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キチガイプレイヤーとキチガイフレンド2

ブックマーク、高評価ありがとうございます!

 飲食店を出て、ゲーセンへと向かうと、相変わらずVRゲームのコーナーは混んでいた。


「やっぱ混んでるね〜」

「そりゃな。あれ、今日って何曜日?」

「何言ってんの奏。今日は土曜日だよ」

「そりゃ混むわ」


 研究所で時間加速でコウモリの練習をしていたりしたせいで、曜日感覚など無くなっていたから、今日の曜日も分からなかった。


「取り敢えず並ぼっか。あれ、ここのシステムって負けたら交代だっけ?」

「そうだよ」

「んじゃ、先にいった方は勝たないとねー」

「俺は絶対に勝ち続けるから大丈夫。で、快斗をぶっ殺す」

「やる気は十分だね」

「安心しろ。巨乳アバター使ってやるから」

「おぉー」


 並んでると言っても10人程。で、大体は小さい子供だ。だから、すぐに戦闘は終わって回ってくる。…と思っていたのだが、


「…いくら何でも早すぎない?」

「てか、ずっと勝ってる人いるよ。双剣のアバター使って子供達の心を折ってる」

「普通にPS高いな…」

「そだね。どっちから行く?」

「ジャーンケーン「ポン」」


 じゃんけんの結果、俺から行くことになった。アバターを選ぶ画面になると、人間から動物まで、様々な生き物が表示された。巨乳アバターとなると…あまり無いな。取り敢えず、快斗と戦う時に使うアバターは決まったから、今の試合でどんなアバターを…取り敢えず快斗を期待させるか。


『NONAME VS NONAME』

『3…2…1…FIGHT!!!』


 取り敢えず、相手の出方を見る。俺が選んだのは拳闘士。快斗の期待にも答えられるし、俺が使いやすいのでこれにした。


「こないの?」

「いやね、拳は剣よりリーチが短いからカウンターをしないと勝てないと思うんだよ」


 今まで見た所、相手はカウンターを得意としていた。俺が剣でダメージを受けないようにする方法など、躱すか剣の腹を殴るしか無いが、こっちから攻めてしまうとそれが難しくなる。


「じゃあ、私から行く」

「アバター男なんだからなりきろーぜ!!!」

「貴方が言う?」


 いや、本当にその通りなんだが、女子の口調?とかよく分からんから無理。因みに、今の会話の間に4回程剣を振られ、3回躱して1回剣の腹を殴って2回パンチを入れたが、1回は防がれた。


「PSたっけーなおい!」

「…貴方が言う?カウンター入れといて」

「…」

「…」

「…あれ?来ないの?このまま膠着状態が続くと多分俺の勝ちになっちゃうけど?」

「…うるさい」

「あ、すんません」


 煽って攻撃を誘おうとしたのだが、ガチトーンで嫌がられてしまった。やっぱり初対面の人に変な事はするべきじゃないな。


「今度こそっ」

「…あぶっ。あぶっ。ちょ、おらぁ」

「…巫山戯てるの?」


 因みに、今は剣が6回来て、全て剣の腹を弾くだけで終わらせた。勿論、煽りだ。まあ、割とキツかったりするのだが、そのぐらいだったら出来ないことはない。人型時の俺のプレイスタイルは双剣なのだ。そりゃ、自分が使ってる戦法だから、対処法も分かっている。

 それに、この拳闘士、AGIがとても高いのだ。それこそ、スピードが大切な双剣士よりも早いレベルで。


 多分、このぐらいだったら快斗でも出来るだろう。


「いや、次の試合の為に準備運動を…」

「…ブッ殺す」

「え?何故に!?」


 今までは軽めな準備運動だったかのような動きを、相手プレイヤーは始めた。多分、このPSは上位3%ぐらいには入れてるんじゃないだろうか?まあ、こちとら有名ゲーの元ランカーだ。もうやって無いどころかソフトが何処に有るかすら覚えてないけど、俺の部屋か、妹の部屋を探せば見つかるだろう。


 相手が剣を振ってくるのに合わせて避ける。勿論、相手はそれを見越してもう一方の剣で攻撃をしてくるので、それは剣の腹を殴って対処する。で、剣を弾いたお陰でお腹に隙が出来たので殴ろうとするが、剣の腹で受け止められた。

 その後も、同時に剣を振ってきたり、クロスさせたり、色々としてきたが、全部対処することが出来た。まあ、こちらから攻撃を入れることは出来なかったが。


「…まだ巫山戯てるの?」

「何で?」

「足使ってない」


 …。……。


あ…そういや足技とか有ったな…。最近人型でゲームなんてやってないから忘れてたわ。


「忘れてた」

「は?巫山戯てるの?」

「いや、純粋に忘れてましたすんません。お詫びとしてこちらから行くんで許して下さい」


 本当に、申し訳ないことをした。舐めプをするならするで、足で剣を弾くぐらいはしないと駄目だろう。ただ単純に面白みもなく拳で弾くなんてつまらないことをしてしまった事を本当に申し訳なく思う。


 こちらから行くと言った以上。ある程度は全力で行かせてもらう。

 まず、右手で振りかぶる。ここで相手が左へと躱してくれたので、左足で蹴る素振りを見せる。すると、剣で受け止めようと動き出したので、右足でそれを蹴り上げ、左足の回し蹴りをくらわせる。多分、このぐらいの動作だったらランカーだったら問題なく出来るだろうし、問題なく対処できただろう。俺も、今ので躱された場合の動きもしっかりと考えている。


 途中で空中で一回転をする必要は有るが、十分強いし、何よりも見た目が格好いい。女の子のアバターでやった事も大きいだろう。

 とにかく、今の一連の動作を流れるように1秒以内で終わらせた。このぐらいすれば相手も本気だと思ってくれるのでは無いだろうか?


あれ?んー?起き上がってこないな…


『K.O!!』

『WINNER NONAME!!』


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