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憧れた冒険へ【更新停止】  作者: 住屋水都
冒険のための準備
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名前を決めよう

 えっと、ごめんなさい。落とされたショックでちょっと悪ふざけしました……。


「え? あ、そうなんだ……よかった。エルナー、でいい?」


 はいお姉様エルナーとお呼びください。許していただけますか?


「許すもなにも、私がやらかしたのだと冷や冷やしてたのよ……。エルマーを悲しませたらあの腹黒野郎にまた脅されて無理矢理言質とられて無理やらされる……」


 えっと……レスター兄様のことかな? レスター兄様はとても優しくて暖かい人なのだけど……。あ、人ではなくて神様か。


「優……しい……? 噓でしょ? だってあいつってば……ひぃ!?」


 視界の端にはいつぞやの黒い靄が! いやまって、靄というよりあれはもう泥では? ぐちゃぐちゃ音がするしよほど強い負の感情なんだね。


「ね、ねぇエルナー? レスターのこと大好きなのね?」


 はい! 大好きです!

 あれ? 泥が靄になった? なんだなんだ何が起こってるの?


「あ、あはは……はぁ。アレについては気にしないで頂戴。それ以上は穢れるわよ? ……よし。えっと、エルナー? 言葉についてはよかった、ってことでいいのよね?」


 靄に向かって何か呟いた後霧が晴れるかのように靄が消えていった。やっぱり神様って凄いね。

 言葉は実のところとても嬉しいです。今からでも両親の会話が聞ければいろいろ知れると思いますし!


「そう、よかったわ。それにしても、エルナーの悲しそうな姿を見てたら胸が痛んだわ……レスターの奴の言ったことも少しは分かったわね……」


 レスター兄様何を言ったんだろう。気になるは気になるけど、もっと気になることがある。

 そう、お姉様が纏っている橙色の光である。動揺させてしまったときはほとんど見えないほどになっていたのとは違って今は煌々と輝いて――。


「わーわーわー余計なこと考えなくていいのよっ! そんなことよりっ!」


 おぉ、また一層明るくなった。やっぱりあの光感情に影きょ――。


「そ・ん・な・こ・と・よ・り! さっきからちょくちょくお姉様って呼んでるけどどういうことなのよ!?」


 えっと、なんか第一印象でそんな感じに……ごめんなさい、嫌ですよね……?


「うっ、上目遣いが可愛い……。嫌ではないけど、ちょっと、恥ずかしいのよ」


 でも、女神様って呼ぶのはなんか違いますし。


「どういうこと?」


 えっ、ほら、神様って言うとレスター兄様ですし女神様というには――。


「どういうこと?」


 ……ごめんなさいお姉様。ゆるして……?


「……っ。なら私の名前を決めなさい」


 そんな恐れ多「決めなさい?」はいお姉様。

 改めてお姉様の姿を眺める。レスター兄様もそうだけど神様は金髪が多いのだろうか。

 さっきも思ったけど相当な美少女だと思われる。母さんが女性的な魅力のある美女とすればお姉様は「ん?」にこやかな笑顔が怖いですお姉様。

 お姉様の魅力はこの接しやすさなのだと思う。少しツンツンした言動も優勢を保とうとしての結果だとすればとても可愛らしい、って熱い! え、なんで?

 ……お姉様が燃えてらっしゃる!? あ、違うお姉様が纏ってた橙色の光が燃えてるのか……燃えるの?


「へ、変な事考えてないでさっさと決めなさいよ……っ」


 お顔が真っ赤ですお姉様あっつい! 温度が上がった! 乳幼児には厳しいですお姉様ぁ!


「あ、ごめんなさい……」


 い、いえ、僕のほうこそごめんなさい。お姉様が優しいの分かっててつい悪乗りしちゃいました。

 熱いです、褒めるのがダメなんですか? あ、また……余計なこと考えませんごめんなさい。


 しかし名前か。自分より上の存在に名前を付ける乳幼児や十歳児ってどうなのだろう。


 レスター兄様の時と同じように最初に浮かんだ名前がよさそうかな?

 うんうん唸っている僕が気になるのかお姉様が抱き上げる。何も反応が無いから今は心を読んでいないのだろうか?

 しかし普通にあるというのも分かる。母さんの抱っこに慣れていたから物足りなく感じ痛い痛い! ごめんなさいお姉様! あれ、緩まない!? 折れる! 潰れる! 助けてレスター兄様!


「ん? うわっまた出たっ! ちょっと、今エルナー抱いてるんだから寄らないでよ! ……あ、ごめんエルナー。ちょっと不快な感じがしたから力入れちゃったみたい」


 ……漫画の知識にあったっけ。女性の勘は鋭いって。恐るべしだね……。

 しかしこれで今はお姉様が僕の心を読んでいないことは確定した。それだけ名前を楽しみにしてくれているんだね。馬鹿なこと考えて焦らすのも悪いよね。


「あーあーい」


 気づいてお姉様、僕喋れないの。


「あ、決めてくれたの?」


 はいお姉様。『エリカ』はどうでしょうか。最初に思い浮かんだのが一番しっくりきたので……。


「エリカ、エリカね。ふふ、悪くないわ。よろしくねエルナー?」


 はい、エリカお姉様!


「ふふ、いい笑顔ね。レスターの言うことも間違いはなさそう。本当に可愛い……」


 エリカお姉様が凄く優しくなった……笑顔が素敵ですお姉様痛い! また落とされた!?


「レスターも残念ね? 世界線が違うから頻繁にこっちへは来れない。けれど私はこの世界線の管理者だからいつでもエルナーと会えるわ?」


 え、黒い靄が生まれた。本当にレスター兄様なの? あ、消えた。

 けど、そうか。レスター兄様とはあまり会えないのか……。


 エリカお姉様、お願いします。レスター兄様とも会いたいのでお姉様と兄様の二人一緒ではダメ……ですか?


「……可愛い弟のためです。そのお願いを聞きましょう」


 ありがとうエリカお姉様! 大好き!


お読みいただきありがとうございます!

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