表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリスは楽しく過ごしたい!  作者: かるた
第一章 きょうだいと楽しく過ごしたい!
11/121

セレスタお姉様とお出かけ

「おはようございます、クリスティア様。体調はいかがでしょうか?」


 翌日、わたしはローゼに声をかけられて目を覚ます。首筋に手を当てて熱がないのを確認したわたしは、『生命活性』の調整を終えるとベッドから体を起こして軽く体を動かす。どうやら体調に問題はないようだ。


 わたしは傍らに立つローゼに笑顔を向けた。


「おはようございます、ローゼ! 体調に問題はないようです! 朝の支度を始めましょう!」

「かしこまりました、クリスティア様」


 今日はセレスタお姉様とお出かけするのだ。そう思うと楽しみで心が躍る。わたしはローゼを見上げると今日の意気込みを語った。


「今日は一番可愛い服にしてくださいね! セレスタお姉様との初めてのお出かけですもの!」

「かしこまりました、クリスティア様。一番可愛い服を用意いたしますね」


 ウキウキとしているわたしを見て、ローゼも少し楽しそうに微笑んでいた。それから朝の支度が終わると朝食のため、わたし達は食堂へと向かう。


「あら、クリス。ごきげんよう!」

「セレスタお姉様! おはようございます!」

「今日はお出かけですわね! 体調はいかがかしら?」

「『生命活性』をきちんと発動しているので大丈夫です、お姉様!」


 食堂へ到着すると、既にセレスタお姉様は着席していた。軽く挨拶をしてわたしは隣に座ると、他の家族にも挨拶する。


「おはようございます。お父様、お母様」

「おはよう、クリス」

「おはようございます、クリス」


 わたしは二人に笑顔で挨拶をすると、周りを見回す。今日は空席が多く、何だか寂しい気持ちだ。


「今日は他のきょうだいはいないのですか?」

「ああ、私達だけだ。夕食にはエメラルやアレキサンダーも顔を出すだろう」

「そうですか……早く全員で食事したいですね、お父様!」


 お父様が一度頷くと食事が始まる。皆で楽しく話をしていると、お父様が思い出したかのようにわたしに目を向ける。


「クリス、魔力を量る道具のことだが、城にはないのだ。急ぎでないなら学園に行くまで待ってもらえるか?」

「ええ、もちろんです!」


 どうやらエメラルお兄様は忘れずに、お父様に訊いてくれたようだ。ない物は仕方がないので、わたしの魔力量は後々調べることに決まり、その話は終わった。


 そうして楽しく会話を交わしながら朝食を楽しむと、セレスタお姉様と待ち合わせの約束をして、わたしは一度部屋に戻る。


「ローゼ、準備はこれで大丈夫でしょうか……」

「ええ。問題ないと思いますよ、クリスティア様」

「それでは出発しましょう!」


 わたし達は気合を入れて部屋から出発する。靴を履き替えて外に出ると、礼拝堂に行ったときと同じように、気持ちのいい青空が目の前に広がっていた。


 空を見上げると、春の風がわたしの髪を軽く揺らす。それに解放感を感じながら、軽く伸びをする。


「ん~……気持ちいい天気ですね!」

「クリス、こちらですわ!」


 わたしが伸びをしていると、こちらに気付いたセレスタお姉様が軽く手を振っているのが見えた。わたしはテクテクとセレスタお姉様の元へ歩いていく。


「お姉様、お待たせしてしまいましたか?」

「いえ。今日はいい天気だったので、空を見て楽しんでいましたの」


 セレスタお姉様が眩しそうに青空を見上げると、わたしも一緒になって上を見る。綺麗な青空を二人で見上げていると、ローゼに声をかけられた。


「セレスタ様、クリスティア様。魔動車の準備ができましたのでこちらへどうぞ」


 そう言ってローゼが示す先には一台の魔動車が停まっていた。わたしは目を輝かせて足早に魔動車へと近づく。


「まあ! これが魔動車なんですね!?」

「はい、クリスティア様は初めてご覧になりますよね?」

「ええ! 本で見たことはありますが、本物は初めてみました!」


 わたしが両手をブンブン振って感動を伝えると、ローゼとセレスタお姉様は二人揃って優しい微笑みを浮かべた。


 わたしは魔法を授かるまでは、ほとんどの時間を部屋で過ごしていたので、本では知っていても見たことのない物がたくさんある。


