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盗賊集団

無事に街に着けたらいいですね。はいそうですね〜。なんてフラグそのものの会話を交わしたお婆さんをムシュカの街で下ろし、再びローザに向かって馬車が走り出し始めてから約二十分。


「おい止まれそこの馬車!命が惜しけりゃ全員降りて来て有り金全部よこしやがれ‼︎」

「ひぃ!ど、どうか命だけはお助けを‼︎」

「はぁ…」


なんとも分かりやすい盗賊集団に馬車を包囲され、面倒くさいけど馬車を降りる。因みに、大会中だからか私達意外に乗客はいない。


「お、いい女が乗ってんじゃねぇか。こりゃヤリ甲斐がありそうだ」

「お頭、俺たちにも少しはヤラせてくださいね!」

「馬鹿野郎!お前らは昨日捕まえてきた女共で我慢してろ。まだ手は出してねぇから壊れてねぇだろう」


お頭と呼ばれた大男は、そう言って下品に部下を怒鳴り散らすと、こちらに向き直って私にいやらしい目線を投げてよこした。

その後ろで、有り金全てを渡し、何度も何度も繰り返し助けてくれと訴える御者に、他の山賊が出来の悪い剣を振りかぶった。


「おいお嬢ちゃん、俺たちに有り金全部払って言うこと聞くってんなら、お嬢ちゃんとその赤ん坊の命は助けてやっても…」

「結構です。【ウォーターランス】!」

「な⁉︎ぐわぁぁぁ‼︎」


山賊頭(仮)とその配下達に向けて水魔法の第三位【ウォーターランス】をぶっ放す。


この世界の魔法は全部で五段階あって、第五位が一番簡単で威力が弱く、第一位が最も難しく大量の魔力が必要になる。

普通は、魔楽器を演奏しないと魔法を発動させることは不可能だけど、私は一番得意な水魔法だけは、魔楽器を使わなくても少しの詠唱で第一位まで発動させる事が出来る。

転生チート万歳‼︎


因みに、それぞれの属性には第一位の更に上に、特殊属性魔法というものがある。

私の使う治癒魔法もその一つ。まぁ、流石に特殊属性魔法を魔楽器なしで発動させる事は出来ないけどね。

でもだからこそ、治癒魔法を使う事が出来る人間は少なく、治癒魔法師は大切な戦力となる。

要するに、私を捨てたトワイライト王国の奴らは大馬鹿だってことよ。


「ぐっ、うぅぅ…」


山賊集団の中で一番弱そうな男の動きを水魔法の第四位【ウォーターチェーン】で封じ、用心しながら近づく。

この男にはまだ聞かなければいけない事があるからね。


「昨日捕まえてきたとか言ってた女性達はどこですか。教えてくれたら離してあげても良いですよ?」

「こ、この先にある馬鹿でかい洞穴の中だ。全員縄で縛って転がしてある。ば、場所は教えた!早く離せ‼︎」

「はいはい、ご苦労様。【ウォーターボール】」

「な⁉︎約束が違っ!」

「確かに離してあげるとは言いましたけど、誰も逃がしてあげるとは言ってませんよ」

「く、くそぉ‼︎」


無理な体勢で固められていたからか、男はすぐに目当ての情報を吐いた。

まぁ、逃げられると面倒くさいから水魔法の第五位【ウォーターボール】で窒息させてからもう一度楽な体勢で固め直しておいて、後で他の山賊集団と一緒に警邏隊に差し出せるようにしておく。


「さて、じゃあ早速その女性達を助けに行きますか」

「お〜♪」


さっきまで大人しくしてたフィオが元気よく左拳を天に突き上げる。

早く助けに行かないと、取り返しのつかない事になるかもしれないから、急いで洞穴に行かないと!。


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