Angel's Belief～天使たちの存在証明～

～　汝、多数を生かすため切り捨てられた少数の怨嗟を知れ　～


２０２１年４月１日、世界に終止符をもたらす者どもが異界よりこの世へ舞い降りた。
異形の人喰い怪物【レギオン】の群衆は、当時８０億人はいたとされる人類をたった３０年で１１億人にまで減らしていた。
地球各国は１つの統合政府と人類統合軍を結成し、総力をあげてこの異界の侵略者へと抗戦。
人道も倫理も無視した総力戦の末、人類は数多の犠牲と引き換えにようやく明日を手に入れる有り様だった。

時は経ち、２０５３年。
劣勢を強いられていた人類の前に新たな脅威が立ちはだかる。
その名は、神出鬼没のテロ特化型上級レギオン【ヌエ】。
窮地に瀕した軍の上層部の一派は、１度は封印した【無差別殺戮兵器テルミナ】の再稼働を強行する。

この激動と戦乱の時代の中。
数奇な運命に翻弄されながらも己が生き様を貫いた、２つの小さな命があった。
その身を戦闘用に機械化した青年ルークは戦場を駆けた。仲間を屠った憎き仇をその手で討つために。
その身に特異な能力を宿す少女ロザリアは戦場を駆けた。争いのない平和な世界を築くために。
執念の「戦狗」と信念の「英雄」、２人の生きた軌跡が描くはホーリークロスのようで。

全てを破壊・侵食せんと押し寄せるレギオンの大群。
もはや目先の勝利のため未来へ禍根を残すことに躊躇しなくなった人類。
狂気と執念、破滅と絶望、戦禍と陰謀の蔓延るこの終末戦争の果てに２人を待ち受けるのは……。



～【生きる】とは、そう生易しいことではない～


Soldier's Beliefシリーズ、異端の非公式外伝。
これは、滅びの道を突き進む世界の中で、忌まわしき運命に翻弄されながらも戦いへ身を投じ続けた【英雄以外】たちの存在証明である。



※この作品は「n5055ea」「n8094el」の二次創作です。原作者様より許可を頂いています。