 魔法を授かってからは毎日新しい発見があって、とても楽しく過ごせているのだ。


 わたしがキラキラした目を魔動車に向けると、ローゼが魔動車の扉を開けてくれる。


「さあ。セレスタ様、クリスティア様。こちらへお乗りください」

「ありがとう、ローゼ」

「ありがとうございます、ローゼ!」


 わたしとセレスタお姉様はローゼに案内されて、魔動車の車内へと足を向けた。魔動車は客室と運転席に分かれており、わたしとセレスタお姉様は客室へ、ローゼは運転席へと乗り込む。


「わ~! お姉様、ふかふかしています! それに窓から外が見えて気持ちいいですね!」


 座席についたわたしは席の柔らかさに驚き、窓から見える景色を楽しむ。キョロキョロと辺りを見回すわたしを見て、セレスタお姉様は苦笑している。


「クリスが魔動車を楽しんでいるようで、わたくしも嬉しいですわ!」

「はい、お姉様! 魔動車だけではなく全てが楽しいです! お姉様やお母様、皆のおかげで、わたしは毎日が楽しいのです!」


 わたしがキラキラした目でセレスタお姉様を見上げると、セレスタお姉様の目には薄っすらと涙が浮かんでいた。


「お姉様?」

「いえ、なんでもないですわ……クリスが元気になって良かったと思いましたの……」


 そう言うとセレスタお姉様は、ぎゅっとわたしの手を握りしめる。わたしも温かい気持ちになって、セレスタお姉様の手を取ると、甘えるように力を入れる。


 そうして少しの間セレスタお姉様の温かさを感じていると、運転席で魔動車に魔力を注いでいたローゼがこちらを振り向く。どうやら出発の準備が整ったようだ。


「それでは出発いたします。しっかりと座席にお座りください」


 その言葉にわたしは名残惜しい気持ちでセレスタお姉様から離れると、窓の外を見る。魔動車が動き始めると、周囲の景色も動き出して何だか面白い。


 わたしは自分でも魔動車を運転できれば良いのにと思いながら、お姉様と話をする。


「お姉様、魔動車はどうすれば運転できるようになるのでしょうか?」

「そうですね……まずは学園を卒業する必要がありますわ」

「学園の卒業ですか?」

「ええ。魔法を十分に学んでいない者が運転することはできませんの」

「そうですか……それでは自分で運転できるのは、かなり先の話ですね……」


 学園では六年かけて魔法などの様々な分野で学ぶことになる。そのため、自分で魔動車の運転ができるのは早くても六年後だ。


 それを聞いたわたしがしょんぼりすると、セレスタお姉様はわたしの頭を優しく撫でてくれる。


「そんなに落ち込まなくても、今日のようにローゼに運転してもらえば、またお出かけできますわ!」

「それもそうですね、お姉様!」


 わたしがそう言うとセレスタお姉様も優しく微笑んでくれる。わたしは話に出た学園のことをセレスタお姉様に訊いてみる。


「学園に入学したら寮で生活することになるのですよね? わたしは大丈夫でしょうか……」

「それなら心配ありませんわ、クリス! クリスはわたくしと同じ部屋で生活することになりますもの!」

「そうなのですか?」


 セレスタお姉様は学園での生活を教えてくれる。学園に通う学生は三月の春休みと九月の秋休み、年末年始以外は帰ることができないため、寮で生活する必要があるのだ。


 その中で理由があれば、他の人と同室で生活することもできるそうだ。


「クリスはまだ本調子ではありませんので、わたくしと同じ部屋になることが許可されたのですわ!」

「お姉様と一緒だなんて、とても嬉しいです!」

「それに春からはきょうだい全員で学園に通えますわ! わたくし、クリスと一緒に通えるのを楽しみにしていましたの!」


 わたしはその言葉を聞いて春からの学園生活がとても楽しみになってきた。そのためには今よりもしっかりと体調を管理しなくてはならない。


「お姉様! わたし、たくさん『生命活性』の練習をして、学園に通えるよう頑張ります!」

「ええ。一緒に頑張りますわよ、クリス!」


 二人で話をしながら決意を新たにしていると、わたし達を乗せた魔動車はのんびりと町へ向かい走り続ける。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