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城主さん大量発生

前話の最後の方の【分化】は【分体生成】です。割と大きなミスしてました。すみません。

 それからさらに10時間程下位竜と戦い続けた結果、殺されることはなくなったが倒すことも出来なかった。寝ていた時に比べ、回復速度が早い上に酸攻撃や腐蝕攻撃が効かなくなってしまったのだ。下位竜を毒状態にしても、すぐに回復される。有効打が思いつかなかった。

 結局、そのまま昼になってしまったので、ログアウトした。


「あ、調子はどう?」

「下位竜ヤバすぎる」

「?相変わらずよく分からないことをやってるのね」

「いや、あれは本当に意味が分からん。寝てたら倒せたけど、起きてたら大きなダメージを与えることすら出来ない」

「へー、因みに、移動手段はどうだった?」

「ログインすらしてないから分からん」

「え?」


 あ、ミスった。これは練習用ソフトの事は説明しておいたほうが良いだろう。まあ、別に隠せとは言われてないし、凛に言うぐらいなら良いだろう。


「いや、快斗に練習用ソフト貰ったから、それで練習してるんだよ」

「そんなの聞いたこと無いけど…」

「先行体験?らしいよ」

「へー」

「まあ、あまり広めないで」

「良いけど、犯罪は駄目だからね?」

「分かってる」


 流石に犯罪を行うような度胸はない。犯罪と言われて、頭の中に犬が現れたが、俺は知らない。その犬がしっぽを振りながら別の犬に擦り付いていたとしても俺は知らない。

 因みに、頭の中に現れた犬は両方共首に『オス』という看板がかけられていた。


「あ、頭を使いすぎて疲れたらプチシュー買ってきたから食べていいよ。一個は俺が食べるし」

「いいの?ありがと。それにしても、奏がプチシューを譲ってくれるとは…」

「一日で3個食べるよりは1個を譲って胡麻すっといた方が良いだろ」

「胡麻するって…まあいいや。ありがと」


 快斗から来たメールに、凛が俺と同じアバターの所為でよく絡まれていると聞いたので、迷惑料として渡してるのだがそこは言わなくていいだろう。悪質な絡まれ方だったら俺が行くけど、そういうわけでもないらしいから放置している。


「で、凛はどうなの?」

「あ、それ言いたかったんだけど、小鬼が出たから喰わせたら、屍鬼に変異したよ。これ、吸血鬼になれるんじゃないかな?私は小鬼は食べたくないんだけど…」

「グールと屍鬼って一緒じゃなかったんだ…」

「ね。私もそれは思ったけど、変異したってことは別物扱いなんじゃない?」

「鬼の因子でも有るのか?」

「私ネットで少し調べたけど、グールって屍食鬼又は食屍鬼って言うらしくて、日本語の当て字だと鬼って入ってるけど、鬼は関係ないらしいよ」

「へー」


 じゃあ【Death World Online】では、グールと屍鬼は別物か。だと実際に鬼の因子は存在しそうだな。俺が取り込んだ吸血鬼の因子はそれの亜種のようなものだろう。屍鬼の進化先には吸血鬼はありそうだ。

 てか、種族とかが一切表示されないこのゲームでどうやって屍鬼だって分かったんだ?


「なんで屍鬼って?」

「ん?…あぁ。派閥の主って派閥に入ってる人の種族が分かるのよ」

「へー。けど、ハイグールより屍鬼って上位種だろ?なんで派閥を抜けてないんだ?」

「分からないけど、明確な抜けたいっていう意思が無いから。とかじゃないかな?」

「あー」


 確かに、そんな感じなのかもしれない。もう少し制約はありそうだが、そこは後々凛が解明してくれるだろう。


「じゃ、俺ゲームに戻るわ」

「じゃあ私も」


 【Death World Online】にログインすると、まだ訓練していた。ただ、少し違かったのは、ルノが蝙蝠の見た目をしていることだろう。


「何やってるんですか?」

「ん?ああ。蝙蝠としての飛び方を教えている」

「へー…俺も鍛えてくれませんか?」

「良いぞ。飛ぶ訓練なら一人でも出来るだろうからな」

「じゃあ、お願いします」


 部分蝙蝠化で羽を生やし、分体生成で分身を作り出す。城主さんの前で分体生成を使うのは初めてだが、そこまで大きな反応を見せなかった所を見ると、知っているのだろう。まあ、それぐらいは全然想定内だし、全く気にしない。今重要なのは、城主さんに呆れられないことだ。城主さんに呆れられるのは割と心に来るものが有るので、全力を尽くす。


 それから、いつも通り、最初の数分間は攻撃をしないでくれた。ただ、動き出してからは一瞬だ。分体も一瞬で消し去られ、俺も四肢を切断されだるま状態になった。

 因みにこのゲーム。クリティカル補正のような物が存在して、首を切られたり、心臓を貫かれたらHPに関係なく死ぬ。それの例外が不死者だ。不死者達はHPが尽きるまでは死ぬことがない。と言っても、俺は不死者まがいな存在なので、不死者の弱点となる光魔法は弱点にならないし、てか所有しているし、首を切られたりすれば死ぬ。まあ、切られた瞬間に分化を発動して、体を自分でバラバラにすれば死なないが…。


「ソウ。貴様、いつ分体生成の練習を?…まあ良い。今のお前の分体生成には明確な弱点が存在する。なにか分かるか?」

「目で捉えたことを上手く使いきれてないことですか…?」

「いや、感知スキルに頼りすぎていること、複数体の相手を想定していないことだ」

「ふむ?」


 痛いな…。なるべく痛まないように、上手く切り飛ばしてくれているのだが、痛いものは痛い。正直、なれる気がしない。戦闘中は痛みを無視できるように数年かけて訓練したが、戦闘後の痛みは無視できない。


「やったほうが早いだろう」

「お?」


 城主さんが言うと共に、周囲に城主さんが9人現れた。


「合計10人だ。10分間此方からは攻撃をしないからやってみるが良い」

「はい!」


 結論から言おう。ボコボコにされた。城主さん。頭の中に脳みそ何個有るのだろうか…。


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