのですが」

「あー特別なんだ、僕とアンジュちゃんのスキルとその指輪のおかげで」

「そうなんですか」「戦ってもいないのに……」


 これでニィナさんクラリスさんもいれば、もっとすごい事になるんだけどな。


「俺たちも種いっぱいありがとうございます!」

「ええっと一応メモしたんだよな」


 攻撃の種:五粒

 防力の種:四粒

 魔力の種:八粒

 機敏の種:三粒

 体力の種:一粒

 おいしい種:二粒


「結局、鑑定では変化なかったけど、おいしい種って何か感じました?」

「おいしかったっす!」

「あ、はい、さようで」


 お菓子かな?


「よし、じゃあヘレンさん」

「はい」

「最後に仕上げと言うか、お土産を持って帰りましょう」

「はあ」

「サキュバスじゃないにしても、同じ系統と言えなくもないから、うまくいくかも」


 チョン、チョン


「どうしたのアンジュちゃん、つっついたりしてきて」

「次、ボク、おいしい種、たべたいっ!」

「わ、わかった、いいよねリューイさんたち」


(ってもう最後の仕事をして帰ろうとしてるのに!)


 ……と、こうして僕らは最後の作業を終え、地上に戻ったのであった。


「種はまた今度ね」

「えー」

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