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砂上の救世主  作者: 偏雑食
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プロローグ

 太陽が照り、あらゆる生命が枯れ果てる砂漠を、男とバイクは走り続けていた。

 砂塵が舞い視界が奪われ、何度となく車輪が砂にとられバランスを崩す。そのたびに男は慌てて愛機を横転させまいとハンドルを切る。

 ———もう、何日休まず走り続けているのだろう。少なくとも、最後に食事をとったのは三日前の夜だったはずだ、と車体を必死に安定させながら男はぼんやりと思った。

 そんな疲労困憊といった様子の主人を見て、バイクはたまらず声をかけた。


「————トラス。無理に操縦する必要はありません。場所さえ分かっていれば、私一人でも走れますから、休憩していたらどうですか?」

「ありがとよ。けど、遠慮しとく。こんな状態で眠ったら町に着いたとき本当に起きれるか不安だからな」


 愛機の献身的な提案を、トラスと呼ばれた男は丁重に断った。疲労がたまっており、もう何日も口にしていない状態で眠ってしまったら、二度と目が覚めないかもしれない。それよりは、愛機と会話でもしながらハンドルを握っていたほうがよっぽど安心するとトラスは思った。


「…わかりました。では、少しでも町に早く着くように速度を上げますね」


 迷いながらもトラスの意見に従ったバイクは、しかしこれ以上疲労しきった姿をみたくないのか、せめて一秒でも早く町へ着き休ませようと自身の回転数を上げた。

 徐々に景色が流れるスピードが速くなり、受ける風圧も大きくなる。

 それらの変化に必死にしがみつくようにハンドルを握りながら、トラスは思った。


「これ、むしろもっと疲れるんじゃないのか?」


そう苦笑しながら、トラスとバイクは砂を巻き上げ一直線に砂漠を駆け抜けていった。



はじめまして。偏雑食と申します。小説初投稿ということもあり、足らぬ点が多くありますがこれからよろしくお願いします。

感想、文法や描写の指摘などしてくれるとありがたいです

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