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キチガイプレイヤーとキチガイフレンド4

 そのコードとソフトだけ渡して、女の子はどっかに消えてしまった。


「これは…ソフト分の金は返さないとまずいやつか?」

「多分ね…流石にキレては来ないけど一人で泣きそう」

「あー、まじか。帰って少しやるわ。どうせ今日は夜まで【Death World Omline】は出来ねえし」

「なら俺もやろうかな。多分家に開いてないソフトがあった筈だし。あ、てかSSランクまで行かなきゃ出場権すら無いよ?」

「は?」

「Gから始まってF、E、D、C、B、A、S、SS、SSS、EXって。確かSSになるには上位1000人に入ることだったかな」


 なんて無理ゲー。いや、制限時間がなければ出来るかもしれないが、制限時間が有る事を考えると相当やばい。


「あ、そういやあのゲームネカマ出来るよ。お前、やっぱ【Death World Online】で俺と敵対しても良いから、ネカマやれよ」

「は?…そうだなー…あ、【Future Dream Online】で俺に勝てたら良いよ」

「よし。今から全力疾走で家に帰って戦うぞ!」

「あ、一回勝負な」

「えー。せめて100回」

「…10回ね」

「おけ」


 【Future Dream Online】というのは、俺と快斗が初めて会ったゲームだ因みに、俺はそのゲームで元ランカーであり、快斗は上位100?ぐらいだったと記憶している。まあ、負け要素がないのだ。何故快斗が喜んでいるのかは知らないが、ボコボコにしよう。

 その後、全力疾走で帰っていく快斗を見ながらゆっくりと帰路についた。


 家についた頃に時刻は大体1時前だ。快斗が1時から最初の街でやろうとの事なので。ソフトを発掘してすぐにログインした。


「げ…」


 やばい。これはやばい。何がヤバイって、もうやらないと思って装備を全部譲渡してた。


「遅いぞソウ!!」

「…やっぱ止めない?」

「んんん???装備を俺に譲渡しちゃった事に怖気づいてるのかな???でも安心してくれていいよソウ君!もう皆に広めたから野次馬は十分だ!!」


 …。クズだ。


結果から先に言おう。◯が俺の勝ち、✕が俺の負けだ。


◯◯✕✕◯◯◯◯◯◯


2回も負けてしまった。


「「「「ネーカーマ!!!ネーカーマー!!!」」」

「喧しいわっ!!」

「あ、それとソウ君よ。あのゲームのアバターを作る時に、もし性別が逆だったら?っていう設定が出来るからそれでやれよ?変えて良いのは髪の色と目の色、肌の色だけだ!あ、胸は盛っていいぞ!」

「一から適当に作るのは?」

「何回負けたっけなぁぁああ???」

「初期装備に半分以上負けたやつは黙ってろ」

「「「「ネーカーマー!!!!!!」」」」


 因みにこの野次馬、半数以上が俺の事を知っている奴だ。悪乗りが過ぎる。快斗はリアルでもあっている為、すっとぼける事は難しいし、そもそもやらないっていうのも厳しい。

 あれ?詰んでね?

 てか、なんでネカマを推奨してんだよそのゲームは…。本当に巫山戯てんだろ…。


「…静粛に」


 いやー、うん。俺の一挙一動に注目していたせいか、完全に音が消えた。


「約束した以上はやってやるが、キッドにもやらせたい。協力してくれ」


 キッドというのは快斗のプレイヤー名だ。まあ、こういう時のネットの人間達の団結力は凄い。あっという間に快斗のネカマも約束された。


「仲良くやっていこうじゃないか、キッドちゃん」

「そうだね。仲良くやっていこう、ソウちゃん」


 勿論、握手は相手の手を握りつぶす気でやっているし、向こうもそうだろう。アバターに青筋が見えるって相当だからな?


「じゃあ、落ちるわ。又いつか。やるときがあったら」

「「「「安心しろ【Street Fighter】で会うから!」」」」

「声揃えてんじゃねえよ!」


 最終的に、快斗と共に互いに中指を立てながらログアウトすることになった。本当に快斗の自業自得だ。俺を巻き込まないでほしかった。


 まだ現実の時間は1時半ぐらい。仕方がないので、コードを快斗にも共有してから【Street Fighter】を開いた。


 しっかりと言われたとおりに、もし性別が逆だったら?という設定でアバターの基礎を作成した。

 …うん。まんま凛だ。若干胸がでかい気がしないでもないが、邪魔なので削ぎ落とす。まあ、盛るのが有りなら削ぐのも有りだろう。こんぐらいは許して欲しい。で、髪の色は凛とは逆…いや、白だと味気ないから銀っぽい白にしよう。目の色も同様にして銀。肌の色は…真っ白でいいか。良し。アバター作成終了。あとはコードを入力して、ログインした。


 あー、うん。あれだ。闘技場が何個も並んでる感じ。で、初期リス地だと思われるここの周囲に人だかりがあった。

 ソウちゃんとかキッドちゃんとか聞こえるけど、気のせいだろう。表示されているプレイヤー名を非表示に変更し、移動を開始することにした。のだが、


「ソウちゃーん?何処に行くと言うんだい?」

「少しお花を摘みに」

「そんな言い方するやつ今どきいねえよ」


 キッドちゃんに見つかった。やはり、イケメンは性別が変わると美人になるようで、凄い美人だった。胸無いけど。


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