ソレ
長い長い迷路の中
床に座り込む私
他の人たちはゴール目指し
右へ行ったり
左へ行ったり
上へ行ったり
下へ行ったり
一心不乱に歩き続ける人々
たまに立ち止まり
諦めたのか
座り込む人
みんな
自分の「ソレ」を探している
私の「ソレ」はどこ?
私は
探すのを
諦めている
「ソレ」なんてどうだっていい
虚ろな目で
歩き続ける人たちを
ボーっと眺める
「ソレ」が見つかればゴール
ゴールなんてしなくてもいい
どうだっていい
そう思っていた
そんな時
あなたは
来た
私の目の前に立ち
手を伸ばす
その手には
私の・・・・
「見つけてきたよ、一緒に行こう」
「ソレ」を受け取った私は
少し笑っていた
嬉しかったのだ
「ソレ」を手に入れた私は
ゴールした