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草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 上流勇者と奴隷眼鏡サモナー
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第115話 どきっ! 女だらけのサキュバス討伐 ポーターもいるよ!

 最後の準魔王部屋、その扉前に集まった面々は僕以外、全員女性だ。


「デレス、まず紹介をしてもらおうか」

「はい、今回は他パーティーとは組まないという事で、

 東Aエリアから白金貨の補償金を預けて元冒険者の女性を雇ってきました」


 うん、嘘はついていない、お願いした場所は娼館だけれども。


「まずは元Aクラスパーティーのアサシン、ジュニーさん」

「よろしくお願いします」

「続いて現在でもAクラスの魔法使い、ルエナさん」

「サキュバス相手に魔法は効きにくいので、補助魔法を中心に」

「そして元Sクラスパーティーに在籍した事もある、

 僕が東Aエリアで最初に出会った女性、賢者のミュジンさんです」


 そう、冒険者ギルドまで案内してくれて帰りに娼館に誘ってきた、

 あの美人さんだ、まさか賢者だったとは、しかも元SですよS!


「どうぞ便利屋として使ってください」

「うむ助かる、それでデレス、最後のひとりは」

「はい、彼女は別件なんですが、前回の準魔王退治に参加してくれた、

 『スピードファクトリー』のポーター、シンディさんです」

「その、分配はいらないので、よろしくお願いします」


 オークションが終わった後、彼女にばったり出くわして、

 出品されてたアイテムバッグ、あれ君のだよね? 

 と聞いたら実家から、もっと高性能なリュックが届いたので予備を売ったと、

 その話のついででもっとレベルを上げたい、勉強したいというので、

 パーティーの枠もひとつ余っていたので入ってもらう事となった。


「命の保証はないが大丈夫か」

「は、はいっ、リーダーのニィナさま、シンディです、よろしくお願いします」

「ハイエルフの涙はちゃんと入っているな?」「もちろんです」


 そう、例の僕が運んだあの体力魔力回復の高価な消費アイテム、

 落札したSランク冒険者パーティーに無理言って十本買わせてもらった、

 こっちはお金に余裕があるからね、それを彼女には預けてある。


「よし、ではこの八人で準魔王『ヴィクトリアサキュバス』の討伐だ、

 作戦はまず真っ先にボスを時間との勝負で倒しに行くのだが……」


 正攻法でいけば僕たちだけで倒せるだろう、

 いや男は入ると戦えなくなるというので僕以外の四人だが、

 でも、とあるミッションがひとつ追加されているため補佐が欲しかった、

 そこでお金だけの縁で後腐れない東Aエリア娼館の女性陣から、

 今回の作戦に使えそうな三人を戦闘依頼で雇ってきた訳だ。


(それ以外のオプションを使うかどうかは終わってから考えよう、うん)


「……という手順だ、皆、頼んだぞ」

「「「「「「「はいっ」」」」」」」


 アンジュちゃんは杖ではなく鎌を持ってやる気だ、

 昼のアンジュちゃんショーで気を良くしたのかもしれない。


「では開けるぞ、何が飛び出すかわからないからな、注意していてくれ」


 そう言って扉を開けると、

 セクシーすぎる声が響いてきた!


「あ~ら、新たな供物がご来場かしら?」


 その声を聴いただけで僕は全身が痺れ、

 身動きが取れなくなる! こ、こ、これはあ!


「デレス! 大丈夫か!」

「ニィナ様、いかがなさいましょう」

「……仕方ない、すぐ終わらせて戻るからデレス、待ってろ!」


 そして入っていった八人とサモンのサキュバスたち、

 しばらくして扉が閉まるも僕はまだびくんびくんしたままだ!


(すごい声だった、声だけで男を殺すサキュバスだぁ)


 この場合の『殺す』の意味は置いておいて、

 確かにあれじゃあ男は入っても戦闘なんかできやしない、

 前もって聞いた資料だと男がその気満々で武器なく抵抗なく入れば、

 やさしぃく『いただいてもらえる』とかなんとか、いやその情報はいらなかったが、

 とにかく男じゃあの相手は話にならないな、うん。


(扉が開いたときに耳を塞いでおくべきだった)


 おそらくヴィクトリアサキュバスが倒されれば自由になるだろう、

 そうでなくても時間さえ過ぎれば……と待っていると、

 後ろから何者かの気配がしてきた、ふたりだ、こ、これは、こいつは……!!


「ふ~ん、面白い事になってるじゃ~ん」


 顔がくっつくんじゃないかってくらい迫ってきた女勇者コロメ!


「よ、よん、で、な……い……」

「ん~、どっしよっかなぁ~……そうだ、奴隷にしちゃえ☆」


 そう言ってアイテムボックスから『隷属の首輪』を取り出した!


「アタシ、実は奴隷商の免許も持ってるんだ~

 つ・ま・り、これさえ着けちゃえばぁ……んふ~♪」

「や、やめろ、や、やめ、やめ、やめろおおおお!!!」



 ……



「デレス! 無事に退治したぞ、予定通りお伴のサキュバスもティ……デレス?」

「デレス様? デレス様はどちらへ?」

「索敵でも居ないな、いったいどこへ消えたんだ……??」


 突然、こつぜんと消えたデレスに焦る面々。


「地上か? アンジュ、移動してみてくれ」

「うん、わかった!」


 西地区の冒険者ギルドまで飛ぶ!

 勇者受付はいつもとは違いメイド風女性の方だ。


「デレスは、うちのデレスは戻ってきているか」

「しばらくお待ちください……まだのようですが」

「そうか、わかった」

「ニィナ様、デレス様が何も言わずひとりで受付を済ます事はないかと」

「そうだな、参加してくれた皆は少し待ってくれ、先に受付をしても構わん」


 焦りながらも冷静に対処しようとするニィナ。


「……アンジュ、さっきの戦闘でレベルが上がったと言ったな」

「うん」

「瞬間移動で『デレスの居る所へ飛ぶ』というのはできるか」

「ちょっと待って、杖持つね」

「やるだけやってみてくれ」


 アンジュが魔力増大の杖を持って念じると、

 ニィナスターライツの面々が転移された先には……!!


「きゃっ?! な、なによー!」

「ニィナさん! 助けて!」


 豪華な宿、私室で女勇者コロメと一緒に居た、

 隷属の首輪をはめられていた、デレスの姿があった!!

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